ビジネスシーンでよく耳にする「ご確認いただきたく存じます」。丁寧な表現ですが、正しく使えていますか?この記事では、「ご確認いただきたく存じます」の意味や使い方を、具体的な例文とともにわかりやすく解説します。類語との違いや、より丁寧な表現への言い換え方もご紹介します。
「ご確認いただきたく存じます」は、聞いたことはあるけど、使ったことはありません。
「ご確認いただきたく存じます」の使い方をみていきましょう。
「ご確認いただきたく存じます」は、相手に確認をお願いしたい時に使う丁寧な表現です。特にビジネスシーンでは、上司や取引先など、目上の人に対して使うことが多く、より丁寧になります。
「ご確認いただきたく存じます」の意味
「ご確認いただきたく存じます」は、ご確認してもらいたいと思いますという意味になります。
「ご確認」:相手の行動のため「ご」が尊敬語になります。「ご〜いただく」で謙譲表現にもなります。
「いただく」:「もらう」の謙譲語です。「〜してもらいたい」という意味になります。
「存じます」:「存じる」の謙譲語に「ます」の丁寧語がついたもの。
「ご確認いただきたく存じます」の使い方と例文
「ご確認いただきたく存じます」は丁寧な表現のため、目上の人や上司、取引先など敬意を払う相手に対して使います。
・相手に丁寧に依頼をしたい時
・相手に何かを確認してほしい時 などです
・本日中にご確認いただきたく存じます。
・お送りしましたメールをご確認いただきたく存じます。
・報告書の数値の不整合があるようですので、ご確認いただきたく存じます。
【取引先での会話】
先ほどの件は、いつまでにご連絡したらよろしいでしょうか?
大変恐縮ですが、先ほどの件につきましては、明日までにご確認いただきたく存じます。
「ご確認いただきたく存じます」が適切に使えていますね♡
上の会話をみてみましょう。
「ご確認いただきたく存じます」:「確認をお願いします」をより丁寧にした表現です。相手に敬意を払い、自分の依頼を控えめに伝える際に使います。
「大変恐縮ですが」:お願いしたいことに対して、相手を気遣う丁寧な言葉です。
【補足です】「大変恐縮ですが」のように使えるクッション言葉です。
・恐れ入りますが
・申し訳ございませんが
・ご多忙のところ申し訳ございませんが
・お忙しいところ申し訳ございませんが
適切なクッション言葉をそえることで、より丁寧な印象になりますね。
「ご確認いただきたく存じます」使う時の注意点
「ご確認いただきたく存じます」を使いすぎないように気をつけましょう。「いたします」に切り替えてみるということです。
他の言葉と組み合わせて、表現に変化を持たせることが大切です♡
【存じますを繰り返し使っている例】
【存じますを言い換えている例】
「ご確認いただきたく存じます」の敬語表現
「ご確認いただきたく存じます」の丁寧な敬語表現の意味、使い方の特徴、例文をご紹介します。状況や相手との関係性によって使い分けてみましょう。
ご確認くださいませ
意味:「ご確認ください」の「ください」が命令されているように感じることもあるため、「ませ」がつくことで、優しい・やわらかい表現になります。
例文:恐れ入りますが、資料をもう一度ご確認くださいませ。
「~ませ」は女性が使う表現とされていましたが、現在では隔たり(へだたり)なく使われています。
ご確認いただければと存じます
意味:「してもらえれば」という仮定の意味を持ち、より丁寧な表現です。相手に委ねたニュアンスになります。「存じます」は、「思う」の謙譲語です。
例文:新しい資料ですので、ぜひご確認いただければと存じます。
ご確認いただければ幸いです
意味:「いただければ」は「〜してもらえれば」という意味です。
「幸いです」とは、「私はうれしいです」という丁寧語です。「使ってもらえたらうれしいです」という意味になります。
例文:こちらの商品についてもご確認いただければ幸いです。
ご確認くださいますようお願い申し上げます
意味:より丁寧な言葉遣いで、社外で使う方が適しています。メールで使うことが多い表現です。
「くださいますよう」とは「〜してくれますように」という意味です。
「くださいますよう」が丁寧でやわらかい言い回しのため、強制を感じさせない表現になります。
例文:こちらの資料をご確認くださいますようお願い申し上げます。
ご確認くださいますようお願いいたします
意味:丁寧な言葉遣いで、社外で使う方が適しています。メールで使うことが多い表現です。
「ください」が命令形ではなく、依頼の表現になっています。
・「お願いいたします」「お願い申し上げます」どちらも謙譲表現で同じくらい丁寧な言葉になります。
例文:恐れ入りますが、こちらの商品もご確認くださいますようお願いいたします。
会話中、メールでも使うことができますが、冗長的(じょうちょうてき)・長めの言い回しについてはメールで使うようにしましょう。
【取引先に確認依頼する時のメール】
【取引先に返事を催促する時のメール】
「ご確認いただければと存じます」との違い
「ご確認いただきたく存じます」「ご確認いただければと存じます」の違いについてみてみましょう。
意味 | 違いについて | |
ご確認いただきたく存じます | 確認してもらいたいと思います | 確認してもらいたい時に使います。丁寧な言葉遣いです。 |
ご確認いただければと存じます | 確認してもらえればと思います | 確認してもらいたい時に使います。「してもらえれば」という仮定の意味を持ち、より丁寧な言葉遣いですが、相手に委ねたニュアンスがあるため、確認してもらえないことも考えられます。 |
「ご確認いただきたく存じます」「ご確認いただければと存じます」は、状況や相手にあわせて使い分けてみましょう。使う時は、一緒に期限や確認してもらいたいことを伝えるようにしましょう。
例文:
・恐れ入りますが、明日までに契約書をご確認いただきたく存じます。
・大変恐縮ですが、今週中までに契約書をご確認いただければと存じます。
相手に明確な要求ができ、期限を共有することで、進捗状況や達成度について報告しやすくなりますよね。
まとめ
「ご確認いただきたく存じます」とは、控えめでやわらかい表現のため、丁寧でよい印象を与える言葉遣いです。「ご確認いただければ存じます」との違いや、言い換え、繰り返し使わないためのコツについて紹介してきました。シチュエーションにあわせて適切な言い換えができたらいいですね。