「お客様がお見えになります」「社長がお見えになりました」など、ビジネスシーンでよく耳にする「お見えになる」。しかし、「お見えになる」は正しい敬語表現なのでしょうか?「いらっしゃる」や「お越しになる」との違いは何でしょうか?「お見えになられる」のように使っていませんか?この記事では、「お見えになる」の意味や使い方を、例文とともに詳しく解説します。
「お見えになる」って、お客様や取引の人、えらい人が来た時に使っていますが、合っていますか?
そうですね。「お見えになる」はそのような時に使います♡
「お見えになる」 は、目上の方がこちらに来ることを表す尊敬語で、お客様や取引先の方、上司など、目上の人に対して使うのが一般的です。
「お見えになる」の意味
「お見えになる」は、「来る」の尊敬語です。目上の人や敬意を払う相手が「来る」ことを丁寧に表現する時に使います。正しい敬語です。
尊敬語とは?
尊敬語: 相手の言動や状態を、相手を立てて述べる言葉です。
例:食べる → 召し上がる、来る → いらっしゃる、お越しになる
・相手の品格や地位を高く評価し、尊敬の念を表す時に使います。
「お見えになる」の使い方と例文
「お見えになる」は、ビジネスシーンでよく使う丁寧な表現です。目上の人や取引先など敬意を払う相手に対して使います。
・夕方に、お客様がお見えになります。
・社長が会議室にお見えになりました。
・来月には、取引先の方がお見えになる予定です。
例文から、分かるように「お見えになる」の主語は、目上の人や敬意を表したい相手になります。
「お見えになる」の基本的な使い方♡
・お客様がお見えになる時間になりました。(来客の時間になった)
・社長がお見えになるとのことで、会議室の準備をお願いします。(社長が来るので会議室の準備をしてほしい)
・お客様がお見えになりましたので、応接室にご案内いたします。(来客の案内)
・お客様は、いつ頃お見えになる予定でしょうか?(到着の確認)
【社内での会話】
社長がお見えになるとのことで、今から会議室の準備をしてきます。
準備よろしく。ありがとう。
社長が「お見えになる」と適切に使えていますね♡
「お見えになる」と似た言葉の使い分け・言い換え
「お見えになる」は「来る」の尊敬語です。「来る」の尊敬語として、一般的な表現は以下になります。
「お見えになる」が最も丁寧な表現で、続いて「いらっしゃる」「お越しになる」は、同じくらい丁寧です。
「来る」の尊敬語の違い♡
「いらっしゃる」
「いらっしゃる」は、誰に対しても使える一般的な尊敬語です。「お見えになる」の方がフォーマルな場面でも使え敬意が高い表現になります。
「行く」「来る」「居る」「ある」「いる」の尊敬語としても使うことができます。
「いらっしゃる」は、汎用性が高く、誰に対しても使える丁寧な言葉♡
・お客様がいらっしゃる。
・部長がもうすぐいらっしゃいます。
「お越しになる」
「お越しになる」は、遠方から来る場合や、ある場所へわざわざ足を運んでくる場合に使われます。
そのため「お越しになる」は、相手への感謝の気持ちをより強く表したい場合に、「お見えになる」相手の来訪そのものを伝えたい場合に適しています。
・お越しになる前に、ぜひご連絡をいただければ幸いです。
「おいでになる」も「来る」の尊敬語で「お越しになる」よりも親しみを込めたニュアンスになります。
「来られる」
可能の意味:「来られる」は「来る」ことが「できる」という意味も持ちます。そのため、相手が「来る」ことを許可しているようなニュアンスに聞こえる場合があり、誤解が生じる可能性があります。
敬意の度合い:「お見えになる」「いらっしゃる」「お越しになる」と比較すると、「来られる」は敬意の度合いがやや低い表現になります。
親しい人や同僚に対して使うのが適しています。
「お見えになる」「いらっしゃる」「お越しになる」などのより丁寧な表現を使うのが一般的です♡
では、「お見えになられる」のような使い方っていいのですか?
そうですね。基本的には控えましょう。
「お見えになられる」は二重敬語
「お見えになられる」は二重敬語です。そのため使用は基本的には控えた方が良いです。
丁寧にしようとして「なられる」にするのはNGです♡
※二重敬語とは、1つの言葉に同じ種類の敬語を2回重ねて使うことです。
「お伺いする」「お伺いいたします」「お伺いします」「お伺いさせていただきます」「お伺い申し上げます」も二重敬語です。
では、どのように伝えれば良いのでしょうか?
⭕️「お見えになる」
⭕️「いらっしゃる」
のように言い換えると良いでしょう。いずれの場合も、丁寧な言葉遣いを心がけ、相手の立場に立って感謝の気持ちを伝えることが大切です。
まとめ
「お見えになる」は、ビジネスシーンやフォーマルな場面でよく使われる丁寧な表現です。状況や相手に合わせて、より適切な表現を選ぶことが大切です。