新緑が目に鮮やかな季節となりました。皆様はいかがお過ごしでしょうか?ゴールデンウィークを心待ちにされている方も多いのではないでしょうか。5月は、爽やかな気候の中、新たな気持ちで過ごしたいものですね。この記事では「5月の挨拶文」について、上旬・中旬・下旬に分けて、ビジネスとプライベートの両方で使える例文を紹介します。
挨拶文の基本構成
挨拶文は、相手への心遣いを伝える大切なコミュニケーションツールです。 基本的な構成要素として、前文・本文・末文・後付の4つがあります。状況や相手との関係性によっては、これらの要素を省略することも可能です。
特に注意したいのが、頭語と結語の正しい組み合わせです。例えば、「拝啓」には「敬具」、「謹啓」には「謹白」といった決まった組み合わせがあります。これらの組み合わせを間違えると、相手に失礼な印象を与えてしまう可能性がありますので、注意が必要です。

既にご存じの方は、読み飛ばしていただいて構いません♡
要素 | 内容 | 備考 |
前文 | 1)頭語(拝啓など)を書き、 2)「時候の挨拶」 3)相手の安否を気遣う言葉 4)お礼があれば書く | 相手のお見舞いのなどの時は4)は省くこともあります。 |
本文 | 1)本文に入る際「ところで」「さて」「このたびは」などを使い本文に入ります。 | 本文は、わかりやすく書くこと。 |
末文(結語) | 1)結びの挨拶を書き、 2)「敬具」など | 文章全体を締めくくる言葉で、相手への敬意や感謝を表します。 |
後付 | 1)日付を書き、 2)署名(差出人名) |
「書き出し」と「結び」とは?

↓「書き出し」と「結び」もよく聞くけどなにかな?
手紙や挨拶文の基本構成:「前文」「本文」「末文」そして「後付け」
一般的に、手紙や挨拶文は、この三つの部分で構成されます。
- 前文(書き出し): 冒頭の挨拶や時候の挨拶
- 本文:伝えたい内容
- 末文(結び・結語): 結びの言葉や相手への気遣い
さらに、必要に応じて日付や署名などの「後付け」が加えられます。
書き出し(前文):手紙や文章の冒頭を飾る大切な一言
手紙や挨拶文の冒頭部分、これが「書き出し」です。「前文」という言葉も、ほぼ同じ意味で使われます。相手への最初の挨拶や、季節の移ろいを伝える「時候の挨拶」などで始まり、読み手がスムーズに本文へと入っていけるよう、心を込めて書かれます。
結び(結語・末文):温かい気持ちで締めくくる文章の終わり
文章の最後を飾るのが「結び」、または「結語」と呼ばれる部分です。「末文」も同様の意味合いで使われます。ここでは、相手の健康や幸せを願う言葉、今後の良好な関係を期待する言葉などを添えて、温かい気持ちで文章を締めくくります。
時候の挨拶とは?
手紙や挨拶状の冒頭で、季節や天候に応じた言葉を用いて相手の安否や健康を気遣う季節の挨拶です。ビジネスメールからプライベートな手紙まで、相手への心遣いを伝える重要な役割を持ちます。
季節を表す言葉
「~の候」「~のみぎり」の漢語調の形式で、かしこまった文書やビジネス文書でよく使われます。
例:新緑の候、皆様におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
相手の安否や健康を気遣う言葉
より柔らかい表現としては、季節の情景を織り込んだ口語調の表現が以下になります。
例:新緑の香りがすがすがしい季節ですが、お健やかにお過ごしのことと存じます。
こちらの様子を伝える言葉
自身の状況を簡単に伝え、相手への返信を促したり、安心感のある挨拶になります。
例:季節の変わり目ですが、体調を崩すことなく過ごしております。
例:おかげさまで、私も元気に過ごしております。向暑のみぎり、皆様どうぞご自愛ください。
5月の時候の挨拶
5月の時候の挨拶は、新緑のまぶしさや爽やかな風を感じさせる言葉を選ぶのが特徴です。「新緑の候」「薫風の候」といった漢語調の挨拶や、「新緑が目に鮮やかな季節となりました」「風薫る五月、皆様いかがお過ごしでしょうか」「さわやかな五月晴れの続く頃となりました」といった口語調の挨拶がよく使われます。
時候の挨拶は、季節の移り変わりや気候の特徴を表現する言葉です。使うタイミングは明確に区切れないこともありますが、以下に使用の目安をまとめましたので、参考にしてみてください。

