「ありがたく存じます」はどう使う？ ビジネスシーンでの適切な使い方と注意点

「ありがたく存じます」は、感謝の気持ちを伝える丁寧な言葉ですが、ビジネスシーンではどのように使えば良いのでしょうか？上司への報告、取引先への依頼など、様々な場面で使える「ありがたく存じます」の適切な使い方と、より丁寧な言い換え表現を、具体的な例文とともにご紹介します。

「ありがたく思います」をより丁寧にした表現が「ありがたく存じます」です。「心から感謝しております」と近いニュアンスになります。

「ありがたく存じます」の意味

「ありがたく思います」をより丁寧にした表現が「ありがたく存じます」です。「ありがたく存じます」は、「ありがたい」感謝の気持ちと、「存じます」の謙譲語を組み合わせた丁寧な言葉です。感謝の気持ちを表すだけでなく、相手を尊重し、謙虚な姿勢を示す意味合いも含まれています。

「ありがとうございます」よりも丁寧な表現です。

「ありがたい」：「あることが難しい」という意味で「めったにない」「貴重」といった意味合いがあり、「めったにない」という状況に感謝する気持ちが結びつき、感謝の気持ちを表現する際に使われています。

「存じます」：「思う」の謙譲語の敬語表現に「ます」の丁寧語がついたものです。

「ありがたく存じます」の使い方と例文

「ありがたく存じます」は、丁寧な表現のため目上の人や取引先、敬意を払う相手に対して使います。以下のような場合に使われます。

・依頼をする時
・報告をする時
・感謝の気持ちを伝える時

依頼をする時

・相手にお願いする際、上司や取引先への依頼などの時に使います。

・お忙しいところ恐縮ですが、この書類にご署名いただけますと、ありがたく存じます。

・お忙しいところ恐縮ですが、この件についてご確認いただければ、大変ありがたく存じます。

【補足です】

・依頼の時には「～いただけましたら」や「～できれば」などの表現を組み合わせることで、より丁寧になります。

・依頼の言葉の前に、「お忙しいところ恐縮ですが」など、相手への配慮を示す言葉を加えることで、相手の時間を尊重した表現になります。

報告をする時

・スムーズに仕事を進められたことへの感謝を伝える場合や上司への報告などに使います。

・お陰様で無事に〇〇が完了しました。ご指導いただき、ありがたく存じます。

・ご指導いただいたおかげで、目標を達成することができ、大変ありがたく存じます。

感謝の気持ちを伝える時

・相手の行為や厚意に対して、感謝の気持ちを伝える際に使います。

・温かいお言葉をいただき、ありがたく存じます。

・ご多忙の中、お時間をいただき、大変ありがたく存じます。

・ご多忙の中、ご親切にしていただき、ありがたく存じます。

「ありがたく存じます」を使う時の注意点

「ありがたく存じます」は、相手への感謝の気持ちを謙遜して伝える言葉です。ビジネスシーンなど、より丁寧な表現を求められる場面でよく使われます。注意点をみていきましょう。

1）目上の人や上司、取引先などに使うのが一般的です。

親しい上司に対して使うには、慇懃無礼に聞こえてしまうこともあります。親しい人に対しては「ありがとうございます」「感謝しています」などの表現を使うと良いでしょう。

2）使いすぎに注意する。

「ありがたく存じます」は、相手に深い感謝の気持ちを伝えることができる、非常に丁寧な言葉です。そのため、頻繁に使うことで、かえって不自然な印象になってしまいます。

「ありがたく存じます」使い方のコツ

「ありがたく存じます」は、非常に丁寧な表現です。状況や相手との関係性によって適切に使いましょう。

・相手との関係性：親密度、上下関係

・状況：特別なお願い事か、日常的なやり取りか？

・表現の程度：丁寧さ、自然さ

「ありがたく存じます」の言い換え・類語

「ありがたく存じます」の言い換えです。いずれの表現も丁寧な敬語のため、目上の人や敬意を払う場面で使うことができます。

「幸甚（こうじん）です」

意味：「幸甚（こうじん）」は、非常に丁寧な言葉で、「この上なく幸せである」「とてもありがたい」という意味を持ちます。おもに、目上の人に対して感謝の気持ちを伝える際に使います。

例文：お忙しいところ、お時間を割いていただき、幸甚に存じます。

「感謝申し上げます」

意味：相手に深い感謝の気持ちを伝える際に用いる丁寧な表現です。「申し上げる」は謙譲語です。

例文：皆さまのお心遣いに、心から感謝申し上げます。

まとめ

「ありがたく存じます」は、相手に深い敬意と感謝の気持ちを伝える非常に丁寧な表現です。状況に合わせて使い分け、相手にあなたの感謝の気持ちがしっかりと伝わるようにしましょう。