ビジネスシーンでよく使われるフレーズ「ご無理を申し上げて申し訳ございません」。この言葉は、相手に無理なお願いをする際に使う表現です。しかし、この言葉は正しい使い方なのか、丁寧な言い換えはないのか、疑問に思う人も多いのではないでしょうか。そこで、この記事では、「ご無理を申し上げて申し訳ございません」の正しい使い方や丁寧な言い換え、具体的な例文と合わせて解説します。
「ご無理を申し上げて申し訳ございません」は、正しい言葉遣いなのですか?
正しい言葉遣いです。例えば「至急対応していただきたいのですが、ご無理を申し上げて申し訳ございません」というように使ったりします♡
「ご無理を申し上げて申し訳ございません」は、「申し上げて」と「申し訳ございません」の言葉が続きますが、丁寧で正しい言葉遣いです。
「ご無理を申し上げて申し訳ございません」意味と敬語
「ご無理を申し上げて申し訳ございません」は、相手に無理なお願いをすることに対して、以下のような気持ちを丁寧に伝える言葉です。
【意味合い】
・お願いすることに対して、申し訳ない気持ちがある。
・自分のお願いが相手にとって負担や困難となることを理解している。
【敬語】
「ご無理を申し上げる」は、「無理なお願いをする」という意味です。「申し訳ございません」は、「すみません」の丁寧な言い方です。つまり「無理なお願いをして申し訳ありません」という意味になります。
「ご」は「無理」を丁寧にした表現。
「申し上げる」は「言う」の謙譲語。
「申し訳ございません」は敬語表現です。
「ご無理を申し上げて申し訳ございません」には「申し上げて」と「申し訳ございません」と連続しますが、正しい敬語表現です。
【取引先の人との会話】
ご無理を申し上げて申し訳ございませんが、明日の打ち合わせの時間を変更していただけませんでしょうか。
かしこまりました。私は16時でしたら可能です。
「ご無理を申し上げて申し訳ございませんが」適切に使えていますね♡
「ご無理を申し上げて申し訳ございません」は、「すみません」や「申し訳ありません」といった一般的な謝罪の言葉と比較して、より丁寧で、相手への配慮が感じられる表現です。
親しい人に使う:無理を言ってすみません
普通:ご無理を言って申し訳ありません
「申し訳ございません」の方が「申し訳ありません」よりも丁寧な表現になります♡
「ご無理を申し上げて申し訳ございません」の使い方
「ご無理を申し上げて申し訳ございません」は、ビジネスシーンで相手に無理なお願いをする際に、先に謝罪の気持ちを述べることで、相手に負担や迷惑をかけることを配慮する表現です。
以下のシーンでよく使われます。
・急な変更や修正の依頼時
・急ぎや追加の業務を依頼する時
・相手にとって負担が大きいお願いをする時 などです。
例文とあわせてみてきましょう♡
「ご無理を申し上げて申し訳ございません」の例文
【急な変更や修正の依頼時】
・ご多忙のところ恐れ入ります。明日中に、契約書の変更箇所をご教示くださいませ。
・ご無理を申し上げて恐縮ですが、資料の一部を急遽変更していただけないでしょうか。
・ご無理を申し上げて申し訳ございません。急遽変更させていただきたいのですが、ご協力いただけないでしょうか。
【急ぎや追加の業務を依頼する時】
・ご無理を申し上げて申し訳ございません。今週中までに契約書をお送りくださいませ。
・ご無理を申し上げて申し訳ございませんが、この件を優先に進めさせていただきたいのです。
・急ぎのご依頼で恐れ入ります。明日中に、〇〇の見積書を作成していただけないでしょうか。
「急ぎのご依頼で恐れ入ります」とは、簡潔で明確な表現でわかりやすいですね。
【相手にとって負担が大きいお願いをする時】ーー以下はメール文の例です。ーー
いつもお世話になっております。〇〇株式会社の〇〇です。
この度は□□様にご協力いただきたいことがございまして、連絡いたしました。
[具体的なお願い内容1]
[具体的なお願い内容2]
お忙しいところ大変恐縮ではございます。ご無理を申し上げて申し訳ございません。
何卒ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。
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「ご無理を申し上げて申し訳ございません」は丁寧な表現ですが、相手との関係性や状況に合わせて、より適切な表現を選ぶことも大切です。
「ご無理を申し上げて申し訳ございません」使う時の注意点
「ご無理を申し上げて申し訳ございません」は、相手に無理な依頼をする時に使います。特に目上の人や、取引先などに対してお願いをする際には、この表現を使うことで、より丁寧な印象になります。使う時の注意点についてみていきましょう。
「ご無理を申し上げて申し訳ございません」使う時の注意点♡
