春の訪れとともに、私たちの心もなんだかウキウキしてきますよね。そんな春の季節感を表現するのにぴったりなのが「春の言葉」です。「春暁」「朧月夜」「春愁」…。古くから日本人が愛してきた春の言葉は、手紙やメールに添えるだけで、情景が目に浮かぶような、奥ゆかしい表現になります。この記事では、春の訪れを表す言葉とメールや手紙の例文を紹介します。
春の訪れを表す言葉:時候や暦

春の訪れを心待ちにする気持ちを、言葉に乗せて伝えてみましょう♡
立春(りっしゅん)
意味:暦の上で春が始まる日。
使い方:手紙や挨拶状の冒頭に使われることが多い。
例文:立春を迎え、日ごとに暖かさを感じるようになりました。
彼岸(ひがん)
意味:春分の日を中心とした前後7日間。
使い方:先祖の供養をする期間として使います。
例文:春の彼岸には、お墓参りに行くのが我が家の習慣です。
春分(しゅんぶん)
意味:昼と夜の長さがほぼ同じになる日。
使い方:季節の変わり目を表す言葉として使います。
例文:春分の日を過ぎ、本格的な春の訪れを感じます。
春の訪れを表す言葉:気象
春の訪れを表す気象に関する言葉は、季節の移り変わりを繊細に感じ取ってきた日本ならではの表現が数多くあります。
春一番(はるいちばん)
意味:立春から春分の間に吹く、その年最初の暖かい南風。
使い方:春の訪れを告げる気象現象として使います。
例文:昨日は春一番が吹き、一気に暖かくなりました。
春霞(はるがすみ)
意味:春の日に遠くの景色がぼんやりと霞んで見える現象。
使い方:春の穏やかな情景を表す言葉として使います。
例文:春霞がかかった山々が、淡く美しい。
春雨(はるさめ)
意味:春に降るしとしととした雨。
使い方:春の情緒を表す言葉として使います。
例文:春雨が降り、草木が潤いを帯びている。
陽炎(かげろう)
意味:春の晴れた日に、地面から立ち上るもやもやとした空気。
使い方:春の暖かさを表す言葉として使います。
例文:陽炎が立ち、春の暖かさを感じます。
朧月(おぼろづき)
意味:春の夜にぼんやりとかすんで見える月。
使い方:春の幻想的な情景を表す言葉として使います。
例文:朧月夜に、桜の花が浮かび上がって見える。
花曇り(はなぐもり)
意味:桜の花が咲く頃の、薄曇りの天気。
使い方:桜の季節の、少し物憂い天気を表す言葉として使います。
例文:花曇りの空の下、静かに桜を眺めています。
春の訪れを表す言葉:植物
春の訪れを表す植物は、梅、桜、菜の花、タンポポ、桃などです。これらの植物は、冬の寒さから解放され、暖かくなり始める春の季節に花を咲かせます。
木の芽(きのめ)
意味:春に木々の枝先から出てくる新芽。
使い方:春の息吹を感じさせる言葉として使います。
例文:木の芽が膨らみ、春の訪れを感じます。
若葉(わかば)
意味:春に出てきたばかりの柔らかい葉。
使い方:春の生命力を表す言葉としています。
例文:若葉が日に日に緑を濃くしていく。
桜(さくら)
意味:春を代表する花。
使い方:春の象徴として、様々な場面で使います。
例文:花曇りの空の下、静かに桜を眺めています。
菜の花(なのはな)
意味:春に黄色い花を咲かせる植物。
使い方:春の風景を彩る花として使います。
例文:一面の菜の花畑が、春の訪れを告げている。
鶯(うぐいす)
意味:「ホーホケキョ」と鳴く、春を告げる鳥。
例文:鶯の鳴き声が聞こえ、春を感じます。
春の訪れを表す言葉:情景・感情
春の訪れは、花開く景色(情景)や、心が躍る喜び(感情)で表現されます。例えば、「花の便り」は開花を、「麗らかな日差し」は暖かさを、「春霞」は淡い情景を、「心躍る」は高揚感を、「待ちわびた」は期待感を表現します。
春爛漫(はるらんまん)
意味:春の花が咲き乱れ、最も美しい状態。
使い方:春の喜びや華やかさを表現する言葉として使います。
例文:春爛漫の桜並木を、家族みんなで散歩しました。
春眠暁を覚えず(しゅんみんあかつきをおぼえず)
意味:春の夜は心地よく、朝になってもなかなか目が覚めないこと。
使い方:春の眠りの心地よさを表現する言葉として使います。
例文:春眠暁を覚えず。心地よい春の眠りは、時間を忘れさせてくれる。
春の海(はるのうみ)
意味:春の穏やかで静かな海。
使い方:春の穏やかな情景を表す言葉として使います。
例文:春の海は穏やかで、心が安らぐ。
春の空(はるのそら)
意味:春の澄み渡った空。
使い方:春の爽やかな情景を表す言葉として使います。
例文:春の空は高く澄み渡り、気持ちが良い。
春の風(はるのかぜ)
意味:春の暖かく穏やかな風。
使い方:春の心地よい情景を表す言葉として使います。
例文:春の風が頬を撫で、心地よい。
春の宵(はるのよい)
意味:春の夕暮れ。
使い方:春の穏やかで美しい情景を表す言葉として使われる。
例文:春の宵、月明かりが美しい。
春の夢(はるのゆめ)
使い方:春に見る儚く美しい夢。春の幻想的な情景や、儚いものを表す言葉として使われる。
例文:春の夢のように、儚く美しい思い出。
春の雪(はるのゆき)
意味:春に降る雪。
使い方:春の儚い情景や、名残惜しいものを表す言葉として使います。
例文:春の雪がちらつき、冬の名残を感じる。
春の息吹(はるのいぶき)
意味:春の生命力や活気。
使い方:春の到来を感じさせる言葉として使います。
例文:春の息吹を感じ、心が躍ります。
春の便り(はるのたより)
意味:春の訪れを知らせるもの。
使い方:春の到来を感じさせる言葉として使います。
例文:近所の梅の花が咲き始め、春の便りを感じます。
春の挨拶文とメール文例:ビジネス
春の訪れを感じる季節には「早春」「春分」「桜」「桃の花」「啓蟄」などの季語が使えます。ビジネスシーンで使える春の挨拶の書き出しと結びを紹介します。

