ビジネスシーンで、相手にお願い事をする際、「ご理解いただけますと幸いです」を使います。しかし、どのような場面でどのように使えば良いのか、迷う人も多いのではないでしょうか。この記事では、「ご理解いただけますと幸いです」の使い方や意味、言い換えを詳しく解説します。ビジネスシーンで実際に使える例文も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
「ご理解いただけますと幸いです」は、私の言っていることを理解してもらえたら嬉しいということですよね?
そうです。そのためこの表現には、「自分の要求を理解して欲しい」という強いニュアンスが含まれているので、使う時は慎重になりましょう。
「ご理解いただけますと幸いです」を使う時は、相手に配慮して使うようにしましょう。
「ご理解いただけますと幸いです」の意味と敬語
「ご理解いただけますと幸いです」は、相手に理解や協力を求める際に使う丁寧な敬語表現です。
「ご理解」:「ご」は、相手に対する表現のため尊敬語になります。
「いただけますと」:「いただく」は、「もらう」の謙譲語に丁寧語「ます」がついた表現。
「幸いです」:〜してもらえたら嬉しいです、〜してもらえたらありがたいですという意味になります。
つまり、「ご理解いただけますと幸いです」は、「私の意見や状況を理解していただけるとありがたいです」という意味合いになります。
「ご理解いただけますと幸いです」の使い方
「ご理解いただけますと幸いです」丁寧な表現のためビジネスシーンや目上の人に対して使います。以下のような場合に使われます。
・自分の意見や提案を述べる時
・こちらの都合で相手に協力を求めたい時
・相手に迷惑をかけてしまうことをお詫びする時 などです。
「ご理解いただけますと幸いです」は、文章の最後に添えるように使います。
会話などの最後に使うことが多いです。具体的な依頼内容は簡潔に伝えましょう♡
・再発防止に努めてまいりますので、何卒ご理解いただけますと幸いです。
・納期が延長となりましたことお詫び申し上げます。ご理解いただけますと幸いです。
・説明が長くなってしまう部分もあるかと思いますが、ご理解いただけますと幸いです。
・仕様の一部を変更いたしました。ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解いただけますと幸いです。
【社内での会話】
今日の会議ですが、予定より時間がかかってしまう可能性があります。ご迷惑をおかけしますが、ご理解いただけますと幸いです。
了解です。
「ご理解いただけますと幸いです」適切に使えていますね。
上の会話をみてみましょう。
上司への配慮:部下は、会議が予定より時間がかかってしまう可能性があることを事前に伝え、上司に迷惑をかけることを詫びています。上司への配慮を示す上で重要です。
丁寧な表現:部下は、「ご迷惑をおかけしますが」という丁寧な表現を用いています。これは、目上の人に対して失礼のないようにするためです。
理解を求める姿勢:部下は、「ご理解いただけますと幸いです」という表現で、上司に理解を求める姿勢を示しています。
全体的に丁寧なため、好印象になりますね。
「ご理解いただけますと幸いです」使う時の注意点
「ご理解いただけますと幸いです」は、丁寧な敬語表現ですが、使い方を誤ると、相手に失礼な印象になる可能性があります。使う時の注意点は以下になります。
具体的な理由を説明する
なぜそうになってしまったのか、具体的な理由を説明することが大切です。理由を説明することで、相手に理解してもらいやすくなり、印象も良くなります。
理由がわかると相手に理解してもらいやすくなり、印象も良くなります♡
例えば、
会議の時間を変更させていただきます。会議室のスケジュールにより、急な変更となりましたことお詫び申し上げます。ご理解いただけますと幸いです。
命令口調にならないように注意する
「ご理解いただけますと幸いです」は、丁寧な表現ですが、使い方によっては命令口調に聞こえてしまうことがあります。目上の人や取引先など、相手との立場や関係性に差がある場合には、「恐れ入りますが」「大変申し訳ございませんが」などをあわせて使いましょう。
例えば、
・来週の会議時間を変更させていただきます。恐れ入りますが、ご理解いただけますと幸いです。
ほかには、クッション言葉を使い、相手への配慮を示しましょう。
クッション言葉を使うことで、より丁寧で印象の良い表現になります。以下のクッション言葉を使って、相手への配慮を示しましょう。
「何卒」:より丁寧なお願いをしたい場合、「どうか」という意味です。
「恐れ入りますが」:相手にお願いをする際に、丁寧さをプラスしたい場合
「大変恐縮ですが」:相手に迷惑をかけることをお詫びしながらお願いする場合
「お手数ですが」:相手に手間をかけさせることをお詫びしながらお願いする場合
・何卒よろしくお願い申し上げます。
・誠に恐縮ですが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
「クッション言葉」の記事です。
「ご理解いただけますと幸いです」の敬語表現
丁寧な敬語表現ですが、状況によっては、より丁寧な表現や、より適切な表現を使ってみましょう。いずれも丁寧な表現のため、目上の人は敬意を払う場面で使うことができます。
下に進むとより丁寧な表現になります♡
「ご理解いただければ幸いです」
意味:〜してもらえたら嬉しいです。「いただければ」とは相手の意向を委ねる(ゆだねる)ためやわらかい依頼の表現になります。
「ご理解いただきたく存じます」
意味:ご理解してもらいたいと思います。「いただく」は「もらう」の謙譲語、「存じます」は、「存じる」の謙譲語に「ます」の丁寧語がついたもの。
「ご理解のほどよろしくお願いいたします」「ご理解のほどよろしくお願い申し上げます」
意味:「のほど」の婉曲表現で、相手に理解してもらいたい気持ちを丁寧に表現しています。
「ご理解のほどよろしくお願いいたします」の記事です。
「ご理解いただきますようお願い申し上げます」
意味:「申し上げる」に丁寧語「ます」がついた丁寧な表現。「よう」は婉曲表現です。
親しい人に対しては、「ご理解いただけると助かります」など、より柔らかい表現の方が適切です。
「ご理解いただけますと幸いです」言い換え・類語
「ご理解いただけますと幸いです」の言い換えです。相手に配慮するように、丁寧な敬語表現を使うことが大切です。いずれの表現も丁寧な敬語のため、目上の人や敬意を払う場面で使うことができます。
「ご理解いただけますと幸いです」の言い換え♡
ご心配をおかけし申し訳ございません
意味:相手に心配や不安にさせてしまったことを謝罪する表現です。
例文:昨日は、体調不良で欠勤してしまい、ご心配をおかけし申し訳ございません。
ご迷惑をおかけして申し訳ございません
意味:「私の行いが、相手に迷惑をかけてしまい大変申し訳ございません」という意味になります。
使い方:似た表現で「ご迷惑をおかけして申し訳申し訳ありません」とでは、「ご迷惑をおかけして申し訳ございません」の方がより丁寧です。
例文:ご注文の商品が品切れとなり、ご迷惑をおかけして申し訳ございません。
ご容赦のほどよろしくお願いいたします(ごようしゃ)
意味:相手に対して、迷惑や不都合をかけることへの理解と許しを求める丁寧な表現です。
例文:本日中の返答は難しい状況でございます。ご容赦のほどよろしくお願いいたします。
「ご了承」「ご容赦」の違い
「ご了承」は、相手が自分の意見や行動を理解し、認めてくれることを丁寧に求める表現です。
「ご容赦」は、自分の落ち度や間違いを認め、許しや大目を見てもらうことを丁寧に求める表現です。
まとめ
「ご理解いただけますと幸いです」を使う際には、上記のような点を意識して、丁寧かつ誠意を持って相手に伝えるようにしましょう。