1)丁寧な言葉遣いをあわせて使う
→丁寧な言葉遣いを用いることで、相手への配慮を示すことができます。
状況に応じて、「恐れ入りますが」「大変恐縮ですが」「何卒よろしくお願い申し上げます」などの丁寧な表現を組み合わせることで、より丁寧な印象になります。
2)お願いすることを明確にする
→依頼を受けるべきなのか相手が判断しやすくなります。
「〇〇の件について、ご検討いただけますでしょうか」「来週の会議に、ご出席いただけますでしょうか」のように、具体的なお願いごとを明確にすることが大切です。
3)相手への感謝の気持ちを伝える
→「お力添えをいただければ幸いです」などの好感のフレーズを使う。
相手が無理をしてでも自分の要求を叶えてくれた場合には、「ご協力ありがとうございます」「大変助かります」などの感謝の言葉を伝えるようにしましょう。
【社内での会話】
ご無理を申し上げて申し訳ございません、私の経験やスキルが不足しており、一人ではうまく進めることができそうにありません。お力添えをいただければ幸いです。
了解です。一緒に頑張りましょう。
適切に「ご無理を申し上げて申し訳ございません」を使うことで、相手に好印象になります。
「ご無理を申し上げて申し訳ございません」丁寧な言い換え9選
「ご無理を申し上げて申し訳ございません」は、相手に無理なお願いをする時に使う表現のため、依頼する重さで分けてみました。
相手に負担をかけることを前提とした依頼の時
相手に迷惑をかけることを承知の上でお願いすることになります。そのため、以下のような表現が適しています。
「お願いばかりして申し訳ありませんが」
例文:お願いばかりして申し訳ありませんが、明日の資料を作成していただけないでしょうか。
「ご迷惑をおかけして申し訳ございません、心苦しいのですが、お願いがあります」
例文:ご迷惑をおかけして申し訳ございません、心苦しいのですが、この資料を明日までにご確認いただけないでしょうか。
相手に無理を強いる依頼の時
相手に負担をかけることを覚悟の上でお願いすることになります。そのため、以下のような表現が適しています。
「無理を承知でお願いなのですが」
例文:無理を承知でお願いなのですが、製品の企画に、ぜひお力添えをいただければ幸いです。
「大変恐縮ですが、お願いできますか 」
例文:来週のミーティングで、この説明をお願いしたいのですが。大変恐縮ですが、お願いできますか。
「恐れ入りますが、無理をお願いしてもよろしいでしょうか」
例文:明日までに仕上げていただきたいので、恐れ入りますが、無理をお願いしてもよろしいでしょうか
「大変恐縮ですが、お願いできれば幸いです」
例文:大変恐縮ですが、この案件を担当していただけないでしょうか。お願いできれば幸いです。
「恐れ入りますが、お願いできれば幸いです」
例文:恐れ入りますが、この企画に参加していただけないでしょうか。お願いできれば幸いです。
相手に協力をお願いする依頼する時
相手に負担をかける可能性があることを伝えながらお願いすることになります。そのため、以下のような表現が適しています。
「お手数をおかけして申し訳ありませんが、ご協力いただけないでしょうか」
例文:お手数をおかけして申し訳ありませんが、この調査にご協力いただけないでしょうか。
「ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます」
例文:この企画にご協力いただきたく。ぜひご検討のほどよろしくお願い申し上げます。
「ご無理を申し上げて申し訳ございません」と合わせて使えるフレーズ4選
相手に無理を強いるような印象を与えないように配慮したり、やわらかい印象にする役割のフレーズをあわせて使いましょう。
「恐れ入りますが」
例文:恐れ入りますが、ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。
「誠に恐縮ですが」
例文:誠に恐縮ですが、ご理解いただけますと幸いです。
「ご迷惑をおかけしますが」
例文:ご迷惑をおかけしますが、ご確認のほど、よろしくお願い申し上げます。
「申し訳ございませんが」
例文:申し訳ございませんが、ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。
まとめ
「ご無理を申し上げて申し訳ございません」は、例えば、急な依頼や、多大な労力を要するお願いをする際など、相手にとって負担となる可能性がある場面で特に効果を発揮します。「すみません」や「申し訳ありません」といった一般的な謝罪の言葉と比較して、より丁寧で、相手への配慮が感じられる表現です。特に、目上の人や、取引先などに対してお願いをする際には、この表現を使うことで、より丁寧な印象になります。ぜひ使ってみてください。