12月中旬に年末の挨拶メールを送るのは早いのでは…と迷っていませんか?実は、相手が本格的に忙しくなる前のこの時期こそ、落ち着いて読んでもらえる“ちょうど良いタイミング”です。本記事では、12月中旬に送っても失礼に当たらない理由、好印象な書き方のポイント、そしてビジネスでそのまま使える例文をわかりやすくまとめました。心温まる挨拶で、気持ちよく一年を締めくくりましょう。

なぜ12月中旬にメールを送るのが良いのか
12月中旬は、相手が本格的な繁忙期に入る「直前」のタイミングです。メールが集中しやすい12月下旬とは異なり、比較的落ち着いて読んでもらえるため、年末の挨拶や今年の感謝を丁寧に伝える絶好の機会といえます。
また、早すぎず遅すぎないため失礼にあたらず、「忙しくなる前に連絡してくれた」という細やかな配慮が伝わります。ビジネスメールが埋もれやすい年末だからこそ、12月中旬の挨拶は相手への心遣いとして、大変喜ばれます。

【基本】12月中旬メールの書き方ポイント
ビジネスにおける年末の挨拶は、単なる慣習ではありません。「一年間の感謝」と「来年も良い関係を築きたい」という想いを伝える大切なコミュニケーションです。
件名だけで内容がわかるようにする
師走はどの企業もメールの受信数が増えてきます。「件名を見ただけで、誰から・何の用件か」が判断できれば、相手は優先順位をつけやすくなり、見落としも防げます。
- ポイント: 【重要】や【年末のご挨拶】などの角括弧を使い、自社名と氏名を添える。
- OK: 【年末のご挨拶】株式会社〇〇営業部△△(休業期間のお知らせ)
- NG: お世話になっております/年末のご挨拶

20日を過ぎると年末前の追い込みで多忙になり、メールが埋もれてしまうリスクがあります。
一斉送信は避ける(または配慮すること)
本来、年末の挨拶は個別に送るのが最も丁寧です。しかし、件数が多い場合は一斉送信もやむを得ません。その際は、プライバシー保護とビジネスマナーに細心の注意を払いましょう。
- 宛名は「各位」や「お取引先様各位」とした方が安全です。
- 一斉送信であることへのお詫びを一言添えると、より丁寧です。

「各位」とかだと事務的だし、多くの中の1人という感じで「誠意がない」ように思います。

そうしたら、以下の方法を試してください♡
1)冒頭ではなく、文末に書き方を工夫する
本文の8割をコピーしつつ、最後の一文だけを変える方法をおすすめします。

(本文)〜本年は大変お世話になりました。 (ここだけ個別→)「先日の〇〇の件で〇〇様のサポートには、本当に救われました。また新年にお会いできるのを楽しみにしております。」
2)宛名の書き方を「少しだけ具体的に」する
「各位」だけだと冷たいのですが、少し対象を絞るだけで「自分も含まれている」という意識が強まります。
- NG:取引先各位
- OK:「本年、プロジェクトでご一緒させていただいた皆様へ」
- OK:「日頃より公私共にお世話になっております皆様へ」
3)「一斉送信」のお詫びを伝える
一斉送信へのお詫びは、「本来であればお一人ずつ丁寧にご挨拶すべきところ、略儀(簡略化した形式)で失礼いたします」という、相手に対する敬意と謙虚な姿勢を示すためのものです。形式よりも感謝を伝えることを優先した際のマナーとして捉えると分かりやすいでしょう。

いつも大変お世話になっております。株式会社〇〇の△△でございます。 本来であれば個別にご挨拶申し上げるべきところ、メールにて恐縮ながら年末のご挨拶を申し上げます。

本文構成に「来年の営業開始日」を含める
「いつまで連絡がつき、いつから再開するか」という実務情報を共有することが大切です。以下の構成で、相手がカレンダーに予定を入れやすいように配慮しましょう。
- 相手の状況への気遣い(寒さ・ご多忙の折)
- 今年の取り組みに対する具体的な感謝
- 休業スケジュール: 最終営業日と休業期間、来年の営業開始日
- 締めのフレーズ:

- ご多忙の折、くれぐれもご自愛ください
- 寒さ厳しき折、ご健勝をお祈り申し上げます
- 引き続きどうぞよろしくお願いいたします

【ケース別】12月中旬の丁寧な感謝メール文例
12月中旬は、年内業務がいよいよラストスパートに入る時期です。年末の慌ただしさを避けて、この時期にあらためて感謝をお伝えすることで、相手の印象に残りやすく、より丁寧な心遣いとして受け取ってもらえます。ここでは、そのまま使える感謝メールの文例をご紹介します。

