「とんでもないです」は誤った使い方です。正しくは「とんでもないことです」「とんでもないことでございます」になります。理由としては「とんでもない」は形容詞であり、「形容詞+です」が誤っているためです。使われている方も多いのではないかと思います。ビジネスの場だけではなく、日常においても、よく使われる言葉遣いです。使い方、言い換えについて理解していきましょう。
「とんでもない」とは
「とんでもない」の意味についてみていきましょう。
「とんでもない」とは、
・意外である。「とんでもないできごと」
・もってのほかである。
・そうではありません。相手の言葉を強く否定すること。
ビジネスの場でよく使われるのは「そうではありません」謙遜する使い方です。
「とんでもないです」「とんでもありません」は誤用
「とんでもないです」「とんでもありません」についてみていきましょう。
・「とんでもないです」は、「形容詞+です」になっています。形容詞だけで意味が伝わるため、「形容詞+です」は、誤った使い方とされています。しかし現在では、文化庁にて平明・簡素な形として認められ日常使っても良いとされています。
・「とんでもない」は形容詞のため、”ない”の反対の”ある”とはいいません。「とんでもありません」は誤用です。
許容範囲で認められているのであれば…ビジネスの場・目上の人に向けては、より正しい表現である「とんでもないことです」「とんでもないことでございます」を使った方がいいですよね。
「とんでもないことです」を使う時とは
「とんでもないことです」「とんでもないことでございます」を使う時とは、
1)思いもかけない時
2)もってのほかである時
3)まったくそうではない時(謙遜をする時)です。
”とんでもないことです”使う時に気をつけることは?
3)の謙遜をする時に注意しましょう。
「まったくそうではない」という強い否定の意味を持つため、
相手を否定するように感じられることもあるので気をつけましょう。
【社内での会話】
昨日、作ってくれた資料、とてもわかりやすくて良かったよ!
とんでもないことです。次も頑張ります!
「とんでもないことです」を謙遜の意味で使っていますが、
相手を否定するように感じられることもあるので気をつけましょう。
「ご指導のおかげです。ありがとうございます」と言い換えたらいいですね!
ほかの言い換えもみていきましょう♡
「とんでもないことです」の言い換え
「とんでもないことです」「とんでもないことでございます」をほかの言葉で言い換えてみましょう。言葉の使い方の幅も広がりますし、会話がふくらみます。
【謙遜よりの言い回し】
・恐縮です(きょうしゅくです)
・恐れ入ります
・もったいないお言葉です
・光栄です
【敬意よりの言い回し】
・ありがたいお言葉です
・お褒めの言葉をいただきうれしいです
・とてもうれしく思います
「恐縮です」「恐れ入ります」
「恐縮です」「恐れ入ります」の言い換えをみていきましょう。
「恐」は、おそれる「縮」は、身がすくむことを意味し「恐怖で身がすくむ」という意味でしたが、現代では「ありがたさで身がすくむ」思いがすることも意味しているそうです。
【社内での会話】
昨日、作ってくれた資料、とてもわかりやすくて良かったよ!どうもありがとう。
お褒めの言葉をいただき、恐縮です。引き続き、精進いたします。
「お褒めの言葉をいただき」と感謝しつつ、「恐縮です」謙遜表現も使えていいですね♡
上司との会話では「うれしいです」よりも「恐縮です」を使うようにしましょう。
恐縮について、ご参照いただけましたら幸いです。
「もったいないお言葉です」「光栄です」
高い評価や、労い(ねぎらい)の言葉、お褒めの言葉をいただいた時に使います。
【社内での会話】
先月は、本当によく頑張ったね。みんな褒めていたよ。
私にはもったいないお言葉ですが、大変光栄です。これからもよい結果が出せるよう、精進いたします。
「光栄です」は上司や目上の人から評価された時に使いましょう!
「ありがたいお言葉です」「とてもうれしく思います」
「ありがたい」とは、またとないくらい尊い(とうとい)。もったいないという意味です。敬意よりの言い回しになります。
【社内での会話】
昨日、作ってくれた資料、みんな褒めていたよ!
ありがたいお言葉をいただきまして、今後の励みになります。
「今後の励みになります」とは「継続して頑張ります」という意味があります。今後の期待値をみてもらうためにも、使ってみましょう♡
まとめ
「とんでもないことです」「とんでもないことでございます」の使い方、言い換えについてみてきました。「とんでもないです」が許容として認められていますが、ビジネスの場では正しい言葉遣いができたらいいですよね。言い換えについては、感謝・敬意の気持ちを伝え、言い回しを持ち合わせることで返答に迷わなくなります。しかしながら、シチュエーションによって迷うことがあります。
返答の言い回しが出てこない時は、まずは相手に感謝を伝えることを心がけてみましょう。褒められたことを素直に喜び、感謝の気持ち、敬意を伝えられたらいいですね。