「ちょっと」「少し」「少々」は、いずれも「わずかであること」を伝える言葉ですが、ビジネスシーンでは、状況や相手に合わせて使い分けることが大切です。
この記事では、「ちょっと」「少し」「少々」の意味やビジネスシーンでの使い方、言い換え表現について、詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
「ちょっと」「少し」「少々」の意味
「ちょっと」「少し」「少々」の使い方を理解するためには、「ちょっと」「少し」「少々」意味をマスターしましょう。
意味 | 使う時 | |
「ちょっと」 | わずか、少しであること | ・口語的な表現で、カジュアルな場面で使います。 |
「少し」 | わずか、 少々、ちょっと | ・やや丁寧な表現で、ビジネスシーンで使います。 |
「少々」 | わずか、少しばかり、 少々 | ・丁寧な表現で、目上の人や取引先に対して使います。 |
※ほぼ同義語と言えます。いずれも「わずか」という意味を表します。
次は、ビジネスシーンでよく聞く言葉をピックアップしてみました。
「ちょっと」使い方 その1
下記の例文の「ちょっと」の使い方は適切でしょうか?
状況はーーー
上司から就業中に「今、時間あいていますか?」と言われました。
その時、あなたは上司に対して「ちょっと待ってください」と言いました。
答えはハートをクリックしてください♡♡♡
解答:「申し訳ありませんが、少々お待ちください」
ほかには「少々お待ちいただけますか?今、〇〇の作業をしておりまして、あと〇分ほどで終了します」
※「少々」は「ほんの少し」という意味で、相手に待たせる時間が短いことを伝えることができます。自分の状況を説明して、待たせる理由を伝えましょう。
「少し」使い方 その2
下記の例文の「少し」の使い方は適切でしょうか?
状況はーーー
先輩から「この資料を修正して、明日までに提出してください」と言われました。その時、あなたは先輩に対して「かしこまりました。少しでも早く仕上げます」と言いました。
答えはハートをクリックしてください♡♡♡
解答:適切です。
※「少し」を使うと具体的な量や程度は個人によって異なります。「少しでも早く」とすることで、先輩の指示を早く完了するために、少しでも早く仕事を進めようとする意欲が感じられます。
「少々」使い方 その3
下記の例文の「少々」の使い方は適切でしょうか?
状況はーーー
先輩から「見積書の作成はどれくらいかかりそうですか?」と言われました。
その時、あなたは先輩に対して「少々、時間がかかります。」と言いました。
答えはハートをクリックしてください♡♡♡
解答:適切ですが、具体的に時間などの数字を言い換えたほうが、相手に伝わりやすくなります。
「この作業は、10分程度かかりますが、できるだけ早く終わらせます。」
※「ちょっと」「少し」「少々」は、どれも「ほんのわずか」という意味ですが、その程度は個人差があります。ビジネスシーンでは、相手との認識のズレを防ぐために、具体的な時間や数量を明記する方がよいです。注意点ですね。
「ちょっと」「少し」「少々」の注意点
「ちょっと」「少し」「少々」の注意点とは。
例えば、
・「ちょっと待っていただけますか」→「1分ほどお待ちください」
・「少しお時間をいただきます」→「20分ほどお時間をいただきます」
・「少々お待ちください」→「10分ほどお時間をいただきます」
のように、具体的な時間を明記することで、相手に安心感を与えることができますし、相手との認識のズレを防いでくれます。相手との関係性や状況に合わせて、適切な表現を選ぶことも大切です。
「ちょっと」「少し」「少々」を上司やビジネスシーンで使う時にどう使っていいのか悩みます。
そうですね。「ちょっと」「少し」「少々」使い方や言い換えを一緒にみていきましょう。
「ちょっと」「少し」「少々」の例文
「ちょっと」「少し」「少々」の例文をみていきましょう。
「ちょっと」を使った例文
「ちょっと」は、日常生活ではよく使われますが、ビジネスシーンではややカジュアルな印象を与えるため、注意が必要です。
・ちょっと待ってください。
・ちょっとだけ手伝ってくれないかな?
