ビジネスシーンでよく耳にする「お名前を頂戴できますか」。実は、この表現は誤りと言われています。「お名前」は「もらう」ものではありません。では、目上の人にも失礼なく、正しくお名前を尋ねるにはどうすれば良いのでしょうか?この記事では、「お名前を頂戴できますか」の言い換え表現と、具体的な例文をご紹介します。
「お名前を頂戴できますか」の意味と敬語
「お名前を頂戴できますか」は、相手に自分の名前を教えてもらう際に使われる丁寧な表現ですが、厳密には誤った使い方です。
「お名前を頂戴できますか」の意味やつくりをみてみましょう。
【敬語】
「お名前」は、丁寧語のため相手に対して使えます。
「頂戴する」は「もらう」の謙譲語です。
「お名前を頂戴できますか」文法上は、正しいのですね。
なぜ、「お名前を頂戴できますか」が正しくないのか、みていきましょう♡
「お名前を頂戴できますか」間違い?言い換えを紹介
「頂戴する」は、「いただく」の謙譲語で、相手に何かを「もらう」時に使う言葉です。例えば、「お茶を頂戴できますか」のように、物事を「もらう」という行為に対して使うのが適切です。
「お名前を頂戴できますか」が誤りな理由としては、名前は「もらう」ものではなく、相手に尋ねて「聞く」ものです。
名前は「もらえない」から、だめなのですね♡ 正しい使い方をみていきましょう。
「教えていただけますか」の使い方と例文
「お名前を頂戴できますか」の言い換えで「教えていただけますか」を使ってみましょう。
・教えていただけますか(教えるの謙譲語)
【敬語】
「教える」+「いただく」(謙譲語)にします。
例文:お名前を教えていただけますか?
「うかがってもよろしいですか」の使い方と例文
「頂戴できますか」の部分を「うかがってもよろしいですか」に言い換えてみましょう。
【敬語】
うかがってもよろしいですか?(うかがうの謙譲語)
例文:お名前をうかがってもよろしいですか。
「お聞かせいただけますか」の使い方と例文
「頂戴できますか」を「お聞かせいただけますか」に言い換えてみましょう。
例文:お名前をお聞かせいただけますか。
「お聞かせ願えますか」も同じく丁寧に使える表現です。
「教える・うかがう・聞く」を言い換えて敬語表現にすればいいのですね♡
「お名刺を頂戴できますか」は正しい使い方?
名刺は「もらう」ものです。名刺は、相手に渡してもらう「物」です。そのため、「頂戴する」という「もらう」という意味の謙譲語を使うことは適切です。
名前はもらうことができません。混同しないようにビジネスシーンでは気をつけましょう。
【社外での会話】
恐れ入りますが、お名刺を頂戴できますか。
失礼いたしました。こちらです。
「恐れ入ります」クッション言葉もうまく使えていますね♡
【クッション言葉の種類】
・恐縮ですが
・恐れ入りますが
・大変恐縮ですが
・お手数おかけしますが
・申し訳ございませんが
クッション言葉を使うことで、丁寧な依頼ができますね!クッション言葉の使い方についてよろしければご覧ください♡
まとめ
丁寧な言葉遣いですが、お名前は「物」ではないため、もらうことができないと考えるとわかりやすいです。お名前をうかがう時とは初対面で使うことが多いため、クッション言葉を使うようにして、相手を気遣う丁寧な敬語表現や言葉を心がけましょう。