「ご遠慮ください」は、相手に何かを控えてもらいたい時に使う丁寧な表現ですが、ビジネスシーンではどのように使えば良いのでしょうか?「目上の人には失礼になるのでは?」「禁止の意味なの?」など、様々な疑問にお答えします。この記事では、「ご遠慮ください」の意味を詳しく解説し、より適切な表現方法や言い換えについてもご紹介します。この表現をマスターして、相手にしっかりとあなたの意図を伝えましょう。
「敷地内への立ち入りは、ご遠慮ください」って書いてあったら、立ち入りしてはいけないってことなんですよね。
そうですね。「立ち入りしないでください」という依頼・お願いなので、立ち入ってはいけないということです。
「ご遠慮ください」は、相手に何かを「やめてください」「控えてください」と丁寧に伝える敬語表現です。
「ご遠慮ください」は禁止の意味?
「ご遠慮ください」の意味は、相手に対して「この行為は控えていただきたい」という気持ちを込めた丁寧なお願いの敬語表現です。「ご遠慮ください」の意味は厳密には「禁止」ではありませんが、状況や文脈によっては、事実上の禁止と解釈されることも多いです。
例えばですが、
「撮影はご遠慮ください」のように、柔らかい表現として使われた時は、多くの人は「撮影禁止」と理解します。
・厳密に禁止したい場合は、「禁止」と明記する方が誤解を生みません。
・「ご遠慮ください」を使うことで、相手に配慮した表現になります。
より正確な意思表示をするためには、状況に応じて「ご遠慮ください」や「禁止」を使い分けることが重要です。
「ご遠慮ください」とは、「少しならやってもOKですよ」という意味ではありません♡
そうですよね。「ご遠慮ください」と表示されている場所や状況では、その指示に従うことが大切ですよね。
「ご遠慮ください」の使い方と例文
「ご遠慮ください」は、相手に「~することを控えてください」と丁寧に伝える敬語表現です。
ビジネスシーンでよく使う例文♡
・会議中の私語は、ご遠慮ください。
・関係者以外の立ち入りはご遠慮ください。
・時間外のお問い合わせはご遠慮ください。
・この資料の複製や転載は、ご遠慮ください。
・会議室は使用中のため、ご入室はご遠慮ください。
・社員以外は、このフロアへの立ち入りはご遠慮ください。
「遠慮」は、本来は自分に対して使う言葉で、「ください」が相手に依頼する言葉であるという点から、この言葉は矛盾しているように考えられます。しかし、長年の慣習によって定着した言葉であり、相手に何かを控えてほしいという意図を伝えるための配慮の表現として広く使用されています。
【取引先の人との会話】
大変恐縮ですが、当日はお車でのご来場をご遠慮いただきたく存じます。
かしこまりました。電車で行きます。
「ご遠慮いただきたく存じます」が適切に使えていますね♡
【上の会話のポイント・コツ】
クッション言葉を使うことで、より丁寧で印象の良い表現になります。以下のクッション言葉を使って、相手への配慮を示しましょう。
「何卒」:より丁寧なお願いをしたい場合、「どうか」という意味です。
「恐れ入りますが」:相手にお願いをする際に、丁寧さをプラスしたい場合
「大変恐縮ですが」:相手に迷惑をかけることをお詫びしながらお願いする場合
「お手数ですが」:相手に手間をかけさせることをお詫びしながらお願いする場合
「ご遠慮ください」の敬語表現
「ご遠慮ください」の敬語のつくりは、「ご遠慮」の「ご」は尊敬の表現です。目上の人や敬意を払う場面でも使える丁寧な敬語表現をみていきましょう。
「ご遠慮ください」の「ください」は、「くれ」の尊敬語ですが、「ください」が命令形になるため、人によっては丁寧に感じない場合もあります。
「ご遠慮ください」の敬語表現はビジネスシーンで役立ちます♡
「ご遠慮くださいませ」
使い方:「ご遠慮ください」の「ください」が命令されているように感じることもあるため、「ませ」がつくことで、やわらかい表現でかしこまった印象になります。
例文:このエリアへの立ち入りは、ご遠慮くださいませ。
「ご遠慮いただきたく存じます」
使い方:「いただく」は「もらう」の謙譲語、「存じます」は、「存じる」の謙譲語に「ます」の丁寧語がついたもの。
例文:誠に恐縮ですが、今回のご参加は、ご遠慮いただきたく存じます。
「ご遠慮いただければ幸いです」「ご遠慮いただけますと幸いです」
使い方:「幸いです」は「〜してもらえたら嬉しいです」という願望の表現。この表現によって、相手への配慮や敬意が伝わり、より丁寧な印象になります。
直接的な命令形ではなく、柔らかくお願いするニュアンスを含んでいるため、相手に不快感を与えることなく、お願い事を伝えることができます。
例文:
・会議中は、携帯電話のご使用をご遠慮いただければ幸いです。
・大きな荷物のお持ち込みはご遠慮いただけますと幸いです。
「ご遠慮くださいますようお願い申し上げます」
使い方:さらに丁寧な表現になります。「お願い申し上げます」の謙譲語を用いることで、非常に丁寧な印象になります。
例文:当日は車でのご来場をご遠慮くださいますようお願い申し上げます。
「ご遠慮ください」の言い換え・類語
「ご遠慮ください」のように「〜しないでください」という禁止の意味合いの表現があります。以下、言い換え表現について、それぞれの特徴と例文を詳しくご紹介します。
「お控えください」
意味:相手に何かをやめてほしい、または控えてほしいと、丁寧に伝える敬語表現です。「ご遠慮ください」は漢語でやや強めの表現で「お控えください」は和語で、やや柔らかい言葉です。
例文:他のお客様へのご迷惑となる行為は、お控えください。
漢語とは、中国から伝わってきた言葉です。和語は、日本古来の言葉です。
「おやめください」
意味:「やめてください」をより丁寧にした表現です。相手に、ある行為をやめるように強く求める敬語表現ですが、強い言葉のため使う際は「どうかおやめください」と使うと良いでしょう。
例文:廊下での私語は、どうかおやめください。
「お断りいたします」
意味:相手の申し出や依頼に対して、丁重に拒否する際に用いる丁寧な敬語表現です。
例文:誠に恐縮ですが、予算の都合上、今回はご依頼をお断りいたします。
まとめ
「ご遠慮ください」は、相手に何かを控えてもらいたいという丁寧なお願いを表す言葉です。状況に合わせて適切な言葉を選び、相手に失礼のないように使いましょう。