「祈念(きねん)いたします」とは、相手のことを心から祈る、願う時に使います。相手に対して敬意を示すとともに、相手の今後の幸せや成功を願う表現です。また、目上の人に対しても、その人の健康や活躍を願う意味で使うことができます。
本記事では、「祈念いたします」のビジネスシーンでの使い方や言い換えを、例文付きで詳しく解説します。
「祈念いたします」を使う時
「祈念いたします」を使う時とは、
ビジネスシーンでは、相手の成功や活躍・発展・繁盛などを願う時に、会話やメール締めの言葉として使うことが多いです。
「祈念いたします」は、フォーマルな言葉です。相手のことを心から祈る、願う時に使います。
「祈念いたします」の意味
読み方は「きねんいたします」と読みます。「祈念いたします」の意味をみていきましょう。
「祈念」 | ・神仏に願いごとが叶うよう祈ること ・祈り念ずること |
「いたします」 | 「いたします」で謙譲表現になります |
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「祈念いたします」とは、相手に対し、「祈っています・願っています」という意味です。
「お祈りします」よりも、かしこまった表現です。
目上の人に対して使うのが一般的ですが、親しい人や同僚に対しても使うことができ、より丁寧な印象にしたい時に使います。
「祈念いたします」を、目上の人に対して使う時、どういう敬語に直したらいいですか?「祈念します」「祈念申し上げます」はどちらが丁寧ですか?
「祈念いたします」の敬語表現は例文と一緒にみていきましょう♡
「祈念いたします」敬語表現
「祈念いたします」敬語表現には「祈念します」「祈念しております」「祈念いたします」「祈念申し上げます」などがあります。
「祈念します」使い方・例文
「祈念します」は丁寧語です。目上の人や社外の人に使う場合は、より丁寧な「祈念しております」「祈念いたします」「祈念申し上げます」を使うとよいでしょう。
・このプロジェクトが成功することを祈念します。
・〇〇さんの新しいご活躍を祈念します。
相手の今後の成功や幸せを願っていますね♡
「祈念しております」使い方・例文
「祈念しております」は謙譲表現です。そのため、目上の人や社外の人に使いましょう。
相手の成功や幸せを強く願っている表現なので、好印象な表現ですね。
・部長の快癒を祈念しております。
・貴社の一層のご発展を祈念しております。
・貴社の一層のご発展を切に願っております。
【取引先が新規事業の立ち上げをする時】
新規事業の成功を心より祈念しております。
ありがとうございます。全力で取り組んでまいります。
新規事業の成功を心から祈っていますという意味です。
「祈念いたします」使い方・例文
「祈念いたします」は謙譲表現です。そのため、目上の人や社外の人に使いましょう。
・〇〇様のご健勝と益々のご活躍を心より祈念いたします。
・〇〇様の新しいご活躍を心より祈念いたします。
・〇〇様のご昇進、心よりお祝い申し上げますとともに、今後一層のご活躍を祈念いたします。
・旧年中はお世話になりました。皆様のご健康とご多幸を祈念いたします。
心からを加えると相手の成功や幸せを強く願っていることを表現になりますね。
「祈念申し上げます」使い方・例文
「祈念申し上げます」は謙譲表現です。「祈念いたします」と「祈念申し上げます」は謙譲表現ですが、どちらを使うか悩んだ時は「祈念申し上げます」を使いましょう。
「祈念申し上げます」の方がかしこまった印象になります♡
・益々のご活躍を祈念申し上げます。
・貴社のますますのご繁栄を祈念申し上げます。
・旧年中はお世話になりました。今後ますますのご健勝とご活躍を祈念申し上げます。
「祈念」と一緒に使うことが多い表現をみていきましょう。
「ご多幸を祈念いたします」
「ご多幸(ごたこう)を祈念いたします」とは、相手の幸せを願う時に使う言葉です。ビジネスシーンでは、目上の人に対しても使うことができます。
「ご多幸」は「非常に幸せなこと」という意味があり、相手の幸せを心から願う気持ちが込められています。
