梅雨の季節を迎える6月は、ビジネスやプライベートのやり取りでも季節感のある挨拶文が喜ばれます。本記事では、6月上旬・中旬・下旬に使える挨拶の文例を豊富にご紹介。メールや手紙、はがきなどに使える丁寧な表現や、やわらかい言い回しまで、幅広く紹介しています。挨拶文の書き出しや結びにお悩みの方はぜひ参考にしてください。
6月時候の挨拶

6月の時候の挨拶では、梅雨の季節感や初夏の訪れを感じさせる表現がよく使われます。「梅雨の候」「初夏の候」などの漢語調の挨拶に加え、「紫陽花が美しく咲く季節となりました」「雨に濡れた緑がいっそう鮮やかに感じられる頃です」「しっとりとした空気に、初夏の気配が感じられる季節となりました」など、やわらかい口語調の挨拶も好まれます。
時候の挨拶は、季節の移り変わりや気候の特徴を表現する言葉です。使うタイミングは明確に区切れないこともありますが、以下に使用の目安をまとめましたので、参考にしてみてください。
時候の挨拶 | 意味 | 使用時期の目安 |
万緑の候 | 草木の緑が濃く生い茂る候。生命力あふれる様子。 | 5月5日~6月4日 |
薄暑の候 | わずかに暑さを感じる候。初夏の到来を示唆します。 | 5月5日~6月4日 |
初夏の候 | 夏の初めの候。さわやかな夏の始まりを感じさせます。 | 5月下旬〜6月上旬 |
青葉の候 | 青々とした葉が茂る候。緑が美しい季節を表します。 | 5月中旬〜6月中旬 |
向夏の候 | 初夏を感じさせる季節のご挨拶。清々しい気候を表します。 | 6月全般 |
向暑の候 | 暑さに向かう時期のご挨拶。日中の気温上昇を伝えます。 | 6月全般 |
深緑の候 | 木々の緑が濃くなる季節のご挨拶。生命力溢れる時期を表します。 | 6月全般 |
入梅の候 | 梅雨の季節に入ったことのご挨拶。本格的な雨期到来を示唆。 | 6月上旬〜6月中旬 |
梅雨の候 | 梅雨入りし、雨が続く時期のご挨拶。しっとりした季節感を表現。 | 6月中旬〜6月下旬 |
短夜の候 | 夏至を過ぎ、夜が短くなる頃のご挨拶。夏の盛りを示します。 | 6月中旬〜6月下旬 |
夏至の候 | 昼が最も長くなる頃のご挨拶。夏の本格的な到来を感じさせます。 | 6月21日〜6月下旬 |
長雨の候 | 梅雨の長雨が続く時期のご挨拶。じめじめとした季節感を表現。 | 6月下旬 |
小夏の候 | 初夏を過ぎ、本格的な夏が始まるころのご挨拶。 | 6月下旬〜7月上旬 |
6月上旬の挨拶文
6月上旬は、梅雨入りが近づき、新緑が目に鮮やかな季節です。まだ本格的な夏ではないものの、日差しが強く感じられる日もあり、爽やかさと同時に少しずつ蒸し暑さも感じ始める頃。そんな時期の挨拶文は、季節の移ろいを意識しつつ、相手を気遣う気持ちを込めることが大切です。
6月上旬の挨拶文のポイント
時候の挨拶:「万緑の候」「初夏の候」「向暑の候」「向夏の候」「薄暑の候」「深緑の候」「青葉の候」「入梅の候(梅雨入り直前〜梅雨入り頃)」などが適切です。
季節の話題:新緑、紫陽花のつぼみ、衣替え、田植え、夏至(6月下旬ですが、上旬から意識しても良い)など。
気遣いの言葉:天候の変わりやすさや、日差しが強くなることへの体調への配慮を盛り込むと良いでしょう。
ビジネス向け例文
ビジネスシーンでは、丁寧さと簡潔さを意識しつつ、季節感を取り入れて、相手への配慮を示す会話やメールにしましょう。
書き出しの例文【漢語調:フォーマルな場面や目上の人へ】
「初夏の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」
解説:最も一般的で丁寧な書き出しです。「初夏の候」は、清々しい初夏を感じさせる言葉です。
「薄暑の候、皆様におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。」
解説:少し暑さを感じる頃に使う表現です。相手の安否を気遣う言葉を加えることで、より丁寧な印象になります。
