「いただけない」という言葉、日常会話でもビジネスシーンでもよく耳にしますよね。丁寧な表現として使われることが多いのですが、実は「いただけない」には複数の意味があります。この記事では、「いただけない」の意味を詳しく解説し、様々な場面で使える例文をご紹介します。
「いただけない」って「もらえない」の丁寧な言い方ですか?
「もらえない」の意味のほかにも、いくつか意味がありますよ。
「いただけない」3つの意味と敬語
「いただけない」は、主に以下の3つの意味を持ちます。
1)物を受け取れない
意味:何かを贈られたり、提供されたりしても、それを受け入れることができないことを表します。
例文:「心ばかりの贈り物ですが」と差し出された品物に対して、「誠にありがとうございます。恐縮ですが、今回はいただけません。」
【敬語】
「いただく」は「もらう」の謙譲語です。
「ない」は打ち消しになります。
相手の好意に感謝しつつ、その申し出を受け入れることができないことを伝えることです。
2)感心できない
意味:相手の言動や物事に対して、満足できない、あるいは不快に感じていることを婉曲表現で表します。
例文:デザインが少し古く、今のトレンドに合っていないため、この商品はいただけません。
3)許可が下りない
意味:相手の要求や依頼に対して、許可ができない状況を表します。
例文:規約上、そのサービスはご利用いただけません。
【補足です】
「いただけないです」と「いただけません」は「いただけない」の丁寧語になります。
「いただけない」よく使う例文12選
「いただけない」は状況によって異なる意味を持つ表現です。それぞれの意味に応じて具体的な例文を挙げます。
例文を理解すると、「いただけない」の使い分けがよくわかります♡
1)物を受け取れない(拒否・辞退)
・高価なものですので、私にはとてもいただけません。
・大変恐縮ですが、これ以上のご厚意はいただけません。
・そのお気持ちだけで十分ですので、プレゼントはいただけません。
・今回は辞退させていただきますので、お気持ちだけありがたく頂戴いたします。
【社外の人との会話】
気持ちばかりの品物ですが。
この度はご厚意に感謝いたしますが、お気持ちばかりということで、これ以上のお礼はいただけません。
「いただけません」が適切に使えていますね♡
2)感心できない
相手の行動や考え方に対する不満や疑問を控えめに表現します。
・この提案は問題点が多く、いただけない内容です。
・周りの人を傷つけるような発言は、いただけないですね。
・そのような言動は、社会人としていただけないと思います。
・この内容では、個人的にはちょっといただけないと思います。
・お客様への対応が不十分であり、いただけないと感じています。
3)許可が下りない(許可が得られない・認められないこと)
・ご納得いただけない点があるため、再検討が必要です。
・今の条件では、取引先からの承認をいただけない可能性があります。
・ご提示の条件では、残念ながらお取引をいただけないと考えております。
「いただけない」はひらがな・漢字表記?
「いただけない」は、どちらの表記も使用されますが、それぞれのニュアンスや使い分けがあります。
「いただけない」
補助動詞として使う時は、ひらがな表記になります。
例文:少しだけでも、お話を聞かせていただけないでしょうか。
↓補助動詞とは?赤ラインと青ラインで見てください♡
【補足です】補助動詞とは?
補助動詞とは、前の動詞とセットで使われることが多く、他の動詞を丁寧にするための補助的な役割として使われます。
「頂けない」
「もらう」「食べる」「飲む」などの謙譲語として使用される時には漢字表記になります。
例文:このお菓子を頂けないでしょうか?
(このお菓子をいただいてもよろしいでしょうか、という丁寧な尋ね方)
「頂けないでしょうか?」は目上の人にも使える表現です♡
「いただけない」の言い換え・類語
「いただけない」の言い換えについてみていきましょう。状況によってはより適切な言い換えがあります。以下、3つの言い換え表現について、特徴と例文を詳しくご紹介します。
「いたしかねます」
相手に敬意を払いながら、断ることを婉曲的に表現しています。
意味:依頼や要求を断る際に用いる丁寧な表現です。目上の人やビジネスシーン場面でよく使われます。
例文:今回のご依頼内容が、弊社の業務範囲外となるため、申し訳ございませんがお受けいたしかねます。
「お受けいたしかねます」
丁寧でありながらも、断る意思を明確に伝える言葉です。
意味:依頼や申し出を断る際に用いる丁寧な表現です。
例文:大変申し訳ございませんが、今回はお受けいたしかねます。
「お受けできません」よりも「お受けいたしかねます」の方がやんわり断る表現です♡
「感心しない」
意味:相手の行為や言葉に対して、良くない印象を持っていることを表します。
使い方:きつい印象の言葉遣いのため、ビジネスシーンなどでは不適切な場合があります。
例文:そのような提案には、残念ながら感心しません。
まとめ
「いただけない」とは、確かに様々なニュアンスを持つため、使い分けに注意が必要ですね。上記の例文や使い方を参考にしてみてください。