「去年」と「昨年」、どちらも「去った年」を意味する言葉ですが、ビジネスシーンや年賀状など、改まった場面ではどちらを使うべきか迷うことはありませんか?「年賀状ではどっちを使うのが正解?」「ビジネスメールでは?」この記事では「去年」と「昨年」の違いを徹底解説。ビジネスシーンでの適切な使い分けはもちろん、メールや年賀状の例文付きで分かりやすくご紹介します。
「去年」と「昨年」の意味の違い
「去年(きょねん)」と「昨年(さくねん)」は、どちらも「今年の前の年」を指す言葉ですが、使われる場面やニュアンスに違いがあります。
意味は基本的に同じで、「今の年の一つ前の年」を指します。例えば、2025年であれば、2024年が「去年」または「昨年」にあたります。意味の違いというよりは、言葉の持つ丁寧さの度合いに違いがあります。
去年(きょねん):気軽な話し言葉です。友達や家族など親しい人との会話で使われます。忌み言葉となるため、お祝いの際には使いません。
昨年(さくねん): よりフォーマルで丁寧な表現です。ビジネスシーンや公式な場面、目上の人との会話、手紙や年賀状などの書き言葉で使われます。
年賀状に、「去年」と「昨年」どちらを使えばいいのか迷います。
そうですね。年賀状には、「昨年」になります。
「去年」と「昨年」の使い分け
「去年」と「昨年」の使い分けのポイントは、相手との関係性と場面のフォーマルさになります。
日常会話:去年
年賀状:昨年
書き言葉:昨年
ビジネスシーン:昨年
目上の人との会話:昨年
スピーチやプレゼンテーション:昨年
「去年」と「昨年」の例文
「去年」と「昨年」の例文を、日常会話、ビジネスシーンの場面に分けてご紹介します。それぞれの言葉が持つニュアンスの違いを感じ取っていただければと思います。
【日常会話】気軽な話し言葉として「去年」を使うのが自然です。
・去年の夏は旅行に行ったんだ。
・去年のクリスマスプレゼント、嬉しかった。
・去年の大晦日は、おそばを食べたよね。
【ビジネスメール】フォーマルな表現である「昨年」を使うのが適切です。
・昨年は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。」(冒頭の挨拶)
・昨年11月にご依頼いただいた件につきまして、ご報告いたします。
・昨年の反省点を踏まえ、今年はより一層の改善を図ってまいります。
昨年度の売上高は…、昨年比で…、昨年のデータによると…というように使います。
↑ビジネスシーンでで使える例文です♡
「去年」と「昨年」年賀状ではどちらを使う?
「去年」は「去る」という字が「縁起が悪い」とされ、年賀状やお祝い事の文章では避けるべきとされています。そのため、年賀状では「昨年」を使うのが一般的です。
これは、年賀状が新年の喜びを分かち合うためのものであり、「去る」という言葉が過去の出来事を連想させ、縁起を担ぐ意味合いからも避けられる傾向にあるためです。
↓年賀状で使える例文です♡
・昨年は大変お世話になり、ありがとうございました。
・昨年中は格別のご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。
・昨年は皆様のおかげで良い一年を過ごすことができました。
・昨年いただいたご恩を胸に、本年も精一杯努めてまいります。
相手への感謝の気持ちを表し、新年の挨拶へと繋げる役割を果たします。特に「昨年中は格別のご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。」は、より丁寧な表現で、上司や恩師、目上の人への年賀状に適しています。
「去年」と「昨年」の言い換え
「去年」と「昨年」はどちらも「今の年の一つ前の年」を意味する言葉です。文脈によって言い換えや使い分けをしましょう。
前年(ぜんねん)
「昨年」の最も一般的な言い換え表現です。ビジネス文書や報告書などでよく使われます。「昨年の売上高」を「前年の売上高」と言い換えることができます。
例文:前年比で10%の成長を達成した。
旧年(きゅうねん)
「旧年」とは、過ぎ去った年、古い年を指します。やや格式高い印象で年賀状などで使われることがあります。
例文:旧年中は大変お世話になりました。
往年(おうねん)
「往年」とは過去の年を広く指す言葉で、「昨年」の言い換えとして使う場合もありますが、少し意味合いが異なります。「往年の名選手」のように、過去を懐かしむようなニュアンスで使われることが多いです。
例文:往年の名選手が再び試合に出場した。
まとめ
「去年」は親しい間柄での会話やカジュアルな場面でよく使われます。一方、「昨年」はビジネス文書や年賀状、目上の人への挨拶など、より丁寧な場面で用いられる表現です。どちらを使うか迷った場合は、「昨年」を選ぶと失礼にあたる可能性が少なく、安心です。