相手の気遣いに対して「お気になさらないでください」と伝える機会はよくあります。丁寧な表現ですが、目上の人に対して使うと失礼になるのでは?と不安に思ったことはありませんか?そこで、この記事では、ビジネスシーンで使える「お気になさらないでください」の言い換えや使い方を詳しく解説します。使い方のコツもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
上司に対して「お気になさらないでください」と使っても大丈夫でしょうか?
丁寧な表現なので、基本的には問題ありませんよ。
「お気になさらないでください」は、「気にしないでください」「問題ありません」「大丈夫です」などの意味を伝える丁寧な表現です。
「お気になさらないでください」の意味
「お気になさらないでください」は、相手の配慮や心配に対して「気にしないでください」「問題ありません」「大丈夫です」などの意味を伝える丁寧な表現です。
「お気に」の「お」は尊敬の表現。
「なさる」は、「する」の尊敬語。
「ください」は、丁寧語です。
「お気になさらないでください」は、正しい敬語表現です。
「お気になさらないでください」の使い方と例文
「お気になさらないでください」は、丁寧な表現のためビジネスシーンや目上の人に対して使います。以下のような場合に使われます。
・相手の厚意を断る時
・自分を放っておいてほしい時
・相手を励ます時 などです。
「お気になさらないでください」の基本的な使い方♡
相手の厚意を断る時
相手が何かをしてあげようとしてくれた際、その好意をありがたく受け止めながらも、遠慮して辞退する場合に使います。
この場合、「お気になさらないでください」に加えて、「申し訳ございません」や「ありがとうございます」などの言葉を添えると、より丁寧な印象になります。
目上の人:何かお手伝いできることはありますか?
部下:いえ、ありがとうございます。お気になさらないでください。自分でできますので大丈夫です。
「お気になさらないでください」相手を遠ざけてしまう可能性もありますので、状況をよく判断して使うことが大切です。
自分を放っておいてほしい時
干渉されたくない時や、大丈夫ですと伝えたい時に相手に対してやんわりと伝える場合に使います。
「少しゆっくりしたいので」や「ちょっと用事があるので」など、簡単な理由を添えると、相手に理解してもらいやすくなります。
目上の人:一緒にランチに行きましょう。
部下:今日はちょっと用事がありまして。お気になさらないでください。
相手を励ます時
相手が落ち込んでいる時や、失敗した時に、気遣いの言葉をかけ励ます場合に使います。「大丈夫ですよ」など、前向きな言葉を添えると、より励ましの気持ちが伝わりやすくなります。
【取引先との会話】
今回の私どもの不手際があり、申し訳ございません。
大したことではありませんので、お気になさらないでください。
「お気になさらないでください」が適切に使えていますね♡
上の会話をみてみましょう。
「お気になさらないでください」は、相手が不手際を謝罪している状況で、「大したことではありません」と伝えることで、相手を責めることなく、気持ちを慮っていることを示すことができます。
「お気になさらないでください」を使う時の注意点
「お気になさらないでください」は、相手への気遣いを示す丁寧な表現ですが、使い方を誤ると、真意が伝わらなかったり、相手を不快にさせてしまうこともあります。
1)相手の気持ちをよく理解する
「お気になさらないでください」安易に使うことで、
・相手の気持ちを軽視しているように感じられたり
・拒否しているように受け取られたり することもあります。
場合によっては、「申し訳ありませんでした」と謝罪したり、「何かできることがあれば言ってください」とサポートを申し出る方が適切な場合もあります。
2)相手の気持ちに寄り添う
「お気になさらないでください」と一緒に、具体的な感謝の言葉や励ましの言葉を添えることで、より気持ちが伝わりやすくなります。
例えば、
「お気になさらないでください。また別の機会にお願いさせてください。」
「お気になさらないでください。ご心配をおかけして申し訳ございません。」
「お気になさらないでください。〇〇してくださってありがとうございます。」
【社内での会話】
提案書の作成、頑張っているね。手伝うことありますか?
ありがとうございます。でも、あと少しで終わるので大丈夫です。お気になさらないでください。お声をかけてくれて嬉しいです。
「お気になさらないでください」が適切に使えていますね♡
上の会話をみてみましょう。
上司の提案に丁寧に感謝し、「お気になさらないでください」の表現で、上司の手助けを必要としない謙虚な姿勢を示しています。「お声をかけてくれて嬉しいです」と感謝の気持ちを添えています。
「お気になさらないでください」の目上の人への言い換え
「お気になさらないでください」の言い換えです。ビジネスシーンでは、相手を不快にさせないように、丁寧な敬語表現を使うことが大切です。ここでは目上の人に対しての言い換えを挙げています。
「お気遣いなくお願いします」
目上の人や、親しい関係の人に使います。「どうぞ」「どうか」をつけることでより丁寧になります。
ーー目上の人に「お茶でもどうぞ」と勧められた時
・ありがとうございます。どうぞお気遣いなくお願いします。
・ありがとうございます。どうかお気遣いなくお願いします。
「お気遣いなさいませんように」
目上の人や、敬意を払う場面で使います。「どうぞ」「どうか」をつけることでより丁寧になります。
ーー目上の人からサポートしてもらった時
・お心遣いに感謝申し上げます。どうぞお気遣いなさいませんようにお願いします。
・ありがとうございました。心配ご無用です。どうぞお気遣いなさいませんように。
「お気遣いなくお願い申し上げます」
目上の人や敬意を払う場面で使います。「お気遣いなくお願い申し上げます」は、より丁寧になります。
ーーお返しや返信を断る時
・心ばかりの品ですので、くれぐれもお気遣いなく。
・どうかお気遣いなどなさいませんよう、お願い申し上げます。
・どうもありがとうございます。どうぞお気遣いなくお願い申し上げます。
「お気になさらないでください」親しい人への言い換え
「お気になさらないでください」の言い換えです。ここでは親しい人や、同僚、仕事仲間に対しての言い換えを挙げています。
「お気になさらず」
「お気になさらず」とは、相手の気遣いや心配に対して、気にしないで欲しいという意味です。目上の人や、親しい人に使います。
ーー体調が悪く、相手が気にかけてくれた時
・ありがとうございます。どうかお気になさらないでください。今日はゆっくり休むつもりです。
・ありがとうございます。少し具合が悪いけど、大丈夫ですので、どうかお気になさらないでください。
「ご心配なく」
相手に「心配しないでください」と言う時に使う丁寧な表現です。相手に安心感を与えるために、ビジネスシーンでよく使われる表現です。
・商品は発送されておりますので、ご心配には及びません。
・ご心配なく、体調は回復してきました。お気遣いいただきありがとうございます。
関連記事です。
「お構いなく」
「構いません」に「お」がついた丁寧な表現です。相手の気遣いを断る時に使います。
・お構いなく、どうぞこちらからお入りください。
・お構いなく、私がやりますので、ご心配なさらないでください。
ほかには、「大丈夫です」は「お気になさらないでください」よりもカジュアルな表現なので、使う時には注意が必要です。
まとめ
「お気になさらないでください」は、状況に応じて適切に使えば、上司に対して失礼なく伝えることができる丁寧な表現です。相手との関係性によって適切な言い回しができたら良いですね。