師走に入り、今年も残すところあとわずか。慌ただしい12月だからこそ、お客様や取引先への年末の挨拶となるビジネスメールには、1年の締めくくりにふさわしい季節感と感謝の気持ちを込めた丁寧な挨拶文が必要です。しかし、「師走」や「年の瀬」などの時候の挨拶を、いつ、どう使えば良いか迷いませんか?この記事では、12月上旬・中旬・下旬それぞれの時期に合わせた「書き出し」と「結び」の例文を、そのまま使える形でご紹介します。この記事を読んで、心温まるメールで気持ちよく一年を締めくくりましょう。
12月のビジネス挨拶文の基本ポイント
12月は、師走の忙しさが本格化し、街のイルミネーションや冷え込む気温から一年の締めくくりを感じる時期です。ビジネスメールでは、季節感だけでなく 相手への労い・1年間の感謝・年末ならではの気遣い を一文にまとめることで、年末らしい丁寧であたたかみのある挨拶文になります。
12月のビジネス挨拶文のポイント
・季節感を出す言葉:「師走」「年の瀬」「初雪」「本格的な冬」「寒さが厳しい季節」「年末の慌ただしさ」など
・書き出しで意識すること:寒さへの配慮や、年末に向けて忙しくなる相手への気遣いを一文に盛り込む。形式的になりすぎず、自然なビジネストーンが◎です。
・結びで意識すること:一年の感謝や、年末年始に向けた健康面の労いを添えると、信頼感ある印象になります。
・使いすぎ注意の表現:「ご自愛ください」や「お忙しいところ失礼いたします」は汎用的なので、状況に合わせて別表現に言い換えるとより丁寧になります。
特に 12月のビジネス挨拶文は“季節感+感謝+気遣い”がポイントです。

書き出しと結びのひと工夫で、相手にとって印象に残るメールに仕上がります♡
12月のビジネス挨拶文を作成する際の3つのチェックポイント
時期に合った表現を使う
チェック1:12月は「師走」に入り、年末に向けて慌ただしくなる時期です。上旬・中旬・下旬で季節感を意識した表現を使い分けましょう。
- 12月上旬:まだ年末感を出しすぎず、「冬の訪れ」「冷え込み」中心
- 12月中旬:ゆるやかに年末感、「年の瀬が近づく」「慌ただしい時期」
- 12月下旬:はっきりと「年末のご挨拶」「本年のお礼」を前面に出す

↑挨拶のトーンを使い分けることが重要です♡
相手に応じた文体を選ぶ
チェック2:相手との関係性によって、漢語調と口語調を使い分けることが大切です。
- フォーマルな取引先・社外向け:漢語調(例:師走の候、寒冷の候)
- 社内や親しい関係:口語調(例:寒さが厳しくなってまいりましたね)
例えば、「師走の候、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます」といった漢語調は、ビジネスメールで一般的に好まれます。
書き出しと結びで表現が重複しないようにする
チェック3:メールの書き出しと結びで同じ言葉を繰り返すと、文章が単調になりやすいです。
- 書き出し:「師走の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます」
- 結び:「寒さ厳しき折、どうぞご自愛くださいませ」
同じ「寒さが厳しくなりました」という表現を両方で使わず、別の言い回しに変えると丁寧さが増します。
12月上旬・中旬は年末を前面に出しすぎない
2月上旬~中旬は、まだ年末ムードが強く出すぎないように注意しましょう。件名や書き出しで「年末のご挨拶」を強調しすぎず、通常業務への感謝や相手への配慮を中心にした文面が適切です。
そのため、
- 件名で「年末のご挨拶」と強調しすぎない→例:「12月のご挨拶」「年末に向けてのご連絡」
- 書き出しは「冬の訪れ・冷え込み・師走の忙しさ」が中心→例:「日頃より格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます」
- 結びでほんのり「一年の感謝」を示す程度
- 業務に関連するお礼・連絡がメインが適切です。
歳末の候は12月中旬~下旬に活用がおすすめ
「歳末の候」は12月を通して使えますが、特に年末が近づく12月下旬に使用すると、より季節感が出てふさわしいでしょう。
- 上中旬:初冬の候、師走の候
- 下旬:歳末の候