5月は生命力溢れる新緑が美しい季節です。「若葉の候」「向暑の候」といった言葉に、季節の移ろいを感じます♡

時候の挨拶 | 意味 | 使用時期の目安 |
麗春の候 | 暖かく穏やかな春の陽気を表現する言葉です。 | 4月下旬〜5月4日 |
惜春の候 | 春が過ぎ去るのを惜しむ気持ちを表し、少し寂しげな言葉です。 | 4月下旬〜5月4日 |
晩春の候 | 春の終わり頃の候。名残惜しい春の季節を表します。 | 4月下旬〜5月4日 |
暮春の候 | 春が終わる頃の候。春の深まりを感じさせる言葉です。 | 4月下旬〜5月4日 |
立夏の候 | 生命力にあふれた初夏の様子を表す、爽やかで希望に満ちた様子 | 5月5日〜5月20日くらい |
万緑の候 | 草木の緑が濃く生い茂る候。生命力あふれる様子。 | 5月5日~6月4日 |
薄暑の候 | わずかに暑さを感じる候。初夏の到来を示唆します。 | 5月5日~6月4日 |
向春の候 | 夏に向かう頃の候。これから暑くなる時期を表します。 | 5月〜6月上旬 |
葉桜の候 | 桜の花が終わり、葉が茂る候。移りゆく季節感。 | 5月中旬 |
若葉の候 | 若々しい葉が伸び始める候。新鮮な生命力を感じます。 | 5月中旬 |
新緑の候 | 新しい緑が鮮やかな候。目にまぶしい季節です。 | 5月中旬 |
薫風の候 | 香りを含んだ風が吹く候。爽やかで心地よい季節。 | 5月中旬〜5月下旬 |
青葉の候 | 青々とした葉が茂る候。緑が美しい季節を表します。 | 5月中旬〜6月中旬 |
麦秋の候 | 麦が実り、収穫を迎える頃の候。 | 5月下旬〜6月上旬 |
初夏の候 | 夏の初めの候。さわやかな夏の始まりを感じさせます。 | 5月下旬〜6月上旬 |
5月上旬の挨拶文
5月は、新緑がまぶしく爽やかな風が心地よい季節です。ゴールデンウィーク明けからは、本格的に仕事や学校に打ち込む時期でもあり、気持ちを新たにする方も多いでしょう。5月上旬の時候の挨拶には、「新緑の候」「立夏の候」「薫風の候」などの表現を使うと、季節感と前向きな気持ちを伝えることができます。ここでは、ビジネスメールやお手紙で使える、丁寧で印象のよい書き出し・結びの文例をご紹介します。
【5月上旬の書き出し文例】
・若葉が輝きを増し、清々しい季節となりました。
・薫風の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
・立夏を迎え、日差しにも夏の気配が感じられる頃となりました。
・大型連休明けでご多忙のことと存じますが、いかがお過ごしでしょうか。
・新緑の美しい季節となり、皆様におかれましてはますますご健勝のことと存じます。
【5月上旬の結びの文例】
・新緑の美しい季節、皆様のますますのご発展をお祈り申し上げます。
・季節の変わり目でもございますので、どうぞご自愛くださいませ。
・今後とも変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
・爽やかな季節、皆様のご健康とご活躍を心よりお祈りいたします。
・初夏の陽気とともに、皆様にとって実り多き月となりますよう願っております。
5月中旬の挨拶文
5月中旬は、初夏の陽気を感じる爽やかな季節です。新緑が深まり「新緑の候」「薫風の候」「立夏の候」といった言葉を使うと、5月らしい季節感が伝わります。気温の変化も大きいため、体調を気遣うひと言を添えると、より丁寧な印象になります。
【5月中旬の書き出し文例】
・若葉が薫る季節となりました。皆様お元気でお過ごしでしょうか。
・新緑の候、皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
・立夏を迎え、日ごとに初夏の気配が濃くなってまいりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
【5月中旬の結びの文例】
・新緑がまぶしい季節、皆様のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
・初夏の爽やかな風とともに、貴社のさらなるご発展をお祈り申し上げます。
5月下旬の挨拶文
5月下旬は、陽射しが強くなり、夏の気配を感じる季節です。「薫風の候」「初夏の候」「青葉の候」など、さわやかな季節を表す言葉を取り入れるとよいでしょう。梅雨入り前の過ごしやすい時期なので、清々しさを表現しながら、相手の健康を気遣う言葉を添えると好印象です。

