お買い物した際、店員さんから「ご来店くださいましてありがとうございます」もしくは「ご来店いただきましてありがとうございます」と挨拶された経験はありませんか?どちらが正しいのか考えたことがある方も多いのではないでしょうか。実は、「くださる」と「いただく」は、主語と敬語の分類によって使い方が異なります。この記事では、「くださる」と「いただく」の使い分けについて、ビジネスシーンでの正しい使い方を例文付きで解説します。
「ご来店くださいましてありがとうございます」「ご来店いただきましてありがとうございます」の違いはこちらです。
「くださる」「いただく」の違いについて
「くださる」「いただく」の意味についてみていきましょう。「くださる」「いただく」の使い分けは主語によって使い分けができます。
行動の対象によって使い分けできるのですね。なんとなく使っていました。
使い分けについて、ビジネスシーンで間違えないように、順番にみていきましょう♡
「くださる」は「くれる」の尊敬語
「くださる」は「くれる」の尊敬語です。
主語は相手→「くださった」尊敬語は相手の行動に対して使う
主語はだれなのか?を考えることが、大切なポイントです。
・部長がおみやげを(私に)くださった。
「いただく」は「もらう」の謙譲語
「いただく」は「もらう」の謙譲語 です。
主語は自分→「いただく」謙譲語は自分の行動に対して使う
主語はだれなのかを考えてみましょう♡
・私はおみやげを(部長から)いただいた。
敬語の種類について、おさらいしましょう。
【尊敬語・謙譲語・丁寧語】
尊敬語 | 相手のことを高めて敬意を表す | おっしゃる、お会いになる、いらっしゃる |
謙譲語 | 自分を低くして敬意を表す | 申す、お目にかかる、おる |
丁寧語 | 丁寧な言葉で敬意を表す | 言います、会います、います |
くださる(尊敬語)、いただく(謙譲語)の使い分けは、どちらの行動が主体になるかですが、ビジネスシーンでは、謙譲表現をよく使うため、使い分けに悩む時はお聞きいただき(謙譲語)を使うことをおすすめします。
自分が相手に依頼した時は「いただく」を使います
自分が相手に依頼・お願いごとをした時は、「いただく」を使います。これは、自分の依頼を受けてくれた相手に感謝の気持ちを伝えるには、自分をへりくだる表現が適切だからです。
本日はお忙しい中、ご出席いただきまして誠にありがとうございます。
→私は、忙しい相手に出席をお願いし、出席をしてくれたことに感謝。
「いただく」を使うので主語は自分
・この新商品についてご検討いただけますでしょうか。
→「いただく」:自分が相手から何かをしてもらうときの謙譲語「くださる」:相手が自分になにかをしてくれるときの尊敬語
つまり、同じ出来事でも、話す人の視点によって使い方が異なります。
ビジネスシーンでは、より適切な使い方をすべきですよね。
どちらにしたら良いか、文脈から考えてみることです。
「くださる」「いただく」の使い分けのコツ
尊敬語、謙譲語にするかで主語が変わります。
尊敬語の「くださる」:主語が相手の時、
謙譲語の「いただく」:主語が自分の時です。
自分が依頼をした時は「いただく」、それ以外は「くださる」として「いただく・くださる」を決めてから主語を合わせるという流れです。この手順でやってみると、使い分けがしやすくなります。
「くださる」「いただく」は主語を変えるだけでどちらも使えてしまいます。使い分けのポイントをみていきましょう。
「くださる」を使う時→相手に尊敬を表す時に使う
「いただく」を使う時→相手に感謝する時に使う、自分が相手に依頼をした時に使う
「くださる」と「いただく」は、同じ出来事でも視点によって使い分けが変わります♡
「ご来店くださいましてありがとうございます」「ご来店いただきましてありがとうございます」の使い方
「ご来店くださいましてありがとうございます」「ご来店いただきましてありがとうございます」についてみてみましょう。
「ご来店くださいましてありがとうございます」→「くださる」を使うので主語は相手
「ご来店いただきましてありがとうございます」→「いただく」を使うので主語は当店
「ご来店いただきましてありがとうございます」は、当店がお店に来てくれるよう依頼をしたという意味になります。少し特別な時になりますよね。シチュエーションとしてはお客様を招待した時に使います。そのため、普段の使い方としては「ご来店くださいましてありがとうございます」が適切です。
まとめ
お客様を招待した時・特別な時には「ご来店いただきましてありがとうございました」を使う。それ以外は「ご来店くださいましてありがとうございます」が適切です。主語を相手・自分に変えるだけでどちらでも使えてしまうことに気をつけましょう。ご参考にしていただけますと幸いです。