・ちょっとしたミスでした。
・ちょっとお願いしたいことがあります。
※相手への働きかけや依頼を柔らかく表現するためにも「ちょっと」が使われています。
【社内での会話】
ちょっとだけ手伝ってくれないかな?
かしこまりました。お手伝いいたします。
「少し」を使った例文
「少し」は、ビジネスシーンでも一般的に使える表現です。
・少しだけお手伝いします。
・もう少しだけ、お話を聞かせてください。
・少しお待ちください。
・少し遅れるかもしれない。
「少々」を使った例文
「少々」は、量や程度がわずかであることを表す語ですが、「少し」よりも丁寧な言い方です。
・少々難しいですね。もう一度教えていただけますか。
・少々、お時間をいただいてもよろしいでしょうか?
・在庫を確認してまいりますので、少々お待ちくださいませ。
・混み合っておりますので、少々お待ちくださいませ
【取引先での会話】
この件について、少しご相談させていただきたいのですが、少々、お時間をいただいてもよろしいでしょうか?
かしこまりました。今なら大丈夫です。
「ちょっと」「少し」「少々」の言い換え
「ちょっと」「少し」「少々」の言い換えとは、相手との関係性や状況に合わせて、適切な表現を使うことです。
親しい人 同僚 | 先輩 | 目上の人 取引先の人 |
「ちょっとしたお返し」 | 「ささやかなお返し」 | 「心ばかりのお返し」 |
「ちょっと待ってください」 | 「少しお待ちください」 | 「少々お待ちください」 |
「ちょっとお時間いただきます」 | 「少しお時間をいただけますか」 | 「少々お時間をいただけますか」 「お時間をいただきたく存じます」 |
ビジネスシーンで使える「ちょっと」「少し」「少々」言い換えをもう少しみていきましょう。
若干(じゃっかん)意味・例文
意味:少しばかり、数量や程度があまり多くはないことを意味する語です。
・若干の修正が必要です。
・若干の量しかありません。
微々たる(びびたる)意味・例文
意味:非常に小さいことや、ごくわずかであることを意味する語です。
・微々たる違いです。
・微々たることで申し訳ございませんが、ご確認をお願いいたします。
寸分(すんぶん)意味・例文
意味:わずか、微細なことや、違いがないことを表す語です。
・寸分の誤差もありませんでした。
・寸分の狂いも許されない仕事です。
ささやか 意味・例文
意味:量や程度が小さいことや、価値や重要性が低いことを表す語です。
・ささやかですが、お手伝いをさせていただきます。
・ささやかですが、お礼の気持ちを込めて、お花を贈ります。
相手の気持ちを気遣う時に使っていますね♡
些細(ささい)意味・例文
意味:取るに足らないさまや、ちっぽけなさま、とりたてて問題にならないさまを表す語です。
・彼女は、些細なミスにも気づき、すぐに訂正します。
・些細なことで恐縮ですが、ご確認をお願いいたします。
幾分(いくぶん)意味・例文
意味:「いくらか」「ある程度」「すこし」という意味の言葉です。
・この問題は、私にとっては幾分難しい。
・彼は私よりも幾分背が高い。
心ばかり 意味・例文
意味:量や程度の少なさを表す意味と、気持ちを表すという意味の言葉です。
・心ばかりですが、お礼の品です。
・心ばかりのプレゼントですが、喜んでもらえたらうれしいです。
心持ち 意味・例文
意味:心の持ち方や気持ちの状態を表すのと、ちょっとした意味の言葉です。
・笑顔は元気を与え、心持ち明るくしてくれる。
・この店での待ち時間は心持ち長かったが、楽しい時間を過ごせました。
気持ちばかり 意味・例文
意味:気持ちを表す意味と、量や程度の少なさを表す言葉です。
・気持ちばかりのプレゼントですが、喜んでもらえたら嬉しいです。
・気持ちばかりですが、お手伝いをさせていただきます。
まとめ
ビジネスシーンで「ちょっと」「少し」「少々」を使う場合は、相手に敬意を払い、丁寧な表現を使うことが大切です。また、状況や相手との関係性に合わせて、適切な表現を選ぶようにしましょう。