「結構です」は、日常会話ではよく使う言葉ですが、ビジネスシーンでは誤解を生んだり、失礼に受け取られる可能性があります。特に、断りたい時や、相手の提案を婉曲に否定したい時にどのように使うべきか迷う方も多いのではないでしょうか。この記事では、「結構です」の意味や使い方、使い方のコツ、言い換え表現を例文付きで解説します。
「結構です」と言われて「冷たいな」と感じたので自分も使わないようにしています。
そうですね。「結構です」という言葉は、状況によっては失礼になってしまうこともあるので、相手や状況をよく考えて使うようにしましょう。
相手に配慮することは大切です。単に「結構です」と言うのではなく、丁寧な言い換えや使い方のコツが必要です。
「結構です」の意味と使い方
「結構です」は、「結構」に丁寧語の「です」が付いた、正しい敬語表現です。「結構です」は、2つの異なる意味を持つ表現です。
1)許可・肯定の意味
「問題ない」「十分です」という意味。
・もうお腹いっぱいなので、おかわりは結構です。(意味:料理の量に満足している)
・明日は休みを取っても結構ですよ。(意味:休みを取ることを許可している)
2)断り・否定の意味
「必要ない」「お断りします」という意味。
・自分でできるので、結構です。(意味:手助けは必要ない)
・いいえ、結構です、自分でできます。(意味:手助けは必要ない)
目上の人に対して「結構です」を使ってもいいのか?
下記の会話は、目上の人(上司)に対して「結構です」を使った場面です。結論としては、目上の人(上司)に対しては、「結構です」を使うのは控えた方が無難です。より丁寧な表現を選ぶことをおすすめします。
【社内での会話】
最近、何か困ったことはありますか?
ないので、結構です。
結構です…
上司は「ないので、結構です」と言われて、良く思っていませんね。
上の会話をみてみましょう。
「結構です」という表現は、上司に対して失礼な印象を与えてしまう可能性があります。
特に、目上の人に対して、感謝の気持ちや謙虚な姿勢を示さずに「結構です」を使うと、印象が悪くなってしまうこともあります。「結構です」の使い方を工夫してみましょう。
【丁寧な表現を使う】
・ありがとうございます。お陰様で困っていることは特にありません。
・ありがとうございます。今のところ、特に困っていることはございません。
・ご心配ありがとうございます。何かありましたら、相談させていただきます。
状況に合わせて適切な表現を選ぶことで、失礼なく意思を伝えることができます。
「結構です」を使う時の注意点
「結構です」は、使い方によっては誤解を与えたり、失礼な印象を与えたりする可能性があります。「結構です」を使う時の注意点をみていきましょう。
肯定・否定の意図を明確にする
「結構です」には、「十分です」という肯定の意味と、「もう結構です」という否定の意味があります。文脈によってはどちらの意味なのか判断しにくい場合もあります。
肯定の時は、肯定の意味を強調したり、断りの時は「もう結構です、ありがとうございます」のように断りの言葉を添えたりして、自分の意図を明確に伝えましょう。
【肯定の時】
・ありがとうございます、それで結構です。
・もう結構です、ありがとうございます。
【否定の時】
・申し訳ありませんが、結構です。
・もう十分ですので、お気遣いただかなくて結構です。
「結構です」を単独で使わない
「結構です」を単独で使うと、冷たい印象を与えてしまうことがあります。特に目上の人に対して使う場合は、必ず丁寧な言葉遣いを心がけましょう。
・クッション言葉を使う:例えば、「せっかくですが」「大変申し訳ございませんが」などを使う。
・感謝の気持ちを伝える:例えば、「せっかくのご提案ありがとうございます」「お心遣いいただきありがとうございます」を使う。
・丁寧な言い方にする:例えば、「結構でございます」「お受け取りいたしかねます」などです。
・大変ありがたく存じますが、今回は結構でございます。
・せっかくのご厚意ですが、今回は遠慮させていただきます。
・ありがとうございます。お気遣いいただき恐縮ですが、結構です。
「結構です」を使う時は、工夫をして使えば良いのですね。
「結構です」を使わなくても、「結構です」より丁寧な表現はたくさんあるので、言い換えも使えたら良いですね♡
「結構です」の言い換え、類語
「結構です」以外にも、丁寧な表現はたくさんあります。状況に合わせて、より適切な表現を選ぶようにしましょう。
「結構です」の言い換え♡
「差し支えございません」
意味:「問題ありません」「構いません」の意味合いを持つ丁寧な表現です。
使い方:目上の人やかしこまった場面や使うのが一般的です。
例文:明日の予定は問題ありませんので、出席には差し支えございません。
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「問題ございません」
意味:何も問題がなく、スムーズに事が進められる状態であることを表します。
使い方:「問題ございません」は、問題がないことを単に伝えるだけでなく、相手への配慮や協調性を示すニュアンスも含まれています。
例文:問題ございません。今週中に提出いたします。
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「大丈夫です」
意味:相手の好意に対して、感謝の気持ちを伝えつつ断りたい場合にも使います。
使い方:比較的カジュアルな表現で、目上の人に対して使う場合は失礼と捉えられる場合があります。
例文:申し訳ありませんが、大丈夫です。
「もう十分です」
意味:何かを受け取ったり、何かをしてもらったりした際に、もうこれ以上は必要ないと伝える際に使う表現です。
例文:もう十分説明を聞いたので、質問はありません。
「遠慮させていただきます」
意味:相手からの好意や申し出に対して、丁寧にお断りをする際に使います。
使い方:目上の人や、かしこまった場面で使うのに適しています。
例文:せっかくのお誘いですが、予定があるため遠慮させていただきます。
まとめ
「結構です」は、使い方によっては冷たい印象を与えてしまうこともあります。ビジネスシーンでは、相手に配慮した丁寧な言い換えを使うことが大切です。丁寧な言い換えも使えたら良いですね。