日中は日差しが暖かく感じられる日も増え、春の訪れを感じる頃となりました。3月に入り、そろそろ春の挨拶をしたいけれど、どんな言葉を使えば良いのか迷いますね。3月の挨拶として使える春の言葉「啓蟄の候」には、どのような意味があるのでしょうか。この記事では、3月の挨拶「啓蟄の候」の意味や使い方、メールや手紙に使える例文を紹介します。
「啓蟄の候(けいちつのこう)」の意味
「啓蟄の候」の読み方は、「けいちつのこう」と読みます。
・二十四節気(太陽の動きをもとに1年を24に分けた、季節を表す区分です)の一つで、冬ごもりしていた虫たちが暖かくなり、穴を開けて地上へ出てくる頃を意味します。
・「〇〇の候」は、手紙やメールの冒頭で季節を表す時候の挨拶です。相手に季節感を伝え、丁寧な印象になります。

冬ごもりの虫たちが、春の暖かさを感じて地上に出てくる頃です♡
啓蟄の候はいつからいつまで?
啓蟄が使える時期は、毎年、毎年3月5日頃から3月20日頃までの間に使うのが一般的です。

「啓蟄」は春らしい言葉ですよね♡
「啓蟄の候」を使った例文
「啓蟄の候」は、手紙や挨拶状やメールの冒頭に記し、季節感を伝えるとともに、相手の安否や健康を気遣う言葉として用います。
「啓蟄の候」基本的な書き出し

・啓蟄の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
・啓蟄の候、皆様におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
「啓蟄の候」相手の活躍を称える書き出し

・啓蟄の候、〇〇様におかれましては、益々ご活躍のこととお慶び申し上げます。
・啓蟄の候、〇〇様におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
「啓蟄の候」相手の健康を気遣う書き出し

・啓蟄の候、皆様におかれましては、お変わりなくお過ごしでしょうか。
・啓蟄の候、春とはいえまだ寒さの残る日もございますので、くれぐれもご自愛ください。
「啓蟄の候」季節の移ろいを表現する書き出し

・啓蟄の候、日ごとに春めいてまいりました。
・啓蟄の候、春の息吹が感じられる頃となりました。
「啓蟄の候」の言い換え
「啓蟄の候」は、やや硬い表現のため、ビジネスシーンでよく使われます。親しい人に送る場合は、以下のような口語調の表現に言い換えると、より親しみやすい印象になります。

・少しずつ暖かくなり、春の訪れを感じられるようになりました。
・日ごとに春めいてまいりましたが、〇〇様はいかがお過ごしでしょうか。
・日増しに暖かくなり、虫たちも顔を出し始めたようで、春の訪れを感じますね。
・ようやく春めいてまいりました。〇〇様には、益々ご健やかにお過ごしでしょうか。
・暖かい日差しが心地よい季節となりました。〇〇様も、お変わりなくお過ごしでしょうか。
・春の息吹を感じる頃となりました。〇〇様のますますのご活躍を心よりお祈り申し上げます。

春を感じさせる言葉ですね♡
「啓蟄の候」メール文例:ビジネスシーン
ビジネスメールでは、季節の挨拶を添えることで丁寧な印象になります。ただし、メールの目的は用件を伝えることですので、挨拶は簡潔にし、スムーズに本題へ移りましょう。また、従来の形式ばった表現よりも、現代では簡潔な表現が好まれる傾向にあります。

↓メール文の一般的な構成です♡
1)宛名:相手の名前と役職を記載します。
2)挨拶:季節の挨拶や相手の安否を尋ねる言葉などを記載します。
3)本文:用件を具体的に記載します。
4)結び:今後の関係性や相手の健康や活躍などを祈る言葉を記載します。
5)署名:自分の名前、所属などを記載します。
取引先への依頼を兼ねた挨拶メール
件名:【ご確認のお願い】○○について
〇〇株式会社 〇〇様
啓蟄の候、貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、○○についてご確認いただきたく、ご連絡差し上げました。
(※具体的な要件を記載)
お忙しいところ恐縮ですが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
△△会社 △△
お礼メール
件名:【お礼】○○について
〇〇株式会社 〇〇様
啓蟄の候、貴社におかれましてはますますご発展のこととお慶び申し上げます。
先日は○○についてご対応いただき、誠にありがとうございました。
(※具体的な要件を記載)
今後とも変わらぬご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
△△会社 △△
「啓蟄の候」挨拶文例:プライベートシーン
挨拶文では、「拝啓」と「敬具」をセットで使用し、その上に相手の名前と自分の名前を記載するのが一般的です。
近況報告を兼ねた挨拶
件名:ご無沙汰しております
〇〇様
拝啓
啓蟄の候、○○様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
ご無沙汰しておりますが、その後いかがお過ごしでしょうか。
寒さも和らぎ、春の訪れを感じる頃となりました。
(※具体的な要件を記載)
どうぞお身体を大切にお過ごしくださいませ。
またお時間が合いましたら、ぜひお会いできればと思います。
敬具
△△ △△
お礼の気持ちを伝える挨拶
件名:先日はありがとうございました
〇〇様
拝啓
啓蟄の候、○○様におかれましてはますますご清祥のことと存じます。
先日はお忙しい中、お時間をいただき誠にありがとうございました。
おかげさまで貴重な時間を過ごすことができ、大変感謝しております。
(※具体的な要件を記載)
季節の変わり目ですので、どうぞご自愛くださいませ。
またお会いできる日を楽しみにしております。
敬具
△△ △△
まとめ
「啓蟄の候」は、春の息吹を感じさせる美しい言葉ですね。冬ごもりしていた生き物たちが目覚め、土の中から顔を出し始めるこの時期は、まさに春の訪れを実感する頃でもあります。こうした季節の移ろいを表す言葉に触れると、自然と心が弾み、希望に満ちた気持ちになります。
時候の挨拶は、単に季節の変化を伝えるだけでなく、相手を思いやる気持ちや敬意を表す大切な役割を果たします。「啓蟄の候」を通じて、温かな気遣いが伝わるようなやりとりができれば素敵ですね。皆様にとって、心弾む春となりますよう心よりお祈り申し上げます。