「朝の朝礼を始めます」「後で後悔する」など、日常会話やビジネスシーンでつい口にしてしまう「違和感を感じる」という言葉。よく考えてみると、この表現は少し気になりませんか? 今回は、「違和感を感じる」が、なぜ冗長な表現なのか、そしてより的確に相手に伝えるための言い換え表現を、具体的な例文とともにご紹介します。
なぜ「違和感を感じる」は二重表現なの?
「違和感」の言葉自体に、「何かがおかしい、しっくりこない」という意味が含まれています。そこに「感じる」と付け加えることで、「おかしいと感じている」と、同じ意味を繰り返していることになります。このような言葉の重複を「二重表現」や「重言(じゅうげん)」といいます。
「二重表現」とは、はじめて聞きました。
もしかしたら「二重表現」使っているかもしれませんね。
「違和感を感じる」の言い換え
具体的な言葉を使うことで、相手に自分の考えをより正確に伝えることができます。以下の例文をみていきましょう。
元の表現:「この提案、なんとなく違和感を感じるのですが」
↓言い換えると
・この提案について、もう少し詳しく教えていただけますか?
・この提案は、〇〇という点で、整合性がないように思います。
具体的に言い換えることで、相手に自分の考えをより正確に伝え、建設的な議論へと繋げることができます♡
「違和感があります」
意味:何かが自分の感覚に合わず、不自然だと感じることです。シンプルに「違和感」とだけ表現しても、十分に意味が伝わります。
例文:今回のご提案内容について、少し違和感があります。詳細な説明をいただけますでしょうか。
「違和感を覚える」
「感じる」の類語に「覚える」があります。「違和感を覚える」という使い方ができます。
例文:彼の言動に違和感が覚えました。
「~と感じる」
例文:最近の彼の様子は、いつもと違うように感じる。
「~という印象を受ける」
例文:このプレゼンは、全体としてまとまりがないという印象を受けました。
相手があなたの意図を正確に理解するためには、より具体的な表現を使うことが大切です♡
「整合性がないように思います」
意味:あるもの同士が一致せず、矛盾している、または一貫性がないと感じることです。
例文:資料の数値と実際のデータに整合性がないように思いますので、再度確認をお願いできますか。
「矛盾を感じます」
意味:二つ以上の事柄が互いに食い違っている、または一貫していないと感じることです。
例文:ご説明いただいた内容と契約書の記載に矛盾を感じます。こちらについて詳しくご説明いただけますか。
「しっくりこない」
意味:納得できない、または感覚的に合わないと感じることです。
例文:企画の方向性が、チーム全体のビジョンにしっくりこない気がしています。もう一度議論したいです。
「腑(ふ)に落ちない」
意味:論理的に理解できない、または納得できないことです。
例文:いただいた説明は理解できますが、どうしても腑に落ちない部分が残っています。
「二重表現」は使ってはいけない?
ビジネスシーンでは、正確で簡潔な表現が求められるため、二重表現は避け、より的確な言葉を選ぶようにしましょう。
「二重表現」を使う時は相手との関係性や内容を考えて使いましょう♡
・わかりやすさ:相手の理解を助けるために二重表現を使うことは有効なこともあります。特に会話では、言葉のニュアンスを補うために二重表現が役立つことがあります。
・冗長さ: 二重表現が文章を冗長にし、読みづらくなる場合は避けるべきです。特に、ビジネス文書などでは、簡潔でわかりやすい表現を心がけましょう。
まとめると、二重表現は、
会話:相手の理解を助けるために有効なこともあります。
文章:簡潔さを心がけることが大切です。
といったように、状況や場面に合わせて使い分けることが重要です。
ビジネスシーンで気をつけたい言葉の選び方
ビジネスシーンでは、言葉の選び方一つで、相手に与える印象や、今後の関係性が大きく変わってきます。単に情報を伝えるだけでなく、相手とのコミュニケーションを円滑に進めるために、言葉遣いを意識することが大切です。
1)具体的に説明する:具体的に何が違和感なのかを説明することで、相手に正確な情報を伝えることができます。
2)客観的な表現を使う:主観的な表現ではなく、客観的な事実を基に表現することで、より説得力のある伝え方になります。
3)丁寧な言葉遣いをする:ビジネスシーンでは、丁寧な言葉遣いを心がけることで、相手に敬意を示すことができます。
まとめ
「違和感を感じる」は、文章を冗長にしてしまいます。より正確に、そして相手に分かりやすく伝えるためには、具体的な言葉で表現したり、別の言葉に置き換えたりするなど、様々な工夫が必要になります。