「青葉の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。」
解説:新緑の美しさに触れ、相手の発展を願う表現です。
「入梅の候、貴社におかれましては益々ご隆盛のことと拝察申し上げます。」
解説:梅雨入りが間近、または梅雨入りした直後に用います。少しかしこまった印象になります。
書き出しの例文【口語調:社内、親しい取引先など】
「いつもお世話になっております。新緑のまぶしい季節となりましたが、〇〇様におかれましては、お元気でご活躍のことと存じます。」
解説:メールや日常的なやり取りに適した、ややくだけた表現です。相手の具体的な状況を気遣う言葉を添えています。
「〇〇様、こんにちは。初夏の風が心地よい季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。」
解説:親しい関係性で、メールや手紙、チャットで用いる際に適しています。

↓上記は書き出し部分なので本文へのつなぎ(例)も参考にしてください♡
本文へのつなぎ(例)
- 「さて、先日は〜(本文)〜」
- 「つきましては、〜(本文)〜」
- 「平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。さて、〜(本文)〜」
結びの例文【漢語調:フォーマルな場面や目上の人へ】
「向暑の折、皆様のご健勝と貴社の一層のご発展を心よりお祈り申し上げます。」
解説:これから暑くなる季節に向けて、相手の健康と会社の発展を祈る、丁寧な結びです。
「時節柄、どうぞご無理なさらないよう、ご自愛くださいませ。」
解説:体調を気遣う言葉で、相手への配慮を示します。
結びの例文【口語調:社内、親しい取引先など】
「梅雨入りも間近ですが、くれぐれも体調を崩されませんよう、ご留意ください。」
解説:季節の変わり目における体調管理への気遣いを具体的に示しています。
「青葉の美しい季節、〇〇様のさらなるご活躍を心よりお祈りしております。」
解説:爽やかな季節感と、相手の活躍を願う気持ちを込めた結びです。
「今後とも変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。」
解説:継続的な関係性を望む場合の汎用的な結びです。
プライベート向け例文
プライベートな手紙やメッセージでは、よりパーソナルな季節の話題や、相手の状況に合わせた温かい言葉を盛り込むと良いでしょう。梅雨、紫陽花、衣替えなど、6月特有の季節の話題に触れる言葉の例も盛り込むと、より情緒豊かな挨拶文になります。
書き出し
「〇〇さん、こんにちは。新緑が目に鮮やかな季節となりましたが、いかがお過ごしですか。」
解説:季節の描写から入り、相手の近況を尋ねる親しみやすい書き出しです。
「いよいよ梅雨入りが近づいてきましたね。〇〇さんはお変わりなくお過ごしでしょうか。」
解説:時事的な話題に触れつつ、相手の安否を気遣う表現です。
「最近は日差しが強く、初夏を感じる日も増えましたが、〇〇さんはお元気ですか?」
解説:気温の変化に触れ、体調を気遣う気持ちを伝えます。
結び
「梅雨の時期に入りますが、〇〇さんも体調を崩されませんよう、気をつけてくださいね。」
解説:これからの季節の体調を気遣うメッセージです。
「じめじめした日も増えるかもしれませんが、気持ちだけでも爽やかに過ごしましょう。」
解説:明るくポジティブな言葉で、相手を励ます結びです。
「また近いうちに会えるのを楽しみにしています。〇〇さんにとって良い6月になりますように。」
解説:再会を願う言葉と、相手の幸福を祈る気持ちを伝えます。
6月中旬の挨拶文

6月中旬は、梅雨本番を迎え、雨の日が多くなる季節です。しっとりとした紫陽花が美しく咲き誇る一方で、蒸し暑さが増し、体調を崩しやすい時期でもあります。そんな時期の挨拶文は、梅雨の季節感を意識しつつ、相手の体調を気遣う気持ちを込めることが大切です。
6月中旬の挨拶文のポイント