メールや手紙ですぐに使える文例です♡
【時候の挨拶】
・早春の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
・啓蟄の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。
・春分の候、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
【季節の挨拶】
・桃の花が咲き始め、春の息吹を感じる頃となりました。
・日ごとに春めいてまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
・桜の開花が待ち遠しい季節となりましたが、皆様お変わりございませんか。
【春の挨拶の結び】
・季節の変わり目ですので、くれぐれもご自愛ください。
・貴社の益々のご発展と皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。
・今後とも、末永くお付き合いいただけますようお願い申し上げます。
・春の息吹を感じながら、皆様のご多幸をお祈り申し上げます。

↓依頼、確認などに使えるメール文例です♡
件名:○○
〇〇株式会社 〇〇様
早春の候、皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
日ごとに春めく季節となり、貴社周辺の桜も開花し始めたと伺いました。
さて、(本文)
寒暖の差が激しい折から、くれぐれもご自愛ください。
今後とも変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
末筆ながら、皆様のご健康とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
△△会社 △△
春の挨拶文とメール文例:プライベート
春の訪れを感じさせるような言葉を添え、相手の健康や幸せを願う気持ちを伝えることが大切です。

「皆様いかがお過ごしでしょうか」「春の訪れを感じていますか」など語りかける言葉を加えることで、親近感が生まれます♡
【時候の挨拶】
・早春の候、いかがお過ごしでしょうか。
・日ごとに春めいてまいりましたが、お変わりありませんか。
・春の訪れを感じる頃となりましたが、お元気でお過ごしですか。
・春の息吹が感じられる頃となりましたが、お変わりありませんか。
・花の便りが待ち遠しい頃となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
【季節の挨拶】
・我が家の庭の草木も芽吹き始め、春の訪れを感じています。
・引越しシーズンを迎え、お忙しくされていることと思います。
・卒業シーズンを迎え、お子様も新たな生活に向けてご準備のことと存じます。
【結び】
・季節の変わり目ですので、くれぐれもご自愛ください。
・春の訪れとともに、○○様にとって素敵なことがたくさんありますように。
・新しい生活が、○○様にとって素晴らしいスタートとなりますよう、心よりお祈り申し上げます。
件名:先日は、ありがとうございました
春寒の候、◯◯様におかれましてはますますご健勝のことと存じます。
先日はお忙しい中、お時間をいただきまして誠にありがとうございました。
楽しいひとときを過ごさせていただき、心より感謝申し上げます。
また、お心のこもったお品まで頂戴し、春の訪れを感じながらありがたく頂いております。
春浅き時節とはいえ、日ごとに陽射しが柔らかくなり、草木も芽吹きを見せる頃となりました。
またお目にかかれる日を楽しみにしております。どうぞお身体を大切にお過ごしくださいませ。
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まとめ
「春の訪れを表す言葉」は、手紙やメールの季節の挨拶としてはもちろん、俳句や短歌などの春の表現においても欠かせません。これらの言葉を使うことで、春の訪れを感じる表現が豊かになり、春の喜びやわくわくする気持ちをより伝えることができます。参考にしてみてください。