「殊勝」ってどういう意味? と思ったことはありませんか? 漢字だけ見ると、難しい言葉に思えますよね。実は「殊勝」は、「心がけや行動が感心できる様子」を表す褒め言葉なのです。
この記事では、「殊勝」の意味と使い方を詳しく解説します。「殊勝な態度」や「殊勝な心がけ」を使った言い回し・例文も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
「殊勝」とは、はじめて聞きました。
心がけや行動が感心できる様子のことです。
「殊勝な態度」とは、ビジネスシーンでも使える褒め言葉になりますが、目上の人には控えるようにしましょう。
「殊勝」の読み方
「殊」のむかって左側のへんを「いちたへん」といいます。右側のつくり「朱」の読み方は「しゅ」と読みます。
「勝」は「しょう」と読みます。あわせて「しゅしょう」と読みます。
よく使われている単語としては「特殊(とくしゅ)」の「しゅ」にあたる部分です。
「殊勝」の意味
「殊勝」の意味合いは、以下になります。
・行動や心がけが、すばらしいため感心すること
・健気(けなげ)であること
・神妙であること
「健気(けなげ)」
「神妙(しんみょう)」といった言葉に似た意味合いを持ちますが、
「殊勝」には、より深い感銘や感動を伴うというニュアンスがあります。
「殊勝」の使い方
「殊勝」は、おもに人の行いや態度を褒める際に用いられます。
例えばですが、
・「彼女の殊勝な態度を見習いたい」とは、「心がけや行動が感心できるので見習いたい」という意味になります。
・殊勝な態度
・殊勝な心がけ
・殊勝な面持ち(おももち)
・殊勝なこと
・殊勝でした、殊勝だった
・殊勝な面持ち(おももち)で取り組んでいました。
→意味は、おごそかな様子、神妙な様子で取り組んでいるということ。
・彼女は、会議中に殊勝なことを発言していました。
→意味は、立派でしっかりとしたことを発言していたということ。
・彼女は、はじめての会議に参加し終始、殊勝でした。
→意味は、終始、神妙な様子であったということ。
「殊勝」とセットで使う言葉は、このような感じです♡
「殊勝」の例文
「殊勝」は、「心がけや行動が感心できる様子」を表す褒め言葉です。ビジネスシーンでの例文をみていきましょう。
【社内での会話】
皆さまのお役に立てるように努力していきたいです。
そういう、殊勝な態度は大切。
上の会話をみてみましょう。
「殊勝な態度」は、「心がけや行いがけなげで感心するさま」という意味です。
後輩の発言は、謙虚で真摯な姿勢で、周りの役に立ちたいという強い意志を表しています。これは「殊勝な態度」と言えるでしょう。
先輩の返答も、「そういう、殊勝な態度は大切」と、後輩の姿勢を評価し、励ます言葉として適切です。
「殊勝な態度」が適切に使えていますね♡
【社内での会話】
部長。さっきの会議でのご意見は、殊勝な心がけだと思います。
殊勝な心がけ…?
正しい使い方でしょうか。
「殊勝」とは、立派で感心できる行動や発言に対して称賛することです。部長を評価するというように捉えられてしまいます。
行動の対象は部長=目上であるため、部長の行動に対して「殊勝」は使いません。
失礼にあたりますので気をつけましょう。
言い換えてみると「ご意見に感服いたしました」などの言い換えを使いましょう。
「殊勝」の言い換え
「殊勝」の言い換えについてみていきましょう。
状況によってはより適切な言い換えがあります。以下、4つの言い換え表現について、特徴と例文を詳しくご紹介します。
「格別(かくべつ)」
意味:
特に優れていること。他と比べて特別であること。
例文:
・お客様や取引先への感謝の気持ちを伝える際に、「格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます」のように用います。
「感慨深い」
使い方:
物事や出来事に対して、深く心を動かされ、しみじみと感じることを意味する言葉です。
意味:
物事や思い出を深く感じ、心が揺さぶられること。
例文:
・共に歩んできた年月を振り返ると、感慨深いものがあります。
「素晴らしい」
特徴:
非常に優れている、感嘆に値する、素晴らしいという意味を持つ形容詞です。
意味:
非常に優れている、感心させられる、感動的なという意味を持ちます。
例文:
・お客様にご満足いただけるよう、素晴らしいサービスを提供してまいります。
「卓越した(たくえつした)」
使い方:
「他よりも優れている」という意味を持ちます。単に優れているだけでなく、「群を抜いて優れている」というニュアンスを含んでいます。
意味:
非常に優れている、並外れたという意味です。
例文:
・彼女は、卓越した分析力を持っている。
「殊勝」は目上の人には不適です。そんな時に言い換えが使えたら良いですね♡
まとめ
「殊勝」という言葉、聞きなれない言葉かと思います。でも、とても奥深い意味を持つ素晴らしい言葉だと思います。
「殊勝」の意味と使い方をしっかりと理解し、ビジネスシーンで使ってみてください。