ビジネスシーンで、相手から厚意的な提案やプレゼントなどを受け取る機会は多いですよね。しかし、全てを受け入れるわけにはいかないことも。そんな時、「お気持ちだけ頂戴いたします」は、感謝の気持ちを表しつつ、やんわりと断る上で非常に役立ちます。この記事では、ビジネスで「お断り」を伝える際に必ず知っておきたい、相手に失礼なく伝えるためのコツを解説します。例文や言い換えもぜひ参考にしてください。
「お気持ちだけ頂戴いたします」の意味と敬語
「お気持ちだけ頂戴いたします」は、相手からの厚意や申し出に対して、それを受け入れることはできないけれど、その気持ちの配慮に感謝しているという気持ちを伝える丁寧な表現です。
「お気持ちだけ頂戴いたします」を使うことで、
・相手の厚意に感謝している
・断ることに対する申し訳なさ
・今後の関係性にも配慮できるという気持ちが伝わりやすくなります。
【敬語】
「お気持ち」の「お」は相手の厚意のため尊敬語です。
「いたします」は「いたす」が「する」の謙譲語で、「ます」は丁寧語です。
「お気持ちだけ頂戴いたします」って、相手に感謝の気持ちを伝えつつ、断るという難しいバランスの言葉ですよね。
そうですね。感謝の気持ちと断りの両方を伝えなければならないので、難しい言葉ですよね。言葉を選び、誠意を持って伝えることが大切です♡
「お気持ちだけ頂戴いたします」の使い方
「お気持ちだけ頂戴いたします」は、相手の厚意や申し出を丁重に断る際に使う丁寧な言葉です。目上の人や上司、取引先にも使えます。
贈り物やプレゼントを辞退したい時
例文:お歳暮をいただき、誠にありがとうございます。お心遣いに感謝申し上げます。ただいま社内では、贈答品の受取を控えさせていただいているため、今回はお気持ちだけ頂戴いたします。
食事のお誘いや飲み会などを断りたい時
例文:お忙しいところ、このようなお誘いをいただき、大変恐縮です。今回は残念ながら都合がつかず、お気持ちだけ頂戴いたします。
相手の親切な申し出を断りたい時
例文:このような貴重な機会をいただき、誠にありがとうございます。しかし、現在手が回らず、お力になれません。お気持ちだけ頂戴いたします。
【社内での会話】
もうこんな時間なので、何かお手伝いできることがあれば、言ってください。
どうもありがとうございます。でも、今回は自分で何とかしてみようと思っていますので、せっかくですがお気持ちだけ頂戴いたします。
せっかくですが「お気持ちだけ頂戴いたします」が適切に使えていますね♡
「せっかくですが」は、相手の厚意を理解しつつ、残念ながらお断りする場合に使う言葉です。「せっかくですが」を使うことで、「相手の気持ちに応えたい」という気持ちと、「残念ながら叶えられない」という残念な気持ちを同時に伝えることができます。そのため、相手に失礼なく、丁寧にお断りすることができます。
「お気持ちだけ頂戴いたします」ビジネスシーンでよく使う例文7選
「お気持ちだけ頂戴いたします」は、ビジネスシーンで、相手の厚意や申し出を丁重に断る際に用いられる丁寧な表現です。しかし、使い方を誤ると、相手を不快にさせてしまう可能性もあります。例文で使い方のコツをみていきましょう。
相手の厚意に感謝の気持ちを伝えることで、より丁寧な印象になります♡
1)お心遣いありがとうございます。恐縮ですが、今回はお気持ちだけ頂戴いたします。
2)ご招待いただきまして、誠にありがとうございます。今回はお気持ちだけ頂戴いたします。
3)ご支援のお申し出、心より感謝申し上げます。ただ、今回はお気持ちだけ頂戴いたします。
4)大変ありがたいお話ですが、今回はお気持ちだけ頂戴いたしまして、辞退させていただきます。
5)貴社からのご厚意に感謝いたしますが、今回はお気持ちだけ頂戴いたします。お心遣いありがとうございます。
6)ご厚意に感謝申し上げますが、今回はお気持ちだけ頂戴いたしますので、どうかお気遣いなさらないでください。
7)ご提案は大変ありがたいのですが、今回はお気持ちだけ頂戴いたします。今後また機会がありましたら、ぜひよろしくお願いいたします。
↑上の例文の使い方のコツ♡
・感謝の気持ちを伝える
相手の厚意に感謝の気持ちを伝えましょう。例えば、「ご厚意」「ご招待」「ご支援」「ご提案」の言葉を用いることで、相手に感謝の気持ちを表現しています。
・クッション言葉を使う
「申し訳ございませんが」「恐縮ですが」「大変心苦しいのですが」などのクッション言葉を置くことで、断りやお願いをより丁寧に伝えることができます。
・断る理由を具体的に説明する
単に断るだけでなく、なぜそのようになってしまったのか、具体的な理由を説明することが大切です。理由を説明することで、相手に理解してもらいやすくなり、印象も良くなります。→例文はこちらです。
7)のように、「今後また機会がありましたら、ぜひよろしくお願いいたします」と付け加えることで、今後の関係性も大切にしていきたいという気持ちを伝えることも大切です。
「依頼や提案」を断る時の丁寧な表現・言い換え
「お気持ちだけ頂戴いたします」の言い換えです。「依頼や提案」を断る時の丁寧な表現のため、目上の人や敬意を払う場面で使うことができます。
「お気持ちだけ頂戴いたします」の言い換え♡
「お受けいたしかねます」
使い方:「見送らせていただきます」よりも、より強い拒否のニュアンスがあります。
例文:ご提案ありがとうございます。しかし、現時点では、お受けいたしかねます。
「遠慮させていただきます」
意味:相手の厚意や提案に対して感謝しつつ、自分の都合や状況により、そのお申し出を受けることが難しいことを伝える言葉です。
例文:お誘いありがとうございます。申し訳ございません、週末は家族の予定があり、遠慮させていただきます。
「結構です」
意味:丁重に断る際に使われますが、目上の人(上司)に対しては、「結構です」を使うのは控えた方が無難です。より丁寧な表現を選ぶことをおすすめします。
例文:お土産、どうもありがとうございます。でも、これ以上は申し訳ないので、結構です。
「お気遣いなく」
意味:相手の配慮や心配に対して、「気を遣わないでほしい」「心配しないでください」という意味合いの言葉です。
例文:せっかくのお誘いありがとうございます。このあと予定がありまして、お気遣いなく。
まとめ
「お気持ちだけ頂戴いたします」は、感謝の気持ちを伝えつつ、やんわりと断る際に便利な表現です。しかし、状況や相手によっては、より丁寧な言葉遣いや説明が必要になります。この記事で紹介したコツや例文を参考に、相手への配慮を忘れずに断ることができるようになりましょう。