「~していただけるとありがたいです。」この言葉、ビジネスシーンで上司や取引先に依頼する際、つい口にしてしまいがちですよね。実は、「ありがたいです」は、「依頼」だけでなく、「感謝の気持ち」を伝える場面でも注意が必要な言葉です。この記事では、「ありがたいです」がなぜビジネスシーンで控えるべきなのか、そしてより丁寧で相手に好印象な言い換えを、例文とともにご紹介します。
「ありがたいです」の意味と敬語
「ありがたいです」は、相手の行為や言葉に対して感謝の意を伝える表現です。
【敬語】
「ありがたいです」の「です」は丁寧語です。「ありがたい」(形容詞)に「です」を付ける表現は、一般的に使われるようになりました。ただし、状況によっては適切さに欠けると思われる方もいるので、注意が必要です。
使いがちですよね。親しい間柄ではないなら、丁寧な言葉を使うようにしましょう♡
「ありがたいです」の使い方と例文
「ありがたいです」は、親しい間柄での会話でよく使われる、感謝の気持ちを伝える言葉です。依頼の場面でも用いられますが、目上の人や取引先など、より丁寧な表現が求められる場面では、「大変感謝しております」や「心より感謝申し上げます」など、より敬意を込めて伝える言葉を選ぶと良いでしょう。
感謝を伝える時
・資料作成について教えてくださりありがたいです。
・ミーティングに参加できて本当にありがたいです。
依頼をする時
・〇〇の詳細をお送りいただければありがたいです。
・今週の水曜日までにお返事をいただけるとありがたいです。
上司に対して「ありがたいです」を使っても良いかと思っていました。
「ありがたいです」は親しい人に使いましょう♡
「ありがたいです」でも良いのですが、ビジネスシーンでは、より丁寧な表現を使う方が無難です。謙譲語、尊敬語を使った表現を使いましょう。
「ありがたいです」は、なぜ注意が必要なのか?
「ありがたいです」は、感謝やお願いを伝える言葉ですが、使い方を誤ると失礼に当たってしまう可能性があります。以下に注意点と具体的な改善例を整理しました。
「ありがたいです」を使う時のちょっとした注意点です。
「〜いただけますとありがたいです」の使い方
「〜いただけますとありがたいです」は、相手に何かをお願いする際に、柔らかく表現したい時に使われます。しかし、より丁寧な表現としては以下が適切です。
・「〜していただきたく存じます」
・「〜をお願い申し上げます」
例文:お忙しい中恐れ入りますが、ご確認いただきたく存じます。
「ありがたいお言葉」の使い方
「ありがたいお言葉」は、相手の褒め言葉や励ましの言葉に対して感謝を伝える丁寧な表現です。「ありがたい+名詞」と使うことで丁寧な表現になります。
❌「そのお言葉、本当にありがたいです。」
⭕️「ありがたいお言葉をいただき、お礼申し上げます。」
「大変ありがたいです」の強調表現も、基本的には「ありがたいです」と同様の理由で、目上の人、上司、取引先に対して使用しない方が無難です。
「ありがたいです」ビジネスで使える言い換え7選
「ありがたいです」の代わりに使える丁寧な表現はたくさんあります。状況に合わせて使い分けることで、より相手に配慮した印象になります。いずれも目上の人や上司、取引先に対して使える表現です。
依頼の場面
1)〜していただければ幸いです
使い方:「幸いです」をより丁寧にすると「幸甚」です。
例文:ご多忙の中、貴重なお時間をいただきまして、ありがたく存じます。
2)お願い申し上げます
意味:相手に何かを依頼したり、協力をお願いしたりする際に用いられます。
例文
・資料の作成をお願い申し上げます。
・ご多忙のところ恐縮ですが、ご協力をお願い申し上げます。
3)していただけますでしょうか
意味:「~していただくことが可能でしょうか」という意味で相手に何かを行動してもらうことを、相手に負担をかけないよう、柔らかく尋ねる表現です。
例文:恐れ入りますが、この資料を明日までにご確認いただけますでしょうか。
感謝の場面
1)ありがとうございます
使い方:最も基本的な感謝の言葉です。ビジネスシーンにおいても、相手に何かしてもらったとき、協力を得られたときなどに、感謝の気持ちを伝えるために使います。
例文:先日はお忙しい中、わざわざお越しいただきありがとうございました。
2)ありがたく存じます
意味:「存じます」は「思う」の謙譲語です。
例文:ご多忙の中、貴重なお時間をいただきまして、ありがたく存じます。
3)心から感謝申し上げます
意味:相手に対して深い感謝の意を伝える際に用いられる非常に丁寧な表現です
例文:いつもご指導いただき、ありがとうございます。これまでのご厚情に心から感謝申し上げます。
4)お礼申し上げます
「お礼」: 礼を尽くす、感謝するという意味
「申し上げます」: 謙遜を込めて自分の気持ちを述べる丁寧な表現
「心から感謝しています」という気持ちを、より丁寧かつ敬意を込めて伝えている言葉になります。
例文:楽しい時間をありがとうございました。心よりお礼申し上げます。
感謝の度合いや状況に応じて、「心から感謝しております」など、表現を変化させましょう♡
まとめ
「ありがたいです」は、直接的で親しみやすい表現ですが、ビジネスシーンでは敬語として十分ではない場合があります。上記の言い換えや例文を参考にしてみてください。