相手に「わかりますか」と尋ねる時、失礼になっていないか不安に感じたことはありませんか?
特にビジネスシーンや目上の方との会話では、相手の理解度を丁寧に確認する必要があります。しかし、ストレートに「わかりますか」と聞くと、上から目線に聞こえたり、相手を試しているような印象を与えてしまうこともあります。そこで本記事では、ビジネスでも安心して使える「わかりますか」の敬語表現や、より丁寧に伝えるための言い換えフレーズを例文付きでわかりやすく解説します。相手に配慮しながら理解を確認できる表現を身につけましょう。
「わかりますか」は敬語になる?使う時の注意点
「わかりますか」とは、相手に理解を尋ねる時に無意識に使ってしまいがちですが、実は目上の人や取引先に対して使うと、敬意が不足していると受け取られる可能性があります。
「わかりますか」とは尊敬語や謙譲語のような敬語ではないため、ストレートに使いすぎると「上から目線」に聞こえたり、「理解しているか試されている」と相手に感じさせてしまうことがあるからです。
特に、ビジネスの場で「わかりますか」と尋ねるのは、相手に不快感を与えてしまうリスクが伴います。相手との円滑なコミュニケーションを築くためにも、より丁寧な言葉に言い換えることが望ましいでしょう。

「わかりますか」って丁寧語ですよね?

そうですね。「丁寧語」ですが、敬意が伝わりにくいのです。尊敬語や謙譲語ではないため、目上の人やクライアントへの配慮が欠けていると判断されることがありますよ。
「わかりますか」の丁寧な敬語表現と使い分け
「わかりますか」の言葉が持つニュアンスや、使う際の注意点をご理解いただけたでしょうか。ここからは、「わかりますか」をより丁寧に伝えるための具体的な敬語表現と、場面に応じた使い分けを例文付きでご紹介します。
「ご理解いただけますでしょうか」
「ご理解いただけますでしょうか」は、相手が内容を正しく理解しているかを丁寧に確認する敬語表現です。「わかりますか」を直接的に言うよりも、柔らかく相手に配慮した表現となり、ビジネスシーンでも安心して使えます。

↓使う時のポイント♡
・理解を確認する際に用いる、一般的な丁寧な言い回しです。
・会議や商談で説明後に使うと、相手に誠意が伝わりやすいです。
・「ご理解いただけますか?」よりも「いただけますでしょうか」とするとより丁寧です。

【会議での説明後】
本日の新しい運用ルールについて、ご理解いただけますでしょうか。
「お分かりいただけますでしょうか」
「お分かりいただけますでしょうか」は、「ご理解いただけますでしょうか」とほぼ同じ意味ですが、より具体的に「相手が理解できたかどうか」を尋ねる丁寧な表現です。

使う時のポイント♡
・相手が理解できているかを直接的に尋ねたい場面に適している。
・「わかりますか」の敬語としては自然で、特に説明が複雑な場合に使いやすい。
・やや堅めの表現のため、フォーマルなビジネスシーンに向く。

【取引先への確認の際に】
新サービスの仕組みについて、お分かりいただけますでしょうか。
「ここまででご不明な点はございませんか?」
「ここまででご不明な点はございませんか?」は、相手に理解できているかをストレートに尋ねるのではなく、「質問があれば受け付けます」というスタンスを示す丁寧な表現です。

↓使う時のポイント♡
・「わかりますか」と聞くよりも柔らかく、相手に配慮が伝わる。
・会議や研修、プレゼンなど、複数人に向けて説明するときに効果的。
・「ご不明点はございませんか」とすることで、より敬語らしい表現になる。

【メール文例】
〇〇様
いつもお世話になっております。 〇〇株式会社の〇〇です。先日は、〇〇の件について、お打ち合わせのお時間をいただき、誠にありがとうございました。
お打ち合わせの内容につきまして、以下にまとめさせていただきました。
ご確認いただけますでしょうか。
- 〇〇
- 〇〇
- 〇〇
ここまででご不明な点はございませんか? もしご不明な点がございましたら、お気軽にお申し付けください。お忙しいところ恐縮ですが、ご返信お待ちしております。
今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。
「ご説明した内容について、ご理解いただけましたでしょうか」
「ご説明した内容について、ご理解いただけましたでしょうか」とは、「わかりますか」をより具体的にし、「説明がきちんと伝わったか」を確認するための丁寧な敬語表現です。

↓使う時のポイント♡
・「理解できましたか?」をより丁寧にしているので、相手に負担をかけない聞き方になる。
・長めの説明や複雑な案内の後に使うと、丁寧さと配慮が伝わる。
・フォーマルな場面でも違和感なく使える。

