「みなさんご周知ください」とビジネスシーンでよく耳にするこの言葉、正しく使えていますか?「周知」とは、相手に何かを知ってもらう際に使います。特にビジネスシーンでは、丁寧な表現を選ぶことが大切です。この記事では、「ご周知」の正しい使い方や言い換え、具体的な例文とあわせてご紹介します。
「ご周知」の意味と敬語
「ご周知」の意味合いは、以下になります。
・特定の情報や事項を、相手だけでなく、その周囲の人々にも知ってほしいという願いが込められています。
・相手がすでにその情報を知っていることを前提に、改めて確認したり、共通認識として共有したりする際に使われます。
【敬語】
「ご周知」の「ご」は、相手に知ってもらうことのため、尊敬語になります。
「ご周知」の使い方と例文
「ご周知」は、ある情報を広く知らしめること、またはすでに知られている状態を表す言葉です。ビジネスシーンで特に多く使われ、社内での連絡や顧客への通知などで活用されます。
よく使う「周知」の使い方と例文♡
「ご周知いたします」
「ご〜いたす」で謙譲の敬語表現で、「ご周知いたします」は、「(このことを)広く知っていただくよう、丁寧にお知らせします」という意味になります。
例文:会議の日程が変更になりましたので、ご周知いたします。
「ご周知ください」
「ください」は「くれ」の尊敬語ですが、命令形のため、ほかの言い回しを使うことも検討しましょう。
例文:明日の社員研修の資料をお送りしますので、ご周知ください。
「ご周知のとおりです」
「ご周知のとおりです」は、相手がすでに知っているであろう情報を改めて伝える際に使われる表現です。
例文:ご周知のとおり、朝礼は10分早く開始となりますので、時間に余裕をもってご参加ください。
「ご周知のほどよろしくお願いいたします」
「ご周知のほどよろしくお願いいたします」は、相手に何かを広く知ってほしい、情報を共有してほしいというお願いをする際に使う丁寧な表現です。
「のほど」は、断定を避けて言葉をやわらかくする表現です。
例文:恐れ入りますが、関係性各位にご周知のほどよろしくお願いいたします。
「ご周知いただきたくお願いいたします」
「ご周知いただきたくお願いいたします」は、相手(関係者全員)に何かを広く知らせてほしい、ということを丁寧にお願いする表現です。
「ご〜いただく」で謙譲の敬語表現になります。
例文:始業時間が30分早まることになりました。ご周知いただきたくお願いいたします。
周知徹底
ある情報や事柄を、関係する全ての人に漏れなく確実に伝え、理解してもらうことを意味します。
単に情報を伝えるだけでなく、全員が同じ認識を持つように、徹底的に理解を促すことを表しています♡
そう言えば、社内でよく「周知徹底」を使う人がいます。
例文:システムの導入に伴い、マニュアルを周知徹底する必要があります。
「周知事項」
「周知事項」とは多くの人に知っておいてほしいこと、すでに広く知られていることを指します。会社や学校、団体などで、会議やイベントなどの際に、事前に参加者に知らせたい情報などを「周知事項」としてまとめて伝えることが多いです。
例文:新入社員研修のスケジュールは、周知事項としてお知らせいたします。
「ご周知」を使う時の注意点
「ご周知」は、相手に情報を伝える際に、すでに相手がその情報を知っていることを前提とした丁寧な表現です。しかし、不適切な使い方をしてしまうと、相手に失礼になることも。
「ご周知」を使う時の注意点♡
・「ご周知」は、基本的に多くの人が知ってても問題ない情報にだけ使える表現です。
・相手がすでにその情報を知っているかを確認せずに「ご周知」と安易に使うのは控えましょう。
・特に取引先など、目上の人に対して使う際には「ご周知」を使うと、対等のような印象に感じられたり、上から目線のようになる可能性があるので気をつけましょう。
「ご周知」を言い換えてみましょう♡
「ご周知」を使わずに、印象良く、丁寧に言い換えてみると…
「ご確認いただけると幸いです」や「ご留意いただけますと幸いです」といった表現を使うと、より丁寧な印象になります。
「ご周知」: 「会議の時間が変更になりましたので、ご周知ください。」
丁寧な表現:「会議の時間が変更になりましたので、あらためてお知らせいたします。」
相手の行動を促す表現:「会議の時間が変更になりましたので、ご確認の上、ご参加ください。」
「ご周知」ビジネスで使える丁寧な言い換え7選
「ご周知」の丁寧な言い換えです。いずれの表現も丁寧な敬語表現のため、目上の人や敬意を払う場面で使うことができます。
【理解を深めてほしい場合】
ご理解いただく
相手に、ある事柄を理解してもらうようにお願いする際に使います。
例文:この企画の目的について、ご理解いただけますと幸いです。
ご認識いただく
「ある事柄を正しく理解し、認識している状態」になってほしいという丁寧な表現です。相手がその情報を自分のものとして受け止め、行動や判断に繋げてもらいたいというニュアンスを含んでいます。
例文:会議の資料は、全員に配布いたしました。内容を十分にご認識いただくようお願いいたします。
ご承知いただく
相手に対して「(このことを)知っていてください」「(このことを)理解してください」と伝える丁寧な表現です。相手が、伝えられた内容を把握し、その上で行動したり、判断したりすることを期待する際に用います。
例文:通常より1時間早く開始いたしますので、ご承知いただけますようお願い申し上げます。
説明いたします
相手に何かを詳しく説明することを丁寧な言葉で表した表現です。
例文:新しいシステムの操作方法を、説明いたしますので、ご安心いただければと思います。
【行動に移してほしい場合】
ご検討いただく
相手に何かをじっくりと考えて判断してもらいたいときに使う丁寧な表現です。ビジネスシーンでよく使われ、提案や依頼など、相手に行動を促したい場合に特に有効です。
例文:弊社の新しい商品を、ぜひ一度ご検討ください。
【情報を共有したい場合】
お知らせいたします
相手に何か新しい情報や変更点などを伝える際に使用する丁寧な表現です。
例文:来週の会議の日時について、改めてお知らせいたします。
ご案内いたします
何かを知らせたり、案内したりする際に使う丁寧な表現です。特に商品、サービスなどについて、相手に情報を提供し、興味を持ってもらうことを目的として用いられます。
例文:この機器の操作方法をご案内いたします。
ほかにも、こんな使い方があります♡
「ご報告申し上げます」は上司、取引先への報告に適した表現です。
「ご検討いただけますと幸いです」は、取引先への提案の際に使います。
「ご周知をお願いいたします」は、 社内への周知事項に使います。
「共有」するは、会議の議事録を共有する場合などに使います。
まとめ
「ご周知」は、相手に情報を伝える際に、すでに相手がその情報を知っていることを前提とした丁寧な表現ですが、使い方によっては、相手に失礼に当たったり、誤解を与えてしまう可能性があるので、言い換えも理解しておきましょう。