「いらっしゃいますか」「〇〇さんはおられますか」どちらも「相手がそこにいるかどうか」を尋ねる表現ですが、ビジネスシーンで正しく使うには使い分けが必要です。
ビジネスシーンではどちらを使ったらいいのでしょうか?
このブログでは「いらっしゃいますか」「おられますか」使い分けについて具体的な例文と合わせて解説します。
先日、お客様からの電話連絡で「部長おられますか?」と言われて、その使い方は正しいのかな?と思いました。
「部長いらっしゃいますか?」が適切ですね。違いをみていきましょう。
※ビジネスシーンでは「いらっしゃいますか」を使うように心がけましょう。
「いらっしゃいますか」の意味
「いらっしゃる」は、動詞「居る」「在る」「来る」「行く」の尊敬語です。
「居る」「在る」は、自分が現在ある場所にいることを表します。
「来る」「行く」は、ある場所から別の場所に移動する表現です。
「いらっしゃる」は、尊敬語であるため、相手に対して使います。
「ますか」は「ます」は丁寧語、「か」疑問の助詞
「いらっしゃいますか」ビジネスシーンでよく使う表現ですね♡
「おられますか」の意味
「おられますか」は、動詞「いる」の謙譲語「おる」に、尊敬語の助動詞「れる」をつけた表現です。
「いる」は、自分が現在ある場所にいることを表す動詞です。そこから、相手が現在その場所にいるかどうかを尋ねる表現として使われるようになりました。
「おる」は、「いる」の謙譲語です。自分がへりくだる表現です。
「れる」は、尊敬語の助動詞です。対象を敬う表現です。
「おられる」は、謙譲語である「おる」に、尊敬語の助動詞「れる」をつけた表現です。つまり、自分のへりくだる気持ちを表す謙譲語に、さらに対象を敬う気持ちを表す尊敬語をつけたことになります。
理由は、謙譲語と尊敬語は、どちらも対象を敬う気持ちを表し、重複しているからです。
聞き慣れない言葉もあるかもしれませんが、わかりやすくまとめてみました♡
「いらっしゃいます」「おられます」使い方と例文
「いらっしゃいます」「おられます」例文をみていきましょう。
「いらっしゃいます」
・佐藤様は、いらっしゃいますか?
・今執務室に、いらっしゃいますか?
・参加される皆様、いらっしゃいますか?
使い方)相手に対して「いる」という動作や存在を尊敬して表現する時に使います。
「おられます」
・私もおりますが、ご連絡いただけますでしょうか?
・お世話になっております。
・私もおりますので、お手伝いが必要な場合はお知らせください。
使い方)相手に対して自分がへりくだる気持ちを表現する時に使います。
※「いらっしゃいます」は相手に対して使う表現です。「おられます」は自分に対して使う表現という違いがあります。
「おられますか」を使わない方がいい理由
「おられますか」をビジネスシーンで使わない方がいい理由は、2つあります。ビジネスシーンでは「いらっしゃいますか」を使いましょう。
1つめは、
「おられる」は、謙譲語である「おる」に、尊敬語の助動詞「れる」をつけた表現です。つまり、自分のへりくだる気持ちを表す謙譲語に、さらに対象を敬う気持ちを表す尊敬語をつけたことになります。
このような表現は、文法的に成立しないためです。
2つめは、
自分を下げて相手を上げることは、相手に好印象になるため、一般的には良いことです。しかし、場合によっては、逆効果になることもあります。
理由ですが、
・自分の動作をへりくだる表現が、相手に対して使われるため、相手は「自分には敬意がないのではないか」と不快に感じる可能性がある。
・相手より下位の存在であることを示す表現を使うことで、相手に「見下されている」と不快感を与える可能性がある。
ビジネスシーンでは「いらっしゃいますか」を使います。
そうですね。
地域によっては「おられますか」が一般的に使われる場合もあります。相手が「おられますか」を使うことに抵抗がない場合は、使っても良いと考えています。
地域や相手によって、適切な表現は異なります。相手を敬う気持ちを表しつつ、相手が不快に感じない表現を心がけることが大切です。
相手を敬い、相手に合わせた表現を使いましょう。♡
まとめ
「おられますか」は、動詞「いる」の謙譲語「おる」に、尊敬語の助動詞「れる」をつけた表現です。しかし、文法的には成立しないと考えられています。なぜなら、謙譲語と尊敬語は、どちらも対象を敬う気持ちを表すため、重複してしまうからです。
ビジネスシーンでは、「いらっしゃいますか」を使うのが一般的です。
相手に合わせて使ってみましょう。