取引先・顧客への感謝メール文例
件名: 【年末のご挨拶】株式会社〇〇の△△
本文: お取引先様各位
いつも大変お世話になっております。 株式会社〇〇の△△でございます。
ここに追記できる文例:
1)本年も多大なるご支援をいただき、無事に師走を迎えることができました。 貴社との取り組みを通じ、私自身も多くの学びを得られた実りある一年となりました。
2)日頃は格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。 本年中は至らぬ点も多々あったかと存じますが、温かく支えていただきましたこと、深く御礼申し上げます。 来年も貴社のご期待に沿えるよう、一層尽力してまいる所存です。
本日は、年末のご挨拶を申し上げたくご連絡いたしました。 本年中は多大なるご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。
誠に勝手ながら、弊社の年末年始の営業は下記のとおりとさせていただきます。
【年末年始の営業予定】
- 年内最終営業日:202X年12月28日(火)15:00まで
- 年末年始休業期間:202X年12月29日(水)~202X年1月4日(火)
- 年始営業開始日:202X年1月5日(水)より通常営業
休業期間中にいただいたお問い合わせにつきましては、 1月5日(水)以降、順次対応させていただきます。
本来であればお一人ずつ丁寧にご挨拶申し上げるべきところ、 メールにて恐縮ではございますが、年末のご挨拶とさせていただきます。 本メールは、日頃お世話になっている皆様へ一斉に配信しております。
寒さ厳しき折、何卒ご自愛くださいませ。 来年も変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
署名
上司・先輩への感謝メール文例
件名:年末のご挨拶([氏名])
本文: 〇〇部長(または〇〇さん)
お疲れ様です、[自分の氏名]です。 本年も残すところあとわずかとなりました。 本来であれば直接ご挨拶に伺うべきところ、メールにて失礼いたします。
ここに追記できる文例:
1)本年は、[〇〇の業務]において、〇〇部長には多大なるご指導を賜り、心より感謝申し上げます。 特に[〇〇の件]で悩んでいた際、いただいたアドバイスのおかげで無事に乗り越えることができ、自分自身の成長を実感できた一年となりました。
2)いつも温かいご激励をいただき、心より感謝しております。 ◯◯さんの背中を見て、仕事への取り組み方や視座の高さを学ばせていただいた一年でした。
3)本年も多方面にわたり多大なるご支援をいただき、ありがとうございました。 厳しい局面でも◯◯さんが的確に導いてくださったおかげで、やり遂げることができました。
来年は、今年学んだことを活かし、チームの目標達成に向けてより一層貢献できるよう努めてまいる所存です。
寒さ厳しき折、ご自愛くださいますよう、心よりお祈り申し上げます。
来年もご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
署名

12月中旬メールで避けた方が良いフレーズ
12月中旬は、多くの方が年内の仕事を進めている時期です。だからこそ、メッセージを送る際は「業務の妨げにならないか」「返信を急がせていないか」という配慮を忘れないようにしましょう。
相手を急かしてしまう表現
12月中旬はまだ通常業務が動いています。「年末なので急いでください」というニュアンスが含まれると、相手のプレッシャーになるので気をつけましょう。
NG: 「年内にお返事をいただけますと幸いです」
理由: 挨拶メールのついでに催促をすると、感謝の気持ちが薄れてしまいます。
言い換え: 「ご多忙の折、本件へのご返信は年明けでも差し支えございません。まずは年末のご挨拶まで。」
「仕事納め」を決めつけてしまう表現
相手のスケジュールがわからない段階で、自分基準の「休み」を押し出すのは避けましょう。
NG: 「もうお休みに入られているかと存じますが……」
理由: 12月中旬はまだ働いている人が大半です。「まだ仕事中だよ!」と反感を買う恐れがあります。
言い換え: 「本年も残り少なくなってまいりました。ご多忙の時期かと存じますが……」
「良いお年を」を時期尚早に使う
「良いお年を」は、その年にもう二度と会わない(連絡しない)ことが確定している時に使う言葉です。
NG: (文末に)「それでは、良いお年を」
理由: 12月中旬だと、その後にまだ実務の連絡が発生する可能性があるため、少し気が早い印象を与えます。
言い換え: 「少し早いですが、まずは年末のご挨拶まで。良いお年をお迎えください。」(「少し早いですが」と前置きするのがポイントです)
忌み言葉(「忘れる」「終わる」「去る」)を控える
お祝いや感謝の場では、ネガティブな響きを持つ言葉は控えるのがマナーです。
NG: 「本年の苦労を忘れて、良いお年を」
NG: 「今年もあとわずかで終わりますが」
言い換え: 「苦労を忘れて」→「本年のお疲れをねぎらって」「お健やかに良いお年をお迎えください」
「終わりますが」→「年の瀬を迎えるにあたり」「無事に師走を迎えましたが」

まとめ
年の瀬が近づく12月中旬は、これまでのご縁にそっと感謝を伝えるのにぴったりの頃です。本記事でご紹介した、多忙な相手に寄り添うメールの送り方や基本のマナーを取り入れることで、温かな気持ちはきっと丁寧に届きます。そのまま使える感謝の文例もご用意していますので、無理のない自然な挨拶で一年を締めくくり、気持ちよく新しい年を迎えるお手伝いができれば幸いです。


