ビジネスシーンでよく使われる「勝手を申しまして恐縮ですが」は、相手にお願いをする時に、自分のお願いが相手にとって負担や迷惑になるかもしれないことを、先に断りを入れてお詫びする敬語表現です。クッション言葉としても使います。
そこで、この記事では、「勝手を申しまして恐縮ですが」の意味や言い換え、注意点、ビジネスシーンで使える例文とともに詳しく解説していきます。
「勝手を申しまして恐縮ですが」難しそうな言葉ですね。
お願いをする時に使う丁寧な表現なので、使えるようになるといいですね♡
「勝手を申しまして恐縮ですが」意味
「勝手を申しまして恐縮ですが」は、相手に何かお願いをする際に、事前に断りを入れて、相手に迷惑をかけることを詫びる表現です。
「勝手」は「自分の都合や考えだけで物事をすること」という意味です。
「恐縮ですが」とは「申し訳ない気持ちでお願いする」という意味になります。
「勝手を申しまして恐縮ですが」は相手に何かお願いをする際に、使うべき表現のひとつです♡
この表現を使うことで、相手に自分の都合をお願いしていることを理解してもらい、迷惑をかけることを詫びる気持ちを伝えることができます。
勝手を申しまして恐縮ですが、明日の打ち合わせの時間についてご相談させていただけますか?
かしこまりました。
このように使います。
※上記の会話で「勝手を申しまして恐縮ですが、明日の打ち合わせの時間についてご相談させていただけますか」とは「勝手を申しまして恐縮ですが」クッション言葉にもなっていますね。
クッション言葉とは、相手の気持ちを傷つけないように、言葉の前に添える言葉のことです。その言葉の印象を和らげ、相手に気持ちよく受け止めてもらうことができます。
「勝手を申しまして恐縮ですが」使い方、例文
「勝手を申しまして恐縮ですが」は、相手に何かお願いをする際に、事前に断りを入れて、相手に迷惑をかけることを詫びる表現です。使い方の手順と2つのポイントを押さえましょう。
【使い方の手順】
「勝手を申しまして恐縮ですが」のあとに
→1)お願いの内容を具体的に伝える
→2)相手に迷惑をかけていることを詫びる
お願いの内容を具体的に伝えること
相手に迷惑をかけていることを詫びること
ライン別で見るとわかりやすいです♡
1)お願いの内容を具体的に伝える
具体的な内容を伝えることで、相手に迷惑をかけていることをより明確に伝えることができます。
例えば。
・勝手を申しまして恐縮ですが、資料を明日までにお送りいただけますか。
・勝手を申しまして恐縮ですが、明日の会議に遅れそうです。
2)相手に迷惑をかけていることを詫びる
相手に迷惑をかけていることをしっかりと伝えることで、相手に配慮していることを示すことができます。
例えば。
・勝手を申しまして恐縮ですが、資料を明日までにお送りいただけますか。お手数をおかけいたします。
・勝手を申しまして恐縮ですが、明日の会議に遅れそうです。ご迷惑をおかけいたします。
・勝手を申しまして恐縮ですが、明日の会議の時間を変更してもよろしいでしょうか。申し訳ございません。
・勝手を申しまして恐縮ですが、提出期限を今月中に延長していただけないでしょうか。ご迷惑をおかけします。
・勝手を申しまして恐縮ですが、先日の資料をもう一度送付していただけないでしょうか。ご面倒おかけします。
「勝手を申しまして恐縮ですが」使う時の注意点
「勝手を申しまして恐縮ですが」の使う時の注意点は、
1)お願いの内容を具体的に伝える
2)相手に迷惑をかけていることを詫びるの ほかに、
・状況や相手に合わせて使い分けること
・相手に選択の余地を与えることです。
相手に選択の余地を与えることとは、
「ご検討いただければ幸いです」
「ご検討のほどよろしくお願いいたします」これらの表現は、相手にお願いや依頼をすることはしますが、相手が承諾しなくてもよいということを示しています。
お願いごとなので、相手にしっかりと配慮しましょう♡
「勝手を申しまして恐縮ですが」ビジネスシーンで使う時
「勝手を申しまして恐縮ですが」ビジネスシーンで使う時の場面と、その時に使う表現をみていきましょう。
A)目上の人にお願いをする時
B)取引先にお願いをする時
目上の人にお願いをする時、例文
「勝手を申しまして恐縮ですが」を使うことで、相手に配慮する気持ちを表すことができます。
・勝手を申しまして恐縮ですが、この件についてご相談させていただきたいのですが、お時間よろしいでしょうか。
・勝手を申しまして恐縮ですが、メールに明記した日にちの中でご検討いただければ幸いです。
・勝手を申しまして恐縮ですが、明日のミーティングを金曜日に変更してもよろしいでしょうか。
取引先にお願いをする時、例文
取引先に使う際には「勝手を申しまして恐縮ですが」を使うことで、相手の意向や都合を尊重する気持ちを表すことができます。
・勝手を申しまして恐縮ですが、この件についてご相談させていただきたいのですが、お時間よろしいでしょうか。
・勝手を申しまして恐縮ですが、メールに明記した日にちの中で、ご検討いただければ幸いです。
・勝手を申しまして恐縮ですが、先日の資料をもう一度送っていただきたいのですが、どうかよろしくお願いいたします。
「勝手を申しまして恐縮ですが」目上の人向け言い換え
「勝手を申しまして恐縮ですが」は、かための表現ですが、ビジネスシーンで目上の人や、取引先の人にも使える言い換えは、以下のようなものが挙げられます。
「勝手を言って恐縮ですが」
「勝手なお願いで恐縮ですが」
「勝手を申し上げて申し訳ございませんが」
使い方は「勝手を申しまして恐縮ですが」と同じように使います。
・勝手を言って恐縮ですが、先日の件をもう一度、ご検討していただけませんか。
・勝手なお願いで恐縮ですが、明日の会議を代わりに出席していただけないでしょうか。お願いいたします。
・勝手を申し上げて申し訳ございませんが、明日中にご提供いただけますと幸いです。
「勝手を申しまして恐縮ですが」少しかためな表現なので、親しい人、同僚向けに言い換えを教えてください。
「勝手を申しまして恐縮ですが」の親しい人向け(やわらかい表現)言い換えをみていきましょう。
「勝手を申しまして恐縮ですが」親しい人向け言い換え
「勝手を申しまして恐縮ですが」の親しい人向け言い換えも、相手に配慮した丁寧な表現です。やや柔らかい表現のため、ビジネスシーンでも使いやすいですね。
「お願いばかりで恐縮ですが」
意味)相手に迷惑や負担をかける可能性のあるお願いや依頼をする際に使用します。
例文)お願いばかりで恐縮ですが、こちらについてもご検討くださいますようお願いします。
「ご検討いただければ幸いです」
意味)相手に判断や検討をお願いする際に使用します。
例文)恐れ入りますが、この件についてご検討いただければ幸いです。
「ご検討のほどよろしくお願いいたします」
意味)「ご検討いただければ幸いです」を丁寧にした表現です。「ほど」がつくことで柔らかい表現になります。
例文)恐れ入りますが、この件についても、ご検討のほどよろしくお願いいたします。
「申し訳ありませんが」
意味)相手の負担や迷惑を謝罪する表現です。
例文)申し訳ありませんが、資料の送付をお願いできますでしょうか。
「恐れ入りますが」
意味)「申し訳ありませんが」とほぼ同じ意味ですが、より丁寧な表現です。
例文)恐れ入りますが、明日の会議にご出席いただけますでしょうか。
「お手数おかけしますが」
意味)相手に依頼したりする際に、相手の負担や手間をかけることを詫びる表現です。
例文)お手数おかけしますが、資料をご確認いただけますでしょうか。
これらの表現は、状況や相手に合わせて適切な表現を使い分けることが大切です。
まとめ
「勝手を申しまして恐縮ですが」は、相手に迷惑や負担をかけてしまうお願いや依頼をする際に使用する、丁寧な表現です。ビジネスシーン以外でも、お願いごとをする機会があるかと思います。使えるようにしておきたい表現です。
使い方の手順や、注意するべき点について、わかりやすくまとめてみましたので、ぜひ参考にしてみてください。