新年を迎え、日頃お世話になっている方々へ送る新年のご挨拶。近年は年賀状に加えて、メールやSNSなどでの挨拶も一般的になり短くスマートな表現が好まれる傾向にあります。「短い言葉で気持ちを伝えたい」とお考えの方も多いでしょう。この記事では、ビジネスシーンはもちろん、目上の人や上司などへの新年の挨拶文例をご紹介します。心を込めたメッセージで素晴らしい一年をスタートさせましょう。
新年の挨拶の意味と気をつけたいこと
新年の挨拶は、感謝を伝え、良好な関係を続ける大切な習慣です。近年はメールやSNSで簡潔に済ませることも増えましたが、短い言葉でも新年のお祝いの気持ちは伝えられます。この記事では、新年の挨拶文例をご紹介します。
1)送る時期
・新年の挨拶メール:仕事始めの日から松の内(一般的には1月7日まで。地域によっては1月15日まで)の間に送ります。相手の仕事始めがいつか分からない場合は、仕事始めの数日以内に送るのが適切です。
・年賀状:松の内(一般的には1月7日まで。地域によっては1月15日まで)までに届くように送ります。
どちらの場合も、松の内を過ぎてしまった場合は、「寒中見舞い」として送るようにしましょう。寒中見舞いは、立春(2月4日ごろ)までに出すのが一般的です。
年賀状を送らず、メールのみで新年の挨拶を済ませるというケースも増えてきています。相手との関係性を考慮し、失礼のないように判断しましょう♡
2)個別に送信をする(メールの場合)
・新年の挨拶メールは、一斉送信ではなく個別に送信するのがマナーです。個別にメッセージを送ることで、相手に感謝の気持ちがより伝わりやすくなります。
3)件名
・メールや年賀状の件名は、内容がひと目でわかるように簡潔に記述しましょう。メールの場合は「新年のご挨拶」「謹んで新年のご挨拶を申し上げます」などがおすすめです。年賀状ならば、「謹賀新年」「恭賀新年」などにあたります。
4)忌み言葉(いみことば)を使わない
忌み言葉(いみことば)とは、お祝い事などで縁起が悪いとして避けるべき言葉のことです。
「去年」: 「去る」を連想させるため、代わりに「昨年」や「旧年」を使いましょう。
例:「去年は大変お世話になりました」ではなく、「昨年は大変お世話になりました」と表現します。
不幸や衰退を連想させる言葉:「終わる」「切れる」「衰える」「失う」「倒れる」「枯れる」「病む」などお祝いの場にふさわしくないとされています。
重ね言葉:「重ね重ね」「再び」「また」「度々」「くれぐれも」など。不幸が繰り返されることを連想させるため、避ける傾向があります。ただし、「ますます」「いよいよ」など、良い意味を強調する重ね言葉は問題ありません。
5)目上の人には4文字の賀詞を使う
謹賀新年(きんがしんねん)、恭賀新年(きょうがしんねん)、謹賀新春(きんがしんしゅん)など。
「謹んで新年をお祝い申し上げます」「うやうやしく新年をお祝い申し上げます」という意味で、より丁寧な表現です。→目上の人に使います。
メールと年賀状では形式に違いがありますが、どちらも文例の内容は似ています。
新年の挨拶の基本構成と例文
基本的な構成要素は(頭語、賀詞、旧年のお礼、新年の挨拶、結びの言葉)になります。ただし相手によっては省かれる要素もあります。
要素 | 意味 | 例文 | 備考 |
頭語 | 相手への敬意を示す言葉 | 謹んで新年のお慶びを申し上げますなど | フォーマルな時に 使用 |
賀詞(がし) | 新年を祝う言葉 | 謹賀新年や あけましておめでとうございますなど | 相手によって 使い分ける |
旧年の お礼 | 昨年お世話になったことへの感謝を伝える言葉 | 昨年は大変お世話になりましたなど | 全ての相手に 使用可能 |
新年の 挨拶 | 新年の挨拶を述べる言葉 | 本年もよろしくお願いいたしますなど | 全ての相手に 使用可能 |
結びの 言葉 | 文章を締めくくる言葉 | 皆様のご健康をお祈り申し上げますなど | 相手によって 使い分ける |
新年の挨拶で伝えたい内容は、以下になります♡
・今年の抱負:本年も精一杯努力し、一層の研鑽を積んで参ります。
・感謝の言葉:昨年は大変お世話になりました。昨年は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
・相手への祈り:皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。ご健勝のこととお慶び申し上げます。
・今後の関係への期待:本年もどうぞよろしくお願いいたします。引き続きご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。
新年の挨拶例文:取引先
取引先への新年の挨拶は、感謝の気持ちとともに、今後のビジネスにおける協力関係の継続を願う大切な機会です。ここでは、メールや年賀状で使える、短くても丁寧な印象を与える新年の挨拶例文をご紹介します。
メールの件名は「新年のご挨拶」にしましょう。
年賀状では句読点を避けるのがマナーですが、ビジネスメールなどの文書では句読点を使うのが一般的です。年賀状などで句読点を使わないことで読みにくくなる場合は、改行などを使い読みやすく工夫しましょう♡
【メール】
1)謹んで新春のお慶びを申し上げます。
旧年中は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
本年も倍旧のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
2)謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年中は多大なるご尽力を賜り、心より感謝申し上げます。
本年も貴社のご発展に貢献できるよう、精一杯努めてまいります。
3)謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年中は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございました。
本年も引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。
皆様のご健康とご多幸、そして貴社のさらなるご発展をお祈り申し上げます。
4)謹んで新春のお慶びを申し上げます。
昨年中は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございました。
本年も引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。
皆様のご健康とご多幸、そして貴社のさらなるご発展をお祈り申し上げます。
【年賀状】
謹賀新年
旧年中は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます
本年も倍旧のご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます
謹賀新年
昨年中はひとかたならぬご愛顧にあずかり誠にありがとうございました
本年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます
新年の挨拶例文:上司や目上の人
上司に対して、日頃の感謝を述べつつ今後の抱負を伝えることは、新年の挨拶として効果的です。ここでは、メールや年賀状で使える、短くても丁寧な印象の新年の挨拶例文をご紹介します。
メールの件名は「新年のご挨拶」にしましょう。
【メール】
1)恭しく新春のお慶びを申し上げます。
昨年は多大なるご尽力を賜り、誠にありがとうございました。
本年も変わらぬご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
2)謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年は貴重なご指導を賜り、誠にありがとうございました。
本年は昨年得た学びを活かし、一層精進して参ります所存です。
引き続きご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
3)謹んで新年のお祝いを申し上げます。
昨年は大変お世話になりました。
本年もご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
4)謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年は貴重な経験を積むことができました。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
5)あけましておめでとうございます。
昨年は大変お世話になり、深く感謝申し上げます。
本年も一層の努力を重ねてまいりますので、
引き続きご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
【年賀状】
謹賀新年
旧年中は大変お世話になり 心より御礼申し上げます
本年も変わらぬご指導ご鞭撻のほど 何卒よろしくお願い申し上げます
貴方様のますますのご健康とご多幸をお祈り申し上げます
あけましておめでとうございます
旧年中は公私ともにご指導いただき誠にありがとうございました
本年もより一層努力してまいりますので引き続きご指導賜りますようお願い申し上げます
ただし、あまりに短いとそっけない印象になることも。相手との関係性や状況に合わせて使い分けることが大切です。
まとめ
短い新年の挨拶でも、心のこもった言葉を選ぶことで、相手に良い印象を与えることができます。本記事で紹介した例文を参考に、ぜひ自分らしい新年のご挨拶を作成してみてください。