↓12月の挨拶文の記事です。12月時候の挨拶一覧も参考にしてみてください♡
12月上旬のビジネス挨拶文|書き出し・結びの例文
12月上旬は、暦の上では「冬」に入りますが、まだ本格的な寒さになる前。年末の慌ただしさ(師走)が始まる時期でもあります。この時期は「初冬」や「向寒」の言葉を使い、年末に向けた忙しさや寒さへの気遣いを伝える挨拶文がぴったりです。ビジネスメールの書き出し・結びの例文を紹介します。

この時期はまだ年末の挨拶を前面に出すには早いため、通常業務への感謝と季節の変わり目への配慮を中心としましょう♡

【書き出し】
・木枯らしが吹き、冬の気配が深まってまいりました。皆様お健やかにご活躍のことと存じます。
・初冬(しょとう)の候、貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
・向寒(こうかん)の折、貴社には益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。この一年も、多大なるご支援をいただき誠にありがとうございます。
・師走に入り、何かとご多用中のことと存じますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。いつも大変お世話になっております。
【結び】
・向寒のみぎり、温かくしてお過ごしくださいませ。
・季節の変わり目でございますので、どうぞご体調にご留意ください。
・寒さ厳しき折、風邪など召されませんよう、ご健康には十分お気をつけください。
・本年も残すところあとわずかとなりました。ご協力に感謝申し上げますとともに、引き続きよろしくお願い申し上げます。

「〇〇の候」は「〇〇のみぎり」や「〇〇の折」に置き換えて使うことができます。基本的に「この時期に」「この時に」という共通の意味合いを持っています。
12月中旬のビジネス挨拶文|書き出し・結びの例文
12月中旬は、本格的な「寒さ」への配慮と今年一年間の感謝を伝える時期です。年末の多忙を気遣う一言を添えることで、心遣いのある丁寧な印象になります。

寒冷、年の瀬などを使います♡
【書き出し】
・寒冷の候、貴社におかれましては、多事ご多用中のことと拝察いたします。平素は格別のご高配を賜り、心より感謝申し上げます。
・寒気いよいよ厳しき折、貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。本年もひとかたならぬご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。
・師走に入り、何かと気ぜわしい日々が続いておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。この一年、大変お世話になり、心より感謝申し上げます。
・本格的な冬の寒さとなってまいりました。ご多忙の時期かと存じますが、貴社の皆様の体調はいかがでしょうか。
・年の瀬が迫り、慌ただしくなってまいりましたが、日頃は当社の事業にご協力いただき、誠にありがとうございます。
【結び】
・今年も一年間、誠にありがとうございました。残りわずかとなりましたが、よろしくお願いいたします。
・歳末ご多忙の折ではございますが、皆様どうぞご自愛ください。来年も変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
・寒さ厳しき折、貴社の皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。末筆ながら、貴社の更なるご発展を祈念いたします。
・師走の寒さ厳しき折、どうぞ温かくしてお過ごしください。来年も、皆様と良いお仕事ができますことを楽しみにしております。
12月下旬のビジネス挨拶文|書き出し・結びの例文
12月下旬は、一年の仕事を締めくくる大切な時期です。年末のビジネスメールでは、この一年間お世話になった感謝の気持ちや、年末年始休暇に関するご案内をわかりやすくお伝えすることが大切です。丁寧な挨拶を添えることで、お互いに気持ちよく新年を迎えましょう。
【書き出し】
・年の瀬を迎え、貴社におかれましてはご多用中のことと存じます。日頃は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
・歳末の候、平素は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。本年も残すところあとわずかとなりました。
・寒さも本格的になり、冬本番となりました。今年一年、温かいご支援とご協力をいただき、心より感謝申し上げます。
・年の瀬も押し詰まってまいりましたが、おかげさまで無事に一年を締めくくれそうです。いつもありがとうございます。
・今年も残すところあとわずかとなりました。ご多忙の折、恐縮ではございますが、年末のご挨拶を申し上げます。
【結び】