時候の挨拶: 「入梅の候」「梅雨の候」「長雨の候」「紫陽花の候」などが適切です。
季節の話題: 紫陽花、雨、梅雨寒、蒸し暑さ、衣替え、七夕(下旬ですが、意識しても良い)など。
気遣いの言葉: 天候の変わりやすさや、蒸し暑さ、体調管理への配慮を盛り込むことをおすすめします。
ビジネス向け例文
書き出しの例文【漢語調:フォーマルな場面や目上の人へ】
「入梅の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」
解説:「入梅の候」は梅雨の時期に最も一般的で丁寧な書き出しです。
「梅雨の候、皆様におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。」
解説:梅雨の時期を表す定番の表現です。相手の安否を気遣う言葉を加えることで、より丁寧な印象になります。
「紫陽花の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。」
解説:紫陽花が見ごろを迎える時期にふさわしい、風情ある表現です。
書き出しの例文【口語調:社内、親しい取引先など】
「いつもお世話になっております。梅雨の時期となりましたが、〇〇様におかれましては、お元気でご活躍のことと存じます。」
解説:メールや日常的なやり取りに適した、ややカジュアルな表現です。相手の具体的な状況を気遣う言葉を添えています。
「〇〇様、こんにちは。紫陽花が美しい季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。」
解説:より親しい関係性で、メールやチャット手紙で用いる際に適しています。
結びの例文【漢語調:フォーマルな場面や目上の人へ】
「梅雨冷えの折、皆様のご健勝と貴社の一層のご発展を心よりお祈り申し上げます。」
解説:梅雨の時期の気温の変化を気遣い、相手の健康と会社の発展を祈る、丁寧な結びです。
「時節柄、どうぞご無理なさらないよう、ご自愛くださいませ。」
解説:体調を気遣う言葉で、相手への配慮を示します。
結びの例文【口語調:社内、親しい取引先など】
「蒸し暑い日が続きますが、くれぐれも体調を崩されませんよう、ご留意ください。」
解説:季節の変わり目における体調管理への気遣いを具体的に示しています。
「雨の日が多くなりますが、〇〇様のさらなるご活躍を心よりお祈りしております。」
解説:雨の季節感と、相手の活躍を願う気持ちを込めた結びです。
プライベート向け例文
6月中旬のプライベートな手紙やメッセージでは、梅雨の様子や紫陽花など、季節感あふれる話題を添えましょう。相手の近況を気遣う温かい言葉を加え、心に残るメッセージを作成しましょう。

梅雨の時期ですが、清涼感のある言葉を意識しましょう♡
書き出し
「〇〇さん、こんにちは。紫陽花が美しい季節となりましたが、いかがお過ごしですか?」
解説:季節の話題から入り、相手の近況を尋ねる親しみやすい書き出しです。
「いよいよ梅雨本番となりましたね。〇〇さんはお変わりなくお過ごしでしょうか。」
解説:季節の話題に触れつつ、相手の安否を気遣う表現です。
「〇〇様、お元気でいらっしゃいますか。庭の紫陽花が少しずつ色づき始め、夏の訪れを感じる今日この頃です。」
解説:身近な季節の話題を取り入れ、丁寧かつ親しみやすい表現です。
「お変わりなくお過ごしでしょうか。若葉の緑が日に日に深まるこの頃、いかがお過ごしですか。」
解説:相手への敬意と親しみを込めて、季節の挨拶を伝えます。
結び
「向暑の折、どうぞご無理なさらないよう、くれぐれもご自愛ください。」
解説:丁寧な言葉で、体調への配慮を伝えます。
「時節柄、お風邪など召されませぬよう、どうぞご健康にお過ごしくださいませ。」
解説:季節の変わり目に向けた、健康を気遣う表現です。
「〇〇様のますますのご健勝を心よりお祈り申し上げます。」
解説:相手の健康と幸せを願う、丁寧な結びです。
6月下旬の挨拶文