【会議での確認】
状況: 進捗報告後、今後の計画について説明した。
本日のご説明は以上となります。今後のスケジュールについて、ご説明した内容について、ご理解いただけましたでしょうか。何かご不明な点があれば、お気軽にご質問ください。
【商談・提案後】
状況: サービスの内容や料金プランを説明し、導入を検討してもらいたい。
本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。弊社のサービスについて、ご説明した内容について、ご理解いただけましたでしょうか。もしご不明な点がございましたら、改めてご説明させていただきます。
「念のため確認させていただきますが、〜」
相手への尊敬と配慮を示しながら、再確認を促す表現です。相手の理解を疑っているわけではないという姿勢を明確にすることで、失礼なく確認することができます。

↓使う時のポイント♡
・二重確認:重要な事項や、少し複雑な内容の場合に使うことで、双方の認識のズレをなくせます。
・謙虚な姿勢:「私の説明が不十分だったかもしれないので」というニュアンスを含めることができ、相手への敬意が伝わります。

【電話での確認】
念のため確認させていただきますが、お見積もりの内容にご変更はございませんでしょうか?
「もしご不明点があれば、遠慮なくおっしゃってください」
「わかりますか」と直接尋ねるのではなく、質問を促すことで、より柔らかく、親しみやすい印象で、丁寧な敬語表現です。

↓使う時のポイント♡
・相手に安心感を与える:「いつでも質問してくださいね」というメッセージが伝わり、相手との信頼関係を深めます。
・関係構築:特に初対面の人や、これから長く付き合うクライアントに対して、オープンな関係を築くのに役立ちます。

【マニュアルなどを説明した際】
ご説明は以上となりますが、もしご不明な点があれば、遠慮なくおっしゃってください。後ほどでも構いません。
「場所はわかりますか」の丁寧な言い換え

・「場所はお分かりになりますか。」
尊敬語の「お分かりになる」を使うことで、より丁寧な印象になります。
・「もしよろしければ、場所をご案内いたしましょうか。」
相手が分からなくても困らないように、こちらから助けを申し出ることで、配慮を示すことができます。
「いつわかりますか」「いつ頃わかりますか」の丁寧な言い換え

「いつ頃、お分かりになりますでしょうか?」 「お分かりになる」という尊敬語を使い、控えめに尋ねる表現です。
「〇〇様の進捗状況は、いかがでしょうか?」 「いつ分かるか」という結果だけでなく、現在の状況を尋ねることで、相手の負担を減らします。
「恐れ入りますが、いつ頃、ご回答いただけますでしょうか?」 「分かる」を「回答」という具体的な言葉に置き換えることで、よりビジネスライクで丁寧な表現になります。
「なにかわかりますか」の丁寧な言い換え
「何か、ご不明な点はございませんか?」 最も一般的で丁寧な表現です。「分かること」ではなく、「分からないこと」を尋ねることで、相手に配慮します。
「この件について、何かご質問はございますか?」 具体的な行動である「質問」という言葉を使うことで、相手に質問を促しやすくなります。
「私の説明で、何か分かりにくい点はございませんでしたでしょうか?」 「もし分からないことがあるとすれば、私の説明が不十分なせいかもしれません」という謙虚な姿勢を示すことができます。
【シーン別】「わかりますか」のビジネスで使える例文
上司・取引先・社内など、相手やシーンごとに「わかりますか」を丁寧に言い換えを50例まとめました。ご理解・ご不明点・ご説明などの敬語表現を中心に、相手に配慮した言い回しや柔らかい確認フレーズも多数紹介しています。
上司や目上の人へ

説明が伝わったかを確認する時
ポイント:尊敬の念を込めた「ご」や「お」を使い、相手の理解を尋ねる姿勢を示しましょう。「ご理解いただけましたでしょうか」「お分かりになりましたでしょうか」など、丁寧な敬語を使うことで、相手への配慮を示す。
・ご納得いただけましたでしょうか。
・ここまでの内容で、ご質問はございますか。
・お話しした内容で、問題ございませんでしょうか。
・この点について、ご理解いただけますと幸いです。
・これまでの内容で、認識のずれはございませんか。
・大変恐縮ですが、ご理解いただけましたでしょうか。
・私の説明で分かりにくい点はございませんでしたか。
・本日のご報告で、ご質問はございませんでしょうか。
・恐れ入りますが、お分かりいただけましたでしょうか。
・お話した件について、お分かりいただけると幸いです。
・弊社のサービスについて、ご不明な点はございませんか。
・今後の進め方について、ご理解いただけましたでしょうか。
・この度の変更点について、お分かりいただけましたでしょうか。
・ご説明は以上となりますが、ご理解いただけましたでしょうか。
・この度の件につきまして、ご不明な点はございませんでしょうか。
相手の意見や意図を確認する時
ポイント: 相手の意向を尊重する気持ちを伝え、同意を促す謙虚な表現を選びましょう。謙虚な姿勢を示し、「〜でよろしいでしょうか」など丁寧な表現で確認する。
・〜の件、改めてご確認いただけますでしょうか。
・おっしゃることは〜という認識でよろしいでしょうか。
・この点について、ご意見を伺ってもよろしいでしょうか。
・〜でよろしいか、念のためご確認いただけますでしょうか。
・念のため確認させていただきますが、〜でよろしいでしょうか。
取引先へ

