「いいですよ」は、日常会話でよく使われる言葉ですが、ビジネスシーンでは注意が必要です。同意、断り、あるいは相手の提案への反応など、様々なニュアンスが含まれるため、安易な使い方をしてしまうと、誤解が生じたり、相手に失礼な印象を与えてしまう可能性があります。この記事では、「いいですよ」の意味や使い方、例文、言い換え表現などを詳しく解説します。
ビジネスシーンで「いいですよ」と言うと、失礼になりますか?
「いいですよ」を使う時は、少し慎重になりましょう。相手によっては、失礼に感じることもあります。
「いいですよ」は、相手への同意や承諾、断り、返信の回答、遠慮の気持ちなど、様々な意味合いを持つ便利な言葉です。そのため、状況によって解釈が異なることもあるので注意して使いましょう。
「いいですよ」の2つの意味と使い方
「いいですよ」の意味は大きく分けると2つに分けることができます。
1) 肯定・承諾
相手からの提案や依頼に対して、賛成や承諾を表す場合です。
2) 辞退・断り
相手からの申し出に対して、遠慮や辞退を伝える場合です。
2つのパターン以外にも、「いいですよ」は様々なニュアンスを持つことがあります。例えば、
・感謝の気持ちを表す:「ありがとうございます。いいですよ」
・自分の意見を控えめに伝える:「そうですね。でも、いいですよ」
・相手を気遣う気持ちを表す:「無理しないでくださいね。いいですよ」
このように、「いいですよ」は単なる承諾の言葉ではなく、様々な気持ちを伝えるために使用することができます。
上記の1)2)の例について。下の会話でみてみましょう。
【1)肯定・承諾の例】社内での会話
先輩、今日お昼一緒に行きませんか?
いいですね。一緒に行きましょう!
上の会話では、後輩からのお昼の誘いに対して、先輩は「いいですね」と承諾をしています。
【2)辞退・断りの例】取引先との会話
今回の案件で大変お世話になったので、お礼の品を送らせていただきたいです。
いいですよ。せっかくですが、お気持ちだけ頂戴しておきます。
※上の会話では、取引先の人からの厚意に対して、「いいですよ」と辞退・断りを伝えています。特に、断りの意味で使われる場合は、誤解を招かないように注意が必要です。
「いいですよ」が失礼になる理由
「いいですよ」は、一見丁寧な表現に見えますが、ビジネスシーンでは失礼と捉えられる場合があります。理由はいくつかあります。
「いいですよ」が失礼になってしまう理由をみていきましょう♡
「いいですよ」は、許可を与えるニュアンス
「いいですよ」は、「私が許可します」というニュアンスを含むため、相手より目上の立場にいるような印象になります。特に、上司や取引先など、相手への敬意が求められる場面では不適切です。
許可を与える場合は、「かしこまりました」「承知いたしました」など、丁寧な敬語表現を使うようにしましょう。
例文:
・上司から仕事を頼まれた場合:「かしこまりました。すぐに取り掛かります」
・取引先から提案を受けた場合:「承知いたしました。検討させていただきます」
【例文・社内での会話】
明日のミーティングに参加してくれませんか。
かしこまりました。参加させていただきます。何か準備しておくことはありますか?
「いいですよ」を使わずに適切な表現で言い換えできていますね♡
「いいですよ」は、曖昧な表現です
「いいですよ」は、具体的な内容や意思を明確に伝えきれていない場合があります。相手にとって「本当に大丈夫なのか?」「どのような意味なのか?」と疑問を持たれ、誤解を生む可能性があります。
解決策としては、
・具体的にどのような点に同意しているのかを明確にする。
・具体的な理由を説明することで、相手に理解してもらいやすくなる。
例文:
状況:同僚から「今週末、一緒にご飯に行きませんか?」と聞かれた。
曖昧な表現だと:「いいですよ」
具体的な表現だと:「申し訳ございませんが、今週末は予定があり、参加が難しいです」
「いいですよ」は、カジュアルな表現です
「いいですよ」は、丁寧な言葉ですが、カジュアルな表現です。ビジネスシーンでは、より丁寧な表現を使うべき場面が多くあります。
「いいですよ」が必ずしも失礼になるわけではありません。親しい人や同僚間など、カジュアルな場面では問題ない場合があります。しかし、ビジネスシーンでは常に丁寧で適切な言葉遣いを心がけることが重要です。
「いいですよ」言い換え表現・状況別
「いいですよ」は、状況によって様々な意味合いを持つ便利な言葉ですが、ビジネスシーンでは、より正確に意思表示をするために、適切な言い換えをすることが重要です。
「いいですよ」の言い換え表現、状況別にみていきましょう♡
「いいですよ」の言い換え 肯定・承諾の意味合い
「いいですよ」は、相手への同意・承諾を表す便利な言葉ですが、カジュアルな印象、曖昧な意味合い持つため失礼な印象になることも。
【ビジネスシーンで使える丁寧な敬語表現】
・賛成です
・同感です
・承知いたしました
・かしこまりました
・上司から「この資料を明日までにまとめてください。」と言われた場合:
「いいですよ」ではなく「承知いたしました。明日の午前中までに提出いたします」
・同僚から「会議に参加できませんか?」と聞かれた場合:
「いいですよ」ではなく「かしこまりました。ぜひ参加させていただきます」
その他、状況に応じた表現は、
・すぐに取り掛かります。
・問題なく対応できます。
・喜んでお手伝いさせていただきます。などがあります。
「いいですよ」の言い換え 辞退・断りの意味合い
「いいですよ」は、相手の提案を辞退・断る場合にも使えますが、断定的な印象を与えてしまうことがあります。
・理由が不明確だと相手に納得してもらえない可能性があります。
・柔らかい表現ではないので相手への配慮に欠ける印象を与えてしまう。
【ビジネスシーンで使える丁寧な敬語表現】
・恐縮ですが、遠慮させていただきます。
・申し訳ございませんが、今回は見送らせていただきます。
・ありがとうございます。今回はご遠慮させていただきます。
・申し訳ございませんが、ご要望にお応えすることができません。
・せっかくのお誘いですが、恐縮ながら遠慮させていただきます。
・申し訳ございませんが、今回は日数が折り合わず、見送らせていただきます。
・ご提案ありがとうございます。しかしながら、今回はスケジュールが合わず、ご遠慮させていただきます。
・相手の意図を正確に理解し、適切な言い換え表現を使うことが重要です。
・具体的な理由を説明することで、相手に理解してもらいやすくなります。
・丁寧な言葉遣いを意識して使うようにしましょう。
↑「いいですよ」の注意点をまとめると、こういうことです♡
まとめ
「いいですよ」は、日常会話では頻繁に使う便利な言葉ですが、ビジネスシーンでは、状況や相手によって適切な言葉を選ぶことが大切です。特に、上司や取引先など、目上の方とのやり取りや、重要な契約など、より丁寧な言葉遣いが求められる場面では、「いいですよ」よりも、より丁寧で具体的な表現を使うことを心がけましょう。