「及ばず(およばず)ながら」とは、協力したい・役に立ちたい・手伝いをしたい時に使います。自分の力は十分ではありませんがという意味を持つ謙譲の表現になります。
例えば「及ばずながらお力になれれば幸いです」とは、「私の力は十分ではありませんが、あなたのお役に立てればうれしく思います」という意味になります。自分の力量を控えめに伝える言葉遣いです。よってビジネスの場では、目上の人に対して使います。
「及ばずながら」の例文や言い回しを紹介していますので、ご参照いただけましたら幸いです。「及ばずながら」を使って、相手の力になれたらいいですね。
「及ばずながら」の読み方
「及ばずながら」およばずながらと読みます。
「言及(げんきゅう)」「追及(ついきゅう)」という熟語にも使われています。「及」の意味は「ある範囲まで届く」という意味になり、「及ばず」は否定形です。
「及ばずながら」意味
「及ばずながら」の意味、使う時についてみていきましょう。
「及ばずながら」の意味
・自分の力は十分ではないけれどと、へりくだっていうこと
・少しの力(ちから)であるということ
「及ばずながら」を使う時とは
・協力したい時、役に立ちたい時、手伝いをしたい、応援したい時に使います。
・目上の人、取引先の人に対して使います。
・つつましく、奥ゆかしい表現を加えたい時に使います。
協力をしたい時に「及ばずながら」を使うのですね。
「自分の力は十分ではないのですが」という謙遜の意味を持つ言葉遣いです。
「及ばずながら」の使い方
ビジネスの場で、よく使われる「及ばずながら」の使い方や例文についてみていきましょう。
「及ばずながら」の使い方
・及ばずながらお手伝いさせていただきます。
・及ばずながらお手伝いさせてください。
・及ばずながらお手伝いいたします。
・及ばずながら協力させてください。
・及ばずながら尽力いたします。
・及ばずながら尽力させていただきます。
・及ばずながら尽力いたします。
・及ばずながら精一杯頑張ります。
・及ばずながら全力を尽くします。
・及ばずながら微力を尽くします。
・及ばずながらお力添え(おちからぞえ)いたします。
「及ばずながら」とは、相手に協力をしたい時に使う謙遜の言葉遣いです。「及ばずながら」+協力する、役に立ちたい、応援したいという言葉が続きますね。
【及ばずながらに続く言葉】
「及ばずながら」に続く言葉、上記の〜の部分については、下記ご参照くださいませ。
〜させてください
〜させていただきます
〜いたします
※〜の部分には、協力する言葉・役に立ちたい言葉・応援する言葉が入ります。
「及ばずながら」の例文
「及ばずながら」の例文についてみていきましょう。
【社内での会話】
明日の準備、手伝ってもらっていいかな?
及ばずながら、お手伝いさせてください
「自分の力は十分ではないけど、手伝わせてください」という意味になります。
【社内での会話】
明日の会議ですが、代わりに出てくれないかな?
かしこまりました。及ばずながら、尽力いたします。
「尽力いたします」でもいいのですが、「及ばずながら」を加えることで奥ゆかしさが感じられます。上司に対しては「かしこまりました」か「承知いたしました」を使いましょう。
【社内での会話】
課長は、及ばずながら頑張っていますね。
及ばずながら頑張っていますね?
なぜ?課長は??なったのでしょう。考えてみましょう。
「及ばずながら」は、自分に対して使う言葉です。誤った使い方をすると、失礼になりますので気をつけましょう。
上司に向ける言葉遣いとしては、
「陰ながら、応援しています」
「私は、心より応援しております」
「ご成功をお祈りしております」
「ご健闘をお祈りしております」を使いましょう。
「及ばずながら」は、自分に対して使う言葉です。正しく使いましょう。
「及ばずながら」の言い換え
「及ばずながら」の言い換えについてみていきましょう。言い換えは「僭越ながら」「微力ながら」「憚りながら」「恐縮ながら」の4つを挙げています。
「僭越ながら(せんえつながら)」
自分の意見や行動が相手に対して出過ぎた時に、相手が不快にならないために「僭越ながら」を使います。目上の人に対して使う言葉です。
例文
・僭越ながら、私の意見を申し上げます。
意味
・自分の地位を超えて意見を申し上げますが、どうかご不快にならないようにという意味です。
「微力ながら(びりょくながら)」
「自分の力量は少しですが」という謙遜の意味を持ちます。
例文
・微力ながら精一杯頑張ります。
意味
・自分の力量は少しばかりですが、精一杯頑張りますと意味になります。
「憚りながら(はばかりながら)」
「遠慮すべきことですが・恐縮ですが」という意味で、目上の人に対して進言する時に使います。
例文
・憚りながらご注意申し上げます。
意味
・自分が注意を申し上げるのは、遠慮すべきことですがという意味になります。
「恐縮ながら(きょうしゅくながら)」
相手の厚意が自分にはもったいない時や、辞退をする時に、相手に申し訳ない気持ちを伝える手段として使います。
例文
・恐縮ながら、辞退させていただきます。
意味
・辞退することについて、申し訳なく思っていることを表しています。「辞退させていただきます」だけよりも気持ちがこもった言い回しになります。
まとめ
「及ばずながら」とは、謙虚な気持ちを持って、前向きに相手の力になりたい時の言葉遣いです。「及ばずながら」を正しく使って、協力やお手伝いができたらいいですよね。「及ばずながら」の使い方に悩んだ時に参考にしていただけたら幸いです。