提案内容や金額を確認する時
ポイント: 「ご納得」「ご承認」など、相手の同意や決裁を仰ぐ表現を使う。
・提案内容にご不明な点はございませんか。
・この認識で相違ございませんでしょうか。
・こちらの金額でご承認いただけますでしょうか。
・このお見積もりでご承認いただけますでしょうか。
・ご提案内容について、ご納得いただけましたでしょうか。
・契約書の内容について、ご確認いただけますでしょうか。
・この件について、ご意見を伺ってもよろしいでしょうか。
説明や提案が伝わったかを確認する時
ポイント: 丁寧な言葉遣いを徹底し、相手に気持ちよく話してもらえるよう配慮する。
・本日のご説明内容で、ご不明な点はございませんか。
・お分かりにくい点がございましたら、ご質問ください。
・ご質問等ございましたら、遠慮なくお申し付けください。
・私の説明で分かりにくい点はございませんでしたでしょうか。
・当社のサービスについて、ご理解いただけましたでしょうか。
・この内容で、ご要望にお応えできているかご確認いただけますでしょうか。
社内(同僚・後輩・部下)へ

ポイント: 敬意を払いつつ、円滑なコミュニケーションを促すため、少し柔らかい表現も交える。
説明や指示が伝わったかを確認する時
・この進め方で大丈夫かな。
・今話した内容、大丈夫そうかな。
・この件について、疑問点はありますか。
・今の説明で、分からないところはないかな。
・不明な点があれば、いつでも聞いてくださいね。
・もし分からないことがあれば、遠慮なく聞いてね。
・何か不明な点はないか、確認してもらってもいいかな。
「わかりますか」に感謝やクッション言葉を添える例文
「わかりますか」と単刀直入に尋ねるだけでは、時に事務的で冷たい印象を与えてしまうことがあります。特にビジネスシーンでは、相手への配慮が必要です。
感謝の言葉や、質問の前にクッション言葉を添えることではぐっと柔らかく、丁寧な印象に変わります。ここでは、上司や顧客、社外メールでも使える、「わかりますか」をより丁寧に伝えるプラス一言の例文をご紹介します。
感謝の気持ちを伝える丁寧な表現
ポイント:相手が時間を割いて話を聞いてくれたり、資料を見てくれたりしたことに感謝の気持ちを添えることで、より温かいコミュニケーションが生まれます。

相手の時間や労力に感謝を添えることで、確認表現がやわらかくなります♡

・早速のご返信ありがとうございます。ご質問の件、ご理解いただけましたでしょうか。
・ご清聴いただきありがとうございます。この件について、ご理解いただけましたでしょうか。
・お時間をいただきありがとうございます。ご説明した内容で、ご不明な点はございませんか。
・この度は貴重なご意見をありがとうございます。当社の意図は、お分かりいただけましたでしょうか。
相手への配慮を示す一言
ポイント:相手が質問しやすい雰囲気を作る一言を添えることで、より円滑なコミュニケーションを促します。

理解を強要せず、質問を歓迎する姿勢を見せると、安心感が生まれますよ♡

・何かご意見を伺ってもよろしいでしょうか。
・もしご不明点があれば、遠慮なくお知らせください。
・私の方で何か補足すべき点はございませんでしょうか。
・何かご不明な点があれば、いつでもお声がけください。
・理解しづらい点がありましたら、どうぞお気軽にお尋ねください。
・もしお分かりにならない点があれば、私から改めてご説明させていただきます。
謙虚な姿勢を示すクッション言葉
ポイント:質問の前に「恐れ入りますが」「念のため」といったクッション言葉を入れることで、「私の説明が分かりづらいかもしれません」という謙虚な姿勢が伝わり、相手への配慮を示すことができます。

「念のため」「恐れ入りますが」と前置きの丁寧な表現を使いましょう♡

・大変恐縮ですが、ここまではよろしいでしょうか。
・恐れ入りますが、ご説明した内容についてご理解いただけますでしょうか。
・大変恐縮ですが、ご理解いただけたか、お聞かせいただけますでしょうか。
・重ねてのご確認で恐縮ですが、こちらの認識で相違ございませんでしょうか。
・お忙しいところ恐縮ですが、この内容でご不明な点はございませんでしょうか。
まとめ
「わかりますか」は、相手の理解度を尋ねる際に何気なく使ってしまいがちです。しかし、使い方や場面によっては、相手に上から目線な印象を与えてしまったり、「理解度を試されている」という印象を与えてしまうリスクを伴います。特に、社内外のビジネスシーンや、目上の方とのやり取りでは、より丁寧な言葉遣いが求められます。例文や使い方を参考にしてください。