・〇〇様のご多幸を祈念し、ご挨拶とさせていただきます。
・末筆ながら、〇〇様のご多幸を心よりお祈り申し上げます。
「ご活躍を祈念いたします」
「ご活躍を祈念いたします」とは、相手の今後の活躍や成功を心から願う気持ちを表す言葉です。丁寧な言葉遣いで気持ちを表現したい時に使うといいですね。
「ご活躍を祈念いたします」は、相手の仕事や活動が今後も順調に進み、良い成果を挙げられるということを願う気持ちを伝える表現です。応援する気持ちを伝えることもできます。
・新規事業の立ち上げ、ご活躍を祈念いたします。
・新部署での新たなご活躍を心より祈念いたします。
「ご健勝を祈念いたします」
「ご健勝(ごけんしょう)」は「健康で元気なこと」という意味があり、相手の健康を心から願う気持ちが込められています。
・末筆ながら、皆さまのご健勝を祈念いたします。
・ご参列の皆様の今後のご健勝を祈念し、お祝いの挨拶とさせていただきます。
・○○様のご健勝を祈念いたします。
「ご回復を祈念いたします」
「ご回復を祈念いたします」とは、相手の病気やケガの回復を願う時に使う言葉です。ビジネスシーンでは、目上の人に対しても使うことができます。
・○○様のご回復を祈念いたします。
・ご病気の回復を心よりお祈り申し上げます。
「祈念」の言い換え
「祈念」は、かしこまった表現です。相手に敬意を示す場合は「祈念いたします」や「お祈り申し上げます」を使うのが一般的です。一方、相手との関係が近い場合は「願っています」や「応援しています」を使うといいですね。
「お祈りいたします」「お祈り申し上げます」使い方と例文
「お祈りいたします」「お祈り申し上げます」相手のことを心から祈る、願う時に使います。
使う時 | ・親しい人、目上の人に対して使います ※「お祈りいたします」は「お祈り申し上げます」よりも少しカジュアルな表現です。 |
・本日はお忙しい中、ご参加いただきありがとうございました。 今後とも皆様のご多幸をお祈りいたします。
・今回のプロジェクトが無事成功することを心よりお祈りいたします。
・新入社員の皆さまのご活躍を心よりお祈りいたします。
【同僚が異動する時】
また一緒に仕事できることを楽しみにしています。 今後ともご活躍をお祈りしています。
どうもありがとうございます。
同僚に対して「今後ともご活躍をお祈りしています」を使っていますね。
「祈る」を使う表現で「良い結果になることを祈っています」があります。ビジネスシーンでよく使う表現です。こちらの記事も参考にいただけたら嬉しいです。
「願っています」使い方と例文
「願っています」とは、相手に対して、成功や幸福を願っていることを伝える際に使用されます。相手への思いやりや気遣いを表すことができる表現です。
使う時 | ・親しい人、目上の人に対して使います ※フォーマルにもカジュアルにも使える表現です。 |
・今日の会議でのご成功を願っています。
・お世話になっております。今後とも貴社のご繁栄を願っております。
・ご協力いただき、誠にありがとうございます。お取引の成功を願っております。
・貴重なお時間を割いていただき、深く感謝申し上げます。ご健闘を願っております。
・一日も早いご全快を願っております。
「応援しています」使い方と例文
「応援しています」とは、相手の成功を願う表現です。ビジネスシーンにおいても、親しい同僚や後輩に対して、その人の頑張りを応援する意味で使います。
使う時 | ・親しい人に対して使います ※カジュアルな表現です。 |
・プレゼンテーション、応援しています。
・新しい部署での活躍、応援しています。一緒に頑張りましょう。
まとめ
「祈念」は、相手に対して敬意を示すとともに、相手の今後の幸せを願う気持ちを表す表現として、ビジネスシーンでよく使われる表現です。
相手との関係性や文脈に合わせて適切な表現を選ぶことも大切ですが、それ以上に、真心を込めて使うことが大切だと思います。真心を込めて使うことで、相手に自分の気持ちが伝わり、より温かい気持ちになれたらいいですよね。