「行かせていただきます」は、丁寧な表現としてビジネスシーンで広く使われていますが、実は使い方に注意が必要な言葉です。丁寧さをアピールしたい一方で、誤った使い方をしないように…この記事では「行かせていただきます」の意味や使い方を解説し、状況に合わせた最適な言い換え表現と例文をご紹介します。場面や相手によって適切な言葉を選ぶことが大切です。
「行かせていただきます」って「させていただきます」の使い方に気をつける言葉ですよね。
そうですね。「させていただきます」に少し注意してみましょう♡
※「行かせていただきます」敬語としての使い方の注意点はこちらです。
「行かせていただきます」は、丁寧な表現で正しい使い方です。「させていただく」を使いすぎない、「させていただく」を正しく使うようにしましょう。
「行かせていただきます」の意味
「行かせていただきます」は、相手に許可を得て、ある場所へ行くことを謙遜して表す言葉です。「行く」は目的地に向かう、移動するという意味です。
「させていただく」:「させていただく」は「させてもらう」の謙譲語です。
「ます」:「させていただきます」の「ます」は丁寧語です。
・明日のミーティングに行かせていただきます。
・明日の夕方にそちらに行かせていただきます。
「行かせていただきます」は、文法的には正しいのですが、使い方に注意をしましょう。
「行かせていただきます」敬語としての使い方の注意点
「させていただく」は「させてもらう」の謙譲語です。謙譲語とは、自分や自分の行為を低くして、相手への敬意を表す言葉遣いです。「行かせていただきます」の「させていただく」を使うためには、2つの条件を満たす必要があります。
2つの条件とは?「させていただきます」を使う時の注意点。わかりやすく解説しています。
1)相手の許可を求めること
ここでの意味は、「行かせていただきます」は、単に「行く」という行為を伝えるだけでなく、相手に行っても良いか確認する意図を示します。
・上司に会議への参加を伝える場合:明日の会議に行かせていただきます。
2)自分への恩恵があること
ここでの意味は、行くことによって、自分自身にもメリットがあることを意味します。
・研修に参加する場合:研修に参加させていただきます。
【上司との会話】「行かせていただきます」が適切ではない使い方の例
資料を取りに来てください。
資料を取りに行かせていただきます。
指示や命令に対しては、許可を求める必要はありません。
上の会話をみてみましょう。
上司から「資料を取りに来てください」と言われた際に、部下は、「資料を取りに行かせていただきます」と答えました。すでに受けている指示や命令に対しては、許可を求める必要はありません
適切な答え方:「かしこまりました。資料を取りに行きます」になります。
「行かせていただきます」を使った例文
「させていただきます」の2つの条件を意識した例文をみていきましょう。
1)研修の参加を希望する場合
例文:
・研修に行かせていただきたいです。
・貴重な機会であるため、研修に行かせていただくことは可能でしょうか。
解説:
研修への参加は、相手への許可が必要であり、自分自身のスキルアップという恩恵があります。そのため適切な使い方です。
2)会議への参加を希望する場合
例文:
・明日の会議に行かせていただきたいのですが。
・明日の重要な会議に行かせていただいてもよろしいでしょうか。
解説:
重要な会議への参加は、相手への許可が必要であり、自分自身も知識や経験を積むことができるという恩恵があります。そのため適切な使い方です。
「させていただきます」と「いたします」の使い分け
「いたします」と「させていただきます」は、どちらも謙譲表現ですが、ニュアンスに違いがあります。
「いたします」
・自分の意志で積極的に行動するニュアンス
・相手の許可や承認を必要としないこと
・主体性を感じさせる表現
例文:ご質問にお答えいたします。
「させていただきます」
・相手の許可や承認を得て行動するニュアンス
・控えめな姿勢を示す表現
例文:ご説明をさせていただきます。
使い分けのポイント
・自分の意志で行動する場合は「いたします」
・相手の許可や承認が必要な場合は「させていただきます」状況に応じて使い分けましょう。
「行かせていただきます」の使い方の注意点
・「行かせていただきます」は、丁寧な表現のため、相手との関係性や状況によって使い分けること。
・人によっては「させていただく」の使い方が誤用と見受けられることがあること。
使い方が難しいですね。
「させていただく」を使わずに、ほかの言葉で言い換えもできますよ♡
「行かせていただきます」の丁寧な言い換え・類語
「行かせていただきます」は汎用性の高い表現ですが、状況によってはより適切な言い換えがあります。以下、言い換え表現について、それぞれの特徴と例文を詳しくご紹介します。
「相手の許可を得る時」の言い換え
「伺わせていただきます」
意味:相手に伺い、許可を得て行動することを表す敬語表現です。
例文:明日、ご都合の良い時間に伺わせていただきます。
「訪問させていただきます」
意味:相手の場所を訪れることを許可を得る敬語表現です。
例文:もしよろしければ、訪問させていただいてもよろしいでしょうか。
「参加させていただきます」
意味:会議やセミナーなどの参加する際に許可を得る敬後表現です。
例文:明日の研修に積極的に参加させていただきます。
より、丁寧で相手に配慮した表現にするには、
※より丁寧な表現にするには、「〜させていただければ幸いです」「〜させていただいてもよろしいでしょうか」を使いましょう。
例文:・明日のセミナーに参加させていただいてもよろしいでしょうか。
「自分の意思を伝える時」の言い換え
「自分の意思を伝える時」には、「行かせていただきます」以外にも、状況や相手との関係性によってさまざまな表現があります。
「参ります」
意味:相手がいる場所へ向かうことを表す丁寧な表現です。「参る」は謙譲語です。
例文:ご都合が悪ければ、また日を改めて参ります。
「伺います」
意味:謙譲語で、相手の意向を尋ねたり、訪問する意思を伝える敬語表現です。
例文:明日、伺ってもよろしいでしょうか。
「参加いたします」
意味:謙譲語で、集まりや活動に参加する意思を伝える敬語表現です。
例文:明日の研修に参加いたします。
「行かさせていただきます」は正しい使い方?
「行かさせていただきます」とは「さ」が入ることで「さ入れ言葉」のため誤りです。「さ入れ言葉」とは、本来「さ」を入れなくても意味が通る言葉に「さ」を入れて使う表現です。ビジネスシーンでは、特に注意が必要です。
まとめ
「行かせていただきます」は、丁寧な表現としてよく使われますが、状況や相手との関係性によって、より適切な言葉を選ぶことが大切です。この表現には、適切な使い方や、使うべき場面、そして言い換え表現など、注意すべき点がいくつかあります。言い換え表現も、状況に応じて使い分けることで、より適切なコミュニケーションができます。「行かせていただきます」の使い方に悩んだ時に参考にしてください。