6月下旬は、梅雨の終わりが近づき、蒸し暑さが本格化する時期。紫陽花の見頃が過ぎ、夏至を迎えるこの季節は、夏の気配が色濃く感じられる頃です。挨拶文では、季節の移ろいを丁寧に表現しながら、相手の体調や日常を気遣うことが大切です。
6月下旬の挨拶のポイント
時候の挨拶:「梅雨の候」「向夏の候」「盛夏の候(下旬から使い始めることも可能)」「夏至の候(夏至の時期に限定)」などが適切です。
季節の話題:紫陽花の見頃、梅雨明け、七夕(7月上旬ですが、下旬から意識しても良い)、夏の準備、半年の節目など。
気遣いの言葉::蒸し暑さや湿気による体調不良、熱中症への注意喚起など、相手の健康を気遣う言葉を盛り込むと良いでしょう。

暑くなりますから、体調を気遣う言葉など使ってみましょう♡
ビジネス向け例文
書き出しの例文【漢語調:フォーマルな場面や目上の人へ】
「向暑の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。」
解説:これから本格的な暑さに向かう時期に適した丁寧な表現です。
「夏至の候、皆様におかれましては益々ご健勝のことと存じます。」
解説:6月下旬ならではの季節の節目を意識した表現です。
書き出しの例文【口語調:社内、親しい取引先など】
「いつもお世話になっております。梅雨空が続いておりますが、〇〇様におかれましてはお変わりなくお過ごしでしょうか。」
解説:日常的なやり取りに適した表現で、天候への気遣いが伝わります。
「暑い日が続いておりますが、体調など崩されていませんでしょうか。」
解説:梅雨時特有の体調変化を気遣う、親しみやすいトーンの挨拶です。
結びの例文【漢語調:フォーマルな場面や目上の人へ】
「梅雨冷えの折、くれぐれもご自愛くださいますようお願い申し上げます。」
解説: 気温の変化に配慮した結び。丁寧な印象を与えます。
「厳しい暑さに向かう時節、貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。」
解説:これからの暑さに備え、健康と企業の発展を願う結びです。
結びの例文【口語調:社内、親しい取引先など】
「湿気が多く疲れが出やすい時期ですので、どうぞご無理なさいませんように。」
解説:相手の体調への気遣いを具体的に示す結びです。
「どうか健やかに、充実した夏をお迎えください。」
解説:夏の訪れに向けた前向きな気持ちを込めた締めくくりです。
プライベート向け例文
6月下旬のプライベートな手紙やメッセージでは、夏の訪れを感じさせる話題を取り入れましょう。梅雨明けの気配や夏至後の日差しなど、この時期ならではの季節感を盛り込みます。相手の体調や近況を気遣う温かい言葉を添えることで、より心に残るメッセージになります。
書き出し
「こんにちは。紫陽花が色鮮やかに咲き誇る季節となりましたが、お元気ですか?」
解説:梅雨の風物詩である紫陽花に触れた、親しみやすい書き出しです。
「梅雨明けが待ち遠しい今日この頃、〇〇さんはどのようにお過ごしですか?」
解説:季節の特徴を取り入れた、カジュアルな書き出しです。
「〇〇様、その後お変わりありませんか。雨音に初夏を感じる今日この頃です。」
解説:季節の情緒と相手の安否を丁寧に尋ねる挨拶です。
「梅雨の中休みの青空にほっとする毎日ですが、いかがお過ごしでしょうか。」
解説:気候の変化に触れた、柔らかい印象の書き出しです。
結び
「お身体を大切に、どうぞ穏やかにお過ごしくださいませ。」
解説:体調を気遣う丁寧な表現です。
「ご無理のないように、季節の変わり目を健やかにお過ごしください。」
解説:季節に配慮した丁寧な結びで、相手を気遣う気持ちが伝わります。
「〇〇様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。」
解説:フォーマルながらも温かみのある、締めの定型表現です。
「またお会いできる日を楽しみにしています。良い夏になりますように。」
解説:再会を願う気持ちと、相手の幸せを祈る丁寧な結びです。
まