「お気遣いなくお願いします」は、相手からの配慮や心配に対して、感謝の気持ちを込めつつ「気にしないでください」「心配しないでください」という意思を伝える丁寧な表現です。相手に配慮して使いたいものです。この記事では、ビジネスシーンで使える「お気遣いなくお願いします」の使い方や言い換えを詳しく解説します。使い方のコツもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
返信不要だと冷たいので「お気遣いなくお願いします」と使っても大丈夫でしょうか?
丁寧な表現なので、基本的には問題ありませんよ。
「お気遣いなくお願いします」は、「気にしないでください」「問題ありません」「大丈夫です」などの意味を伝える丁寧な表現です。
「お気遣いなくお願いします」の意味
「お気遣いなくお願いします」は、相手からの配慮や心配に対して、お礼の気持ちを伝えつつ「気にしないでください」「心配しないでください」という意思を伝える丁寧な表現です。
「お気遣い」の「お」は尊敬の表現。
「なく」は、打ち消し。
「ください」は、丁寧語です。
「お願いします」は、「お」は謙譲の表現、「ます」は丁寧語です。
「お気遣い」は、相手の行為なので自分に対して使いません♡
「お気遣いなくお願いします」の使い方と例文
「お気遣いなくお願いします」は、丁寧な表現のためビジネスシーンや目上の人、敬意を払う相手に対して使います。以下のような場合に使われます。
・取引先からのお礼
・お茶やお菓子のお礼
・提案や申し出を断る時
・相手から心配された時
・贈り物や金品を渡した時のお礼 などです。
【取引先からのお礼に対して】
・いつもありがとうございます。お気遣いなくお願いいたします。
・ご丁寧にご対応いただきありがとうございます。お気遣いなくお願いします。
【提案や申し出を断る時】
・せっかくのお申し出ですが、お気遣いなくお願いいたします。
【相手から心配された時】
・ご心配ありがとうございます。大丈夫です。お気遣いなくお願いします。
・ご心配をおかけして申し訳ありません。お気遣いなさらないでください。
【贈り物や金品を渡した時のお礼】
・お気持ちだけ頂戴いたします。お気遣いなくお願いします。
・お礼のお言葉を頂戴するのは恐縮です。お気遣いなくお願いします。
【取引先との会話】「お茶でもどうぞ」と勧められた時
お待たせして申し訳ございません。お茶を用意しましたので。
ありがとうございます。どうぞお気遣いなくお願いします。
「どうぞお気遣いなくお願いします」が適切に使えていますね♡
上の会話をみてみましょう。
「ありがとうございます」:お茶を用意していただいたことに対する感謝の気持ちを伝えています。
「どうぞお気遣いなくお願いします」:お茶をいただくことに対する遠慮の気持ちと、相手の手間を省きたいという気持ちを丁寧な言葉で伝えています。
「お気遣いなくお願いします」に対しての返答は?
自分が「お気遣いなくお願いします」と言われた場合、どのように返答すればよいのでしょうか。
「どうぞお気遣いなくお願いします」と言われた時は、なんと答えたら良いのかな?
「かしこまりました」が、基本的な返答です。目上の人やかしこまった場面に適しています。
メールや手紙に「お気遣いなくお願いします」や「返信不要」とあった場合は、上司や取引先など目上の人からのメールであれば、基本的には返信したほうが丁寧です。「ご連絡いただきありがとうございます。〇〇の件確認いたしました」など、メールの内容を理解したことを簡潔に伝えます。
親しい人からのメールであれば、「内容を確認しました」などの簡単な返信でも問題ありません。
「返信不要」の記事です。
「お気遣いなくお願いします」の注意点
相手からの気遣いに対して感謝の気持ちを伝える表現です。使いすぎると、相手からの好意を無にするような印象を与えてしまう可能性があります。
「お気遣いなくお願いします」を使いすぎると、相手を遠ざけてしまう可能性もあります。
それなら、どうしたらいいですか?
「お気遣いなくお願いします」ではなく、感謝の気持ちを伝えましょう♡
・相手がわざわざ何かをしてくれた時:「わざわざお土産を持ってきていただきありがとうございます。嬉しいです」
・相手が心配して声をかけてくれた時:「ご心配ありがとうございます。大丈夫です」
「お気遣いなくお願いします」の目上の人への言い換え
「お気遣いなくお願いします」の言い換えです。ビジネスシーンでは、丁寧な敬語表現を使うことが大切です。ここでは目上の人に対しての言い換えを挙げています。
「お気遣いなさいませんように」
目上の人や、敬意を払う場面で使います。「どうぞ」「どうか」をつけることでより丁寧になります。
ーー目上の人からサポートしてもらった時
・お心遣いに感謝申し上げます。どうぞお気遣いなさいませんようにお願いします。
・ありがとうございました。心配ご無用です。どうぞお気遣いなさいませんように。
「お気遣いなくお願い申し上げます」
目上の人や敬意を払う場面で使います。「お気遣いなくお願い申し上げます」は、より丁寧になります。
ーーお返しや返信を断る時
・心ばかりの品ですので、くれぐれもお気遣いなく。
・どうかお気遣いなどなさいませんよう、お願い申し上げます。
・どうもありがとうございます。どうぞお気遣いなくお願い申し上げます。
「お気になさらないでください」
「お気になさらず」とは、相手の気遣いや心配に対して、気にしないで欲しいという意味です。目上の人や、親しい人に使います。
ーー体調が悪く、相手が気にかけてくれた時
・ありがとうございます。どうかお気になさらないでください。今日はゆっくり休むつもりです。
・ありがとうございます。少し具合が悪いけど、大丈夫ですので、どうかお気になさらないでください。
【取引先との会話】
メールで送りますので、返信はどうぞお気遣いなさらないでください。
かしこまりました。メールお待ちしております。
「お気遣いなくお願いします」親しい人への言い換え
「お気遣いなくお願いします」の言い換えです。ここでは親しい人や、同僚、仕事仲間に対しての言い換えを挙げています。
「お気遣いなく」
相手の厚意や心配に対して感謝の気持ちを伝えるやんわりとした表現です。目上の人に「お気遣いなく」を単体で使うと丁寧さに欠けてしまう印象になります。
ご対応ありがとうございます。お気遣いなく、またよろしくお願いいたします。
【社内での会話・後輩が先輩にお土産を渡す場面】
先輩に出張のお土産、買ってきました。
出張お疲れ様です。お気遣いなく。お気持ちだけ頂戴しますね。
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「ご心配なく」
相手に「心配しないでください」と言う時に使う丁寧な表現です。相手に安心感を与えるために、ビジネスシーンでよく使われる表現です。
・商品は発送されておりますので、ご心配には及びません。
・ご心配なく、体調は回復してきました。お気遣いいただきありがとうございます。
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「お構いなく」
「構いません」に「お」がついた丁寧な表現です。相手の気遣いを断る時に使います。
・お構いなく、どうぞこちらからお入りください。
・お構いなく、私がやりますので、ご心配なさらないでください。
まとめ
「お気遣いなくお願いします」は、相手への感謝の気持ちと丁寧な断り方を伝えることができる表現です。状況に合わせて、上記のコツを参考にしてください。