結びに「業務完了と感謝を伝える」「年末年始の連絡事項を添える」「来年への抱負」をいれましょう♡
・本年も格別のご高配を賜り、心より感謝申し上げます。 さて、誠に勝手ながら、弊社では下記の期間を年末年始休業とさせていただきます。 【休業期間:12月〇日(〇)~1月〇日(〇)】 ご不便をおかけいたしますが、何卒ご容赦ください。 明くる年も、皆様のご期待にお応えできるよう、より一層邁進してまいる所存です。 寒さ厳しき折、どうぞご自愛のうえ、良き新年をお迎えください。
・この一年、多大なるご支援ご協力を賜り、誠にありがとうございました。 つきましては、下記期間にて年末年始の休業をいただきますことをお知らせいたします。 【休業期間:12月〇日(〇)~1月〇日(〇)】 来年も引き続き、よろしくお願いいたします。 歳末ご多忙の折ではございますが、くれぐれもご無理なさらず、どうぞ良いお年をお迎えください。
・本年もひとかたならぬご愛顧をいただき、厚く御礼申し上げます。 弊社は、12月〇日(〇)~1月〇日(〇)の期間を休業とさせていただきます。年始は1月〇日(〇)より平常通り営業いたします。 来年も、皆様のご要望に迅速にお応えできるよう、社員一同、精一杯努力してまいります。 寒さ厳しき折、どうぞご自愛ください。良いお年をお迎えください。
・皆さん、一年間本当にお疲れ様でした。下記の期間、ゆっくりと年末年始の休暇をお楽しみください。【休業期間:12月〇日(〇)~1月〇日(〇)】来年は、チーム一丸となってさらに大きな目標に挑戦していきましょう。 寒さが厳しい日が続きますが、体調を崩されないよう、リフレッシュして戻ってくるのを楽しみにしています。良いお年をお迎えください。
年末の定型句「略儀ながら」の意味と使い方
「略儀(りゃくぎ)」とは、「正式な手順や形式を省略すること」を意味します。この言葉には、「本来であれば直接お伺いしてご挨拶すべきところですが、今回はメールという略式の形でお許しください」という、丁寧な断りとお詫びの気持ちが込められています。
年末は、相手も自分も多忙を極める時期です。この一文を添えることで、メールで済ませる簡略化を相手に丁寧に伝え、「忙しい中、かえって手間をかけさせない配慮」として好印象になります。

「略儀ではございますが、書中をもちまして年末のご挨拶とさせていただきます」といように使います♡
【「略儀ではございますが、書中をもちまして年末のご挨拶とさせていただきます」使う場面】
- 12月下旬(25日以降)に送る年末の区切り挨拶
- 一年間のお礼を伝えたいメール
- 仕事納め前の「締めの挨拶」メール
【「書中」と「メールにて」の使い分け】
メールでのご挨拶であっても、「書中をもちまして」を使用するのが一般的で丁寧な表現です。「書中」は文書全般を指します。「メールをもちまして」も間違いではありませんが、相手への敬意を示す格式的な場面では「書中」が適しています。

・略儀ではございますが、書中をもちまして年末のご挨拶とさせていただきます。本年中のご高誼に心より感謝申し上げます。寒さ厳しき折、どうぞご自愛のうえ、良いお年をお迎えください。
・略儀ではございますが、メールにて年末のご挨拶とさせていただきます。時節柄、ご多忙の折ではございますが、くれぐれもご自愛ください。来年も引き続きご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。
・この一年、多大なるご支援ご鞭撻を賜り、重ねて御礼申し上げます。略儀ではございますが、書中をもちまして年末のご挨拶とさせていただきます。来る年の貴社益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
まとめ
12月のビジネスメールは、「時候の挨拶(上旬:初冬、下旬:歳末)」と「一年の感謝」、そして「年末の多忙への気遣い」を込めることが重要です。上旬・中旬は季節感と業務への感謝を、下旬は年末のご挨拶と休業案内を明確に伝えましょう。特に丁寧な挨拶には、「略儀ながら書中(メール)をもちまして」を使い、心温まる一文で気持ちよく一年を締めくくり、良い新年を迎えましょう。


