「仰る通りです(おっしゃるとおりです)」は、相手の発言に同意する時に使う敬語表現です。ビジネスシーンでもよく使われますが、使い方には注意が必要です。本記事では、「おっしゃる通りです」の意味や使い方、言い換え、注意点について解説します。ビジネスシーンで正しく使うためのポイントを押さえましょう。
本記事では平仮名の「おっしゃる」で統一します。ひらがな表記が一般的なためです。
「おっしゃる通りです」の意味
「おっしゃる」は「言う」の尊敬表現です。「おっしゃる通りです」は、「あなたの言う通りです」という意味になります。相手の発言の内容をそのまま受け止め、同意する時に使う表現です。
・先輩のおっしゃる通りです。
「です」「ございます」をつけて使います。
「おっしゃる通りです」の使い方・例文
「おっしゃる通りです」の意味合いです。
1)相手の発言に同意する時
2)相手の話を傾聴する時 などです。
1)2)の内容をくわしく見ていきましょう♡
1)相手の発言に同意する時の使い方
「おっしゃる通りです」+理由・これから行うことを述べる
・先輩のおっしゃる通りです。先日ご指摘いただいた点を見直してみます。
・課長のおっしゃる通りです。先方への提案の内容を考え直してみます。
2)相手の話を傾聴する時の使い方
このパターンは、お詫びの時に使うことが多いです。「おっしゃる通りです」+お詫び・謝罪の言葉
・おっしゃる通りでございます。私どもの不手際でご迷惑をおかけしました。
・おっしゃる通りでございます。今後はこのようなことがないように気をつけます。
【社内での会話】
体調を崩しやすいので、生活習慣を見直したほうがよいですね。
おっしゃる通りでございます。少しずつ生活習慣を見直していきます。
「おっしゃる通りです」を使う時の注意点
「おっしゃる通りです」を繰り返し使わないように注意しましょう。もし「おっしゃる通りです」を繰り返し使った場合どうなるのか考えてみましょう。
1)「おっしゃる通りです」を相槌のように繰り返し使うことで「この人は同意してくれているけど、自分の考えがあるのかな?」と思われることもあります。
【社内での会話】
会議は16時からかな?
課長のおっしゃる通りです。
必要な書類はメールに添付されていたものだけでいいのかな?
課長のおっしゃる通りです。
考えて答えているのかな?
「おっしゃる通りです」を続けて使わないためにほかの言い換えをしましょう。例えば「ご認識の通りです、資料をプリントアウトいたしました」など考えて答えましょう。
2)謝罪やお詫びをする時に使うことが多いため「おっしゃる通りです」を繰り返し使うことで「この人は話しをきちんと聞いてくれているのかな?」疑われ、さらに怒りに拍車(はくしゃ)をかけることもあります。
【注文した商品について困っている人】
届いた商品が違うんだけど…確認しているの?
おっしゃる通りです。確認をしておりますが、ご迷惑をおかけし申し訳ございません。
そうだよね。でも本当にきちんと確認しているの?
おっしゃる通りです。確認はしておりますが、ご迷惑をおかけし申し訳ございません。
さっきから、同じこと言っていませんか?
相手の気持ちを受け止めるために「おっしゃる通りです」を使いますが、繰り返さず相槌や、ほかの言葉で共感したり、提案できることを伝えましょう。
「おっしゃる通りです」の言い換え・類語
状況に合わせて、「おっしゃる通りです」を言い換えることで、丁寧に気持ちを伝えることができます。言い換えも使えたら良いですね。
「その通りです」
「おっしゃる通りです」を「その通りです」に言い換えてみましょう。
意味:相手の発言の内容をそのまま受け止め、同意することです。
【社内での会話】
資料を作ってくれてどうもありがとう。もう少しまとめたほうがわかりやすいですね。
申し訳ございません。その通りです。わかりやすくまとめるように、考えて作成します。
相手の意見を受け入れて、今後どうするかを伝えていますね。好印象な対応です。
「ご指摘の通りです」
「おっしゃる通りです」を「ご指摘の通りです」に言い換えてみましょう。
意味:相手の発言に対して、指摘やアドバイスを受け入れ、同意する時に使う表現です。
【取引先との会話】
この商品の説明書がわかりにくいかなと思います。
ご意見をいただきましてありがとうございます。ご指摘の通り、わかりやすい説明書に改訂させていただきます。
「ご指摘の通り」が適切に使えていますね。
「ご意見の通りです」
「おっしゃる通りです」を「ご意見の通りです」に言い換えてみましょう。
意味:相手の意見に同意するという意味です。
【社内での会話】
先方への提案書は、アドバイスしたように直したかな?
ご意見の通り、訂正いたしました。ご指導いただきありがとうございます。
「おっしゃる通りです」を言い換えすると、ニュアンスが変わってきますね。その時にあった言い換えができたらいいですね。
「おっしゃる通りです」を繰り返さないように相槌を使う
「おっしゃる通りです」以外にも、状況や相手に合わせて、様々な相槌を使うことで、より自然で丁寧な印象になります。以下に、いくつか例を挙げますので、参考にしてみてください。
状況や相手に合わせて、適切な相槌を選ぶことで、より効果的なコミュニケーションを取ることができます♡
「左様でございます」
意味:その通りです
例文:左様でございます。資料をわかりやすくまとめるように、改めて作成します。
「はい」
意味:同意する、承諾する時に使います。
例文:はい、ご指摘の通りです。わかりやすくまとめるように、改めて作成します。
「ええ」
意味:同意する、承諾する時に使います。
例文:ええ、そうですね。わかりやすくまとめるように、改めて作成します。
「ごもっともです」
意味:相手の発言の内容を肯定し、その意見に賛同する。
例文:ごもっともです。特に図や表を活用して工夫をすることも考えてみます。
「まったくです」
意味:相手の発言の内容に完全に同意する時に使います。
例文:まったくです。わかりやすくまとめるように、改めて作成します。いただいたアドバイスにもとづいて構成し直します。
相槌(あいづち)についての記事です。ご参照いただけましたら幸いです♡
まとめ
「おっしゃる通りです」を使うシーンは相手に同意をする時、相手の話を傾聴する時に使います。「おっしゃる通りです」を重複することで相手の気持ちを損ねてしまうこともあるため、使い方には気をつけましょう。言い換え・相槌を使うことで言葉の使い方の幅も広がります。ご参照いただけますと幸いです。