「お役立てくださいませ」とは、「役に立ててくれ」という意味です。相手の役に立ちたい時、相手に役立ててほしい時に使います。「お役立てください」は命令されているように受けとめられてしまうことがありますが、「お役立てくださいませ」は「お役立てください」に「ませ」がつくことで優しい、やわらかい表現になります。この記事では「お役立てくださいませ」の正しい使い方と、より丁寧な言い換え表現、例文について解説します。
「お役立てくださいませ」の意味
「お役立てくださいませ」の意味合いについてみていきましょう。
・相手に役立てて欲しいという気持ち
・相手に役立つことを願う気持ち を伝える言葉です。
「少しでもお役に立てれば嬉しい」という謙虚な気持ちの表れでもあります。
「お役立て」 | 「役立て」に「お」がつき、丁寧な表現になります。 相手の行動のため「お」が尊敬語になります。 |
「ください」 | 「ください」は「くれ」の丁寧語 |
「ませ」 | 丁寧語「ます」の命令形 |
「ください」は命令調になりますが、「ませ」がつくことで柔らかい表現になります。
「お役立てくださいませ」の使い方
「お役立てくださいませ」は、丁寧な言葉遣いで、相手に対して何かをしてあげたり、ものを提供したりする際に使う表現です。
例えばですが、
ビジネスシーンで書類や資料などを渡す際に使います。目上の人やお客様に対して、自分の提供したものが相手にとって役に立つことを願う気持ちを伝えることができます。
【基本的な使い方】
・書類や資料を渡す際に、「お役立てくださいませ」と言葉を添えたりします。
「お役立てくださいませ」の例文
「お役立てくださいませ」を使った例文をみていきましょう。
・会議の準備に、どうかお役に立てくださいませ。
・もしよろしければ、こちらの資料もお役立てくださいませ。
・資料を添付いたしますのでよろしければお役立てくださいませ。
・参考資料になります。ご検討の際には、ぜひお役立てくださいませ。
【社内での会話】
先輩、この資料ですが、会議の準備に、どうかお役に立てくださいませ。
どうもありがとう。
「ぜひ」は強調する時に使います。「どうか」「ぜひ」という意味になります。
「ください」は漢字、ひらがな、どちらの表記?
「ください」は漢字、ひらがなどちらの表記なのでしょうか?
・「資料をください」のように、物をもらう時には基本的には漢字表記を使います。
・「お役立てください」「ご理解ください」のように「動詞+する」の時はひらがな表記にします。
判断に迷った場合は、いったん、ひらがなで「ください」で書いておくのがおすすめです。
「お役立てくださいませ」を使う時の注意点
「お役立てくださいませ」を使う時の注意点についてみていきましょう。
1)「もしよろしければ」「ご不明な点があれば」などの言葉を添える
「もしよろしければ」や「ご不明な点があれば」などの言葉を添えることで、相手への配慮を示し、受け取りやすい表現になります。
・ご不明な点があれば、お気軽にご質問ください。
・もしよろしければ、こちらの資料もご参照くださいませ。
「ご不明な点があれば、お気軽にご質問ください」を使って質問を促します。
2)言い換えを使う
「お役立てくださいませ」の言い換えを使ってみましょう。状況に合わせて、以下のような言い換え表現を使うことで、より自然で丁寧な印象になります。
・説明した内容がお役に立てば幸いです。
「お役立てくださいませ」の言い換えについて詳しくみていきましょう。
「お役立てくださいませ」の言い換え
「お役立てくださいませ」の言い換えです。状況によってはより適切な言い換えがあります。以下、4つの言い換え表現について、それぞれの特徴と例文を詳しくご紹介します。
ご活用くださいませ
使い方:提供した物や情報などを相手に使ってもらうように丁寧にお願いする表現です。
例文:こちらのカタログをご活用くださいませ。
ご参考くださいませ
使い方:提供した情報などを参考にしてもらうように丁寧にお願いする表現です。
例文:もしよろしければ、こちらの資料をご参考くださいませ。
お役に立てば幸いです
使い方:相手に対して自分が提供した情報やサービスが役に立つことを願う気持ちを伝える際に用いられます。丁寧な言葉遣いです。
例文:ご案内した資料が、何かのお役に立てば幸いです。
ご検討くださいませ
使い方:相手に対して何かを提案したり、依頼したりした際に、「よく考えて判断してもらいたい時」に使います。
例文:新商品のご案内です。ぜひご検討くださいませ。
【お役立てくださいませを使った・資料を送る時のメール】
【サービスが更新したことのご案内メール】
下記のメールは、「お役立てくださいませ」をより丁寧な表現にしたメール文です。
冗長的(じょうちょうてき)・長めの言い回しについてはメールで使うようにしましょう。
「お役立てくださいませ」の敬語表現
「お役立てくださいませ」の丁寧な敬語表現の意味、使い方の特徴、例文についてです。状況や相手との関係性によって使い分けてみましょう。
目上の人や上司、ビジネスシーンで敬語表現を使ってみましょう♡
お役立ていただければと存じます
意味:「〜してもらえたら」の意味です。「してもらえれば」という仮定の意味を持ち、より丁寧な表現です。相手に委ねたニュアンスになります。「存じます」は、「思う」の謙譲語です。
例文:資料が少しでも、お役立ていただければと存じます。
お役立ていただけますと幸いです
意味:「幸いです」とは、「私はうれしいです」という丁寧語です。「お役に立つとうれしいです」という意味になります。
例文:私の意見が少しでも、お役立ていただけますと幸いです。
お役立ていただきますようお願い申し上げます/お役立てくださいますようお願い申し上げます
意味:より丁寧な言葉遣いで、社外で使う方が適しています。メールで使うことが多い表現です。
「いただく」は謙譲表現
「くださいますよう」とは「〜してくれますように」という意味です。
・相手に敬意を示し、丁寧な態度を伝えることができます。
・相手に役立つことを願って伝える表現であるため、好感度を高めることができます。
「ますように」が丁寧でやわらかい言い回しのため、強制を感じさせない表現になります。
まとめ
「お役立てくださいませ」を使う時、言い回しも気をつけた上で、大切なことは、相手の状況やニーズを踏まえて、そのものが実際に役に立つかどうかを判断することだと思います。相手に感謝の気持ちと役に立つことを願う気持ちを込めて「お役立てくださいませ」を伝えましょう。