梅雨の候とは？ビジネスメールや挨拶文に使える丁寧な例文集

「梅雨の候（つゆのこう）」は、6月中旬から6月下旬ごろまでの梅雨時期に使われる季節の挨拶です。ビジネスメールや手紙の書き出しとして好まれ、丁寧な印象の表現として定着しています。本記事では、「梅雨の候」の意味・読み方・使える時期を解説するとともに、ビジネス向けや目上の人にも使える丁寧な例文をご紹介します。季節感を伝える書き出しにぜひご活用ください。

「梅雨の候」の意味と読み方

「梅雨の候」は、「つゆのこう」もしくは「ばいうのこう」と読みます。

意味は、「梅雨の季節になりました」ということを表す、時候の挨拶です。候は「～の季節」「～の頃」といった意味合いを持つ言葉で、手紙やビジネス文書の冒頭で季節感を示す際に用いられます。

「梅雨」とは、草木を潤し、万物を育む恵みの雨という意味合いも持ち合わせているため、単に雨が降る時期というだけでなく、自然の営みへの敬意も込められた表現と言えるでしょう

「梅雨の候」が使える時期はいつからいつまで？

「梅雨の候」が使えるのは、6月中旬から下旬頃までが目安となります。

その年の梅雨入り・梅雨明けの時期が前後することもあるため、使用する際は天気予報や実際の気候状況を確認し、違和感がないか考慮することが大切です。梅雨が明けたにもかかわらず「梅雨の候」を使うと、少し季節感がずれてしまうため注意しましょう。

ビジネスメールや手紙で使える「梅雨の候」例文集

ビジネスシーンで幅広く活用できる「梅雨の候」を使った例文をご紹介します。状況や相手に合わせて適切なものを選び、より丁寧で心遣いのある文章を作成しましょう。

「梅雨の候」を使った書き出しの挨拶文例

・梅雨の候、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

・梅雨の候、貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。

・梅雨の候、〇〇様におかれましては、お変わりなくご活躍のことと存じます。

・梅雨の候、皆様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

「梅雨の候」を使った結びの挨拶文例

・梅雨冷えの折、くれぐれもご自愛ください。

・梅雨の候、皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。

・梅雨空が続きますが、お体にはくれぐれもお気をつけください。

・長雨の折、ご多忙の毎日と存じますが、どうぞご無理なさいませんよう。

・雨の多い時期ではございますが、どうぞご健勝にてお過ごしくださいませ。

・時節柄、皆様におかれましては、くれぐれもご自愛くださいますようお願い申し上げます。

「梅雨の候」を使ったビジネスメール例文

ここでは、「梅雨の候」を使ったビジネスメールの具体的な例文を、件名から結びまで一通りを紹介します。

【件名】 〇〇に関するご案内（または、〇〇のお礼）

【本文】

〇〇株式会社〇〇部 〇〇様

いつも大変お世話になっております。株式会社〇〇の〇〇です。

梅雨の候、貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
（平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。）

さて、この度は〇〇の件でご連絡いたしました。
（具体的な要件を記載）

つきましては、詳細を下記にご案内させていただきます。
（本文の内容）

ご不明な点がございましたら、お気軽にお申し付けください。

時節柄、何卒ご無理なさらないようご留意ください。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

株式会社〇〇
〇〇

「梅雨の候」の類語・言い換え表現

「梅雨の候」と同じように梅雨の時期に使える丁寧な時候の挨拶には、以下のような表現もあります

時候の挨拶	意味	使用時期の目安
万緑の候	草木の緑が濃く生い茂る候。生命力あふれる様子。	5月5日～6月4日
薄暑の候	わずかに暑さを感じる候。初夏の到来を示唆します。	5月5日～6月4日
初夏の候	夏の初めの候。さわやかな夏の始まりを感じさせます。	5月下旬〜6月上旬
青葉の候	青々とした葉が茂る候。緑が美しい季節を表します。	5月中旬〜6月中旬
向夏の候	初夏を感じさせる季節のご挨拶。清々しい気候を表します。	6月全般
向暑の候	暑さに向かう時期のご挨拶。日中の気温上昇を伝えます。	6月全般
深緑の候	木々の緑が濃くなる季節のご挨拶。生命力溢れる時期を表します。	6月全般
入梅の候	梅雨の季節に入ったことのご挨拶。本格的な雨期到来を示唆。	6月上旬〜6月中旬
梅雨の候	梅雨入りし、雨が続く時期のご挨拶。しっとりした季節感を表現。	6月中旬〜6月下旬
短夜の候	夏至を過ぎ、夜が短くなる頃のご挨拶。夏の盛りを示します。	6月中旬〜6月下旬
夏至の候	昼が最も長くなる頃のご挨拶。夏の本格的な到来を感じさせます。	6月21日〜6月下旬
長雨の候	梅雨の長雨が続く時期のご挨拶。じめじめとした季節感を表現。	6月下旬
小夏の候	初夏を過ぎ、本格的な夏が始まるころのご挨拶。	6月下旬〜7月上旬

まとめ

「梅雨の候」は、梅雨の時期にふさわしい季節感のある挨拶表現であり、ビジネス文書や丁寧なメールの書き出し・結びに使います。梅雨の時期ならではの気遣いの言葉を添えることで、形式的になりがちな文面に温かみを加えることができます。ぜひ、梅雨の季節に「梅雨の候」を活用し、相手への心遣いを言葉にしてみてください。