新緑が目に鮮やかになり、心地よい風が吹くなど、過ごしやすい気候について言及することが多いです♡
【5月下旬の書き出し文例】
・青葉が輝く季節となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
・薫風さわやかな季節となりました。皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
・初夏の候、貴社におかれましては、ますますご隆盛のこととお喜び申し上げます。
【5月下旬の結びの文例】
・初夏の陽気に包まれ、ますますのご発展をお祈り申し上げます。
・清々しい季節、皆様のご健勝とご繁栄を心よりお祈り申し上げます。
・梅雨入り前のこの時期、くれぐれもご自愛くださいますようお願い申し上げます。
5月に使えるビジネス挨拶メール文
5月は、ゴールデンウィーク明けの業務再開や、春から初夏へと移り変わる季節感を意識した挨拶が好印象になります。時候の挨拶では、「新緑」「立夏」「薫風」「初夏」など、爽やかな季節を表現する言葉を取り入れると良いでしょう。締めくくりには、相手の健康や、今後のさらなるご発展を願う一言を添えるのがおすすめです。
挨拶文は送る相手や状況に応じて、適宜アレンジしてご活用ください。

ゴールデンウィーク明けの忙しさを気遣う表現も、好印象につながります♡
件名:連休明けのご挨拶
〇〇株式会社
〇〇様
いつも大変お世話になっております。○○株式会社の○○です。
ゴールデンウィークも明け、いよいよ初夏の薫りが漂う季節となりました。
(本文)
本日より通常営業を再開しております。引き続き変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。
△△会社 △△
件名:納品完了報告とご挨拶
〇〇株式会社 〇〇様
いつもお世話になっております。○○株式会社の○○です。
新緑が目にまぶしい季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
本日、○○の納品が完了いたしましたので、ご報告申し上げます。
ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
△△会社 △△
件名:〇〇のご案内
○○株式会社
○○様
薫風の候、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
さて、弊社では5月○日より新たな○○のサービスを開始いたしました。
ご多忙中とは存じますが、ぜひご検討いただけますと幸いです。
詳細は別添資料をご覧ください。
ご不明点等ございましたらお気軽にお問い合わせください。
△△会社 △△
5月の挨拶文:プライベート
5月は、新緑が美しく、風薫る爽やかな季節です。ゴールデンウィーク、こどもの日、母の日など、行事も多く、自然や家族との時間を楽しむ話題が増えます。プライベートな手紙やメール向けに、5月上旬・中旬・下旬の書き出しと結びの言葉を紹介します。
5月上旬の挨拶文
【5月上旬の書き出し文例】
・新緑がまぶしい季節となりましたが、お変わりありませんか。
・さわやかな風が心地よい季節となりました。お元気でいらっしゃいますか。
・初夏の陽気が感じられる今日この頃、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
・ゴールデンウィークを迎え、お忙しい中にも楽しいひとときをお過ごしのことと存じます。
【5月上旬の結びの文例】
・緑薫る5月、すてきな日々をお過ごしください。
・風薫る季節、心晴れやかにお過ごしくださいね。
・初夏の訪れを楽しみながら、元気にお過ごしください。
・新緑の輝きとともに、皆様に素敵な出会いがありますように。
・さわやかな季節の中、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
5月中旬の挨拶文
5月中旬は、初夏の陽気が本格的に感じられる時期です。母の日をはじめ、家族を想うイベントもあり、心温まる話題が似合います。自然の恵みや季節の移ろいに触れつつ、相手を気遣う言葉を添えると、より親しみのある印象になります。

5月は、母の日など行事がたくさんありますね♡
【5月中旬の書き出し文例】
・初夏の陽気が心地よい季節となりました。いかがお過ごしでしょうか。
・風薫る5月、〇〇様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。
・若葉が目に鮮やかな季節、〇〇様にはご健勝のこととお慶び申し上げます。
・さわやかな初夏の風が吹き抜ける季節となりましたが、〇〇様はいかがお過ごしですか。
【5月中旬の結びの文例】
・母の日の温かな余韻とともに、皆様に幸せが訪れますように。
・初夏の陽気に包まれて、心穏やかな日々をお過ごしください。
・五月晴れの空のもと、ますますのご多幸をお祈りいたします。
・若葉の季節、〇〇様のご健康とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
5月下旬の挨拶文
5月下旬は、春から初夏へと完全に季節が移り変わる時期です。気温も上がり、日差しも一層強くなってきます。梅雨入り前の貴重な晴れ間を楽しみつつ、体調管理を気遣う言葉を添えると好印象です。
【5月下旬の書き出し文例】
・初夏の光がまぶしい季節となりました。そちらの様子はいかがですか。
・日ごとに夏の気配が感じられるこの頃、お変わりなくお過ごしでしょうか。
・新緑が一段と深まり、爽やかな季節になりましたね。〇〇様、いかがお過ごしですか。
【5月下旬の結びの文例】
・季節の変わり目、どうかご自愛ください。
・初夏の陽気を楽しみながら、健やかにお過ごしください。
・もうすぐ梅雨入りですね。晴れの日を大切にお過ごしください。
・暑さも徐々に増してまいりますので、体調には十分ご留意ください。
5月に使えるメール文例:プライベート(目上の人)
5月の季節の挨拶文では、新緑の候や若葉の季節といった言葉を取り入れ、春の深まりを感じさせる表現を用いるのがポイントです。特に親しい目上の人には、かしこまった形式的な表現ではなく、穏やかで心温まる言葉を選ぶと、より気持ちが伝わるでしょう。

↓目上の人に対して使える文例です。参考にしてみてください♡
件名:爽やかな季節となりました
〇〇様
新緑がまぶしい季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
日ごとに初夏の陽気を感じるこの頃、お元気でいらっしゃることかと存じます。
(本文)
またお目にかかれる日を楽しみにしております。季節の変わり目ですので、どうぞご自愛ください。
△△
件名:新緑の季節となりました
〇〇様
新緑がまぶしく、心地よい季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
連休も明け、日常のリズムが戻ってきた頃かと存じます。
(本文)
季節の変わり目でもありますので、どうぞご無理なさらず、ご自愛ください。
また近いうちに、お目にかかれる日を楽しみにしております。
△△
件名:〇〇のお礼
五月晴れの好季節、〇〇様におかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
新緑が目に優しく、過ごしやすい毎日ですね。 いかがお過ごしでしょうか。
この間は、大変お世話になりありがとうございました。〇〇様のおかげで、無事に△△を終えることができました。心より感謝申し上げます。
季節の変わり目ですので、体調を崩されませんようお気をつけください。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
△△
まとめ
5月の挨拶文は、新緑やゴールデンウィークに触れ、爽やかな季節感を伝えるのがポイント。上旬は連休への期待、中旬は新生活への慣れ、下旬は初夏の訪れを意識した表現を。ビジネスでは相手の状況を気遣う言葉を添え、プライベートでは親しみを込めた温かいメッセージを心がけましょう。参考にしてみてください。