暦の上では春を迎えたものの、寒さが続く日々。そんな時に役立つのが、手紙や挨拶状で季節を表す「時候の挨拶」です。「立春」という言葉を使って、相手に気持ちを伝えたいと思っても、どんな言葉を使えば良いか迷う方もいるのではないでしょうか?この記事では、「立春」や、この時期に使える季語や時候の挨拶の例文、メール文を紹介します。
立春(りっしゅん)の意味
立春(りっしゅん)は二十四節気のひとつで、春の始まりを告げる日です。暦の上では、冬の寒さが終わり、暖かくなる季節の到来を意味します。
二十四節気とは、太陽の動きをもとに1年を24に分けた、季節を表す区分のことです。

↑立春は、その年の最初の節気であり、春を告げる重要な日なのです♡
立春はいつ?
毎年2月4日頃にあたり、この日から「雨水(うすい)」2月18日ころまでの期間を指します。立春は、冬の寒さが和らぎ、春の兆しが見え始める時期です。
時候の挨拶で「立春」はいつから使える?
「立春」を使った時候の挨拶は、立春の期間(2月4日頃~雨水の前日)に使用するのが一般的です。ただし、地域や相手との関係性によっては、立春を過ぎてもしばらくは「立春」の挨拶を使うことができます。

「立春」は2月18日ころまで使いますが、それ以降は以下の季語を使ってみてください♡
立春の挨拶に使える季語
2月4日頃の立春は、暦の上で春が始まる日です。まだまだ寒さは残るものの、日ごとに春の兆しが感じられる頃です。そんな立春の挨拶に使える季語は、以下のようなものがあります。

相手の状況や季節感を考慮した言葉を選ぶことで、温かい気持ちのメッセージになります♡
【手紙や挨拶状・メールに使える季語】
立春の候:立春の季節を表す最も一般的な言葉です。
向春の候(こうしゅん):春に向かっている季節を指します。2月は暦の上で立春を迎えることから、向春は2月上旬から下旬まで使える挨拶です。
春寒の候(しゅんかん):暦の上では春になったものの、まだまだ寒さが残っているという意味です。
梅花の候(ばいか):梅の花は春の訪れを告げる花として知られており、立春を迎える2月にはぴったりの季語です。
寒明の候(かんあけ):最も寒かった時期が終わり、春が近づいているという意味です。立春を迎える上旬から中旬頃に適しています。
余寒の候(よかん):まだ冬の寒さが残っているという意味で、春寒よりも、冬の寒さが完全に過ぎ去っていない、というニュアンスです。立春を過ぎ、しばらく使います。
雨水の候(うすい):二十四節気の2番目にあたり、春が少しずつ深まっていく様子を表します。立春を過ぎた後、2月下旬頃まで使われます。

↑これらの時候の挨拶は、手紙やメールだけでなく、電話や対面での会話でも活用できます♡
立春の挨拶「書き出し」「結び」
立春は、冬の終わりを感じ、春の息吹が感じられる季節の変わり目です。そんな立春にぴったりの挨拶の例文を書き出しと結びご紹介します。状況や相手に合わせて、ぜひご活用ください。

【書き出し】
・余寒厳しき折から、しだいに春めいてまいりました。
・立春の候、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
・春陽の候、皆様におかれましてもご清祥のことと存じます。
・春暖の候、平素は格別のご高配を賜り、心より感謝申し上げます。
・立春の候、皆様におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
・立春が過ぎ、少しずつ春の気配を感じる今日この頃、〇〇様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
【結び】
・寒さはまだ続きますので、どうぞご自愛ください。
・立春を迎え、何かとご多忙の折とは存じますが、くれぐれもご自愛ください。
・春の到来とともに、皆様の事業が益々発展されますよう心よりお祈り申し上げます。
立春の挨拶文
2月4日頃の立春は、暦の上で春が始まる日です。ビジネスシーンや目上の方への挨拶では、季節の移り変わりを意識しつつ、相手の健康や繁栄を祈る言葉を添えると、より丁寧な印象になります。

手紙はより丁寧で格式を重んじた表現が好まれます♡
ビジネスシーン
拝啓
立春の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、(本題)。
末筆ながら、皆様のご健康と貴社のご繁栄を心よりお祈り申し上げます。
敬具
拝啓
立春の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
日頃よりご厚情を賜り、深く感謝申し上げます。
さて、(本題)。寒さ厳しき折、皆様のご健勝をお祈り申し上げます。
敬具
目上の人向け
拝啓
立春の候、〇〇様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
平素より格別のご高配を賜り、心より感謝申し上げます。
まだ寒さ厳しき折、どうかお身体を大切にお過ごしくださいませ。
敬具
拝啓
立春とはいえ、寒さが続いておりますが、〇〇様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。
日頃のご厚情に深く感謝申し上げます。
寒さ厳しき折、くれぐれもご自愛のほどお願い申し上げます。
敬具
立春の挨拶メール文例
メールには本来の目的があるため長くなりすぎないよう注意が必要です。メールの冒頭に季節の挨拶を入れると、本題に入るまでに時間がかかることがあります。そのため、結びの挨拶として用いるのも一つの方法です。

メールの場合は件名は、簡潔にわかりやすく♡
取引先への挨拶メール
件名:〇〇のご案内(または〇〇のご報告)
〇〇株式会社〇〇様
立春を迎えましたが、まだまだ寒さが厳しい日々が続いております。貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、本日は〇〇の件につきまして、ご案内申し上げます。(本題を簡潔に述べる)
末筆ながら、寒さ厳しき折、くれぐれもご自愛のほどお願い申し上げます。
△△株式会社△△
お礼のメール
件名:〇〇についてのお礼
〇〇株式会社〇〇様
いつもお世話になっております。
先日は□□につきまして、貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました。
ご教示いただいた内容をもとに、今後の対応を進めてまいります。(本題)
立春とはいえ、まだまだ寒さが続くようです。くれぐれもお体にはお気をつけくださいませ。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
△△株式会社△△
目上の人への挨拶メール
拝啓
立春を迎え、暦の上では春となりましたが、 まだまだ寒さが続きますね。
〇〇様におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。
寒さ厳しき折ではございますが、 お変わりなくお過ごしのことと存じます。
さて、この度〇〇ですが、(本題・伝えたい内容)
まだまだ寒さは続きますが、どうぞご自愛のほどお過ごしください。
末筆ながら、〇〇様のご健康とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
敬具
まとめ
「立春」は、冬から春へと季節が変わる大切な時期であり、時候の挨拶にもよく使われる言葉です。この記事でご紹介した季語や例文を参考に、相手に気持ち伝わるあたたかい挨拶をしてみてください。