「〇〇様でございますね」と、つい口にしてしまう方も多いのではないでしょうか?しかし、この言葉遣いは実は間違い。なぜなら、「ございます」は「ある」を丁寧にした言葉で、人に対して使うのは適切ではないからです。正しいのは「〇〇様でいらっしゃいますね」です。この違いを知っているだけで印象は変わりますよね。この記事では、「ございます」と「いらっしゃいます」の違いや、正しい使い方をわかりやすく解説します。ビジネスシーンで役立つ例文も豊富にご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
「ございます」の使い方と例文
「ございます」は「ある」の丁寧語です。「ある」は物に対して使います。そのため人に対して使うことは誤りです。
しかしながら「ございます」は謙譲で自分、社内の人、物については使ってもいいのです。
ここが少し難しいところです。詳しくみていきましょう。
謙譲で自分、社内の人、物に対して、「ございます」は使っていいのね!
「ございます」を使ってもいい、自分・社内の人・物とは…?
・私が田中でございます。(自分のことです)
・すてきな時計でございますね。(物についてです)
・さきほど紹介いたしましたのは、同じ部署の佐藤でございます。(社内の人のことです)
「いらっしゃいます」の使い方と例文
「いらっしゃいます」は「行く」「来る」「居る」の尊敬語です。そのため、自分、社内の人に対して使うのは不適切です。
「ございます」自分、社内の人、物に使う。
「いらっしゃいます」社外の人、身内以外に使うと覚えておけばいいのね♡
・明日のセミナーですが、ぜひご一緒にいらっしゃいませんか。
・どちらまでいらっしゃいますか?
「ございます」「いらっしゃいます」の使い分け
「ございます」「いらっしゃいます」の使い分けが適切にできていますか?ビジネスでよく使う例文をみていきましょう。
相手が誰なのか?と考えると理解しやすいです♡5問の例題を一緒にみていきましょう!
例題1【社外での会話】
「ございますか…?」
恐れ入りますが、A社の田中様でございますか?
なぜ?なのか考えてみましょう。
【適切な使い方】
「恐れ入りますが、A社の田中様でいらっしゃいますか」です。
【ポイント】
・クッション言葉の「恐れ入ります」が使えていいのですが、「A社の田中様」は社外の人のため「ございますか」は適切ではありません。
【補足です】
クッション言葉とは、「お願い」や「お断り」などをするときに使い、全体を柔らかい印象にしてくれる言葉です。言いにくいことをストレートに伝えてしまうと、相手は受け入れられなかったり、ショックを受けてしまいます。クッション言葉を使うことで相手に嫌な思いをさせずに用件を伝えることができます。
例題2【社外の人に対して同じ部署の佐藤さんを紹介している】
「ございます」が適切に使えていますね!
例題3
佐藤様でいらっしゃいますね。
はい。私は佐藤でございます。
適切に使えていますね。自分については「ございます」を使います。
例題4
失礼ですが、田中さんはどちらのご出身でいらっしゃいますか?
都内です。
相手のことなので「いらっしゃいますか?」が適切ですね♡
例題5
A社の入り口に飾られている、絵画は大変きれいでいらっしゃいますよね。
「いらっしゃいますね…?」
なぜ?なのか考えてみましょう。
【適切な使い方】
「大変素晴らしい絵画でございますね」です。
【ポイント】
・絵画を称賛することはいいことです。しかしながら絵画は物のため「いらっしゃいます」は適切ではありません。シチュエーションにもよりますが「ございます」を使いましょう。
まとめ
「ございます」は「ある」の丁寧語、「いらっしゃる」は「いる」や「行く」「来る」の尊敬語です。「~様でございますね」という使い方は一般的ではありません。これらの言葉を使う際は、話しかける相手が自分、身内、それとも目上の方なのかを意識しましょう。状況に合わせて使い分けることで、より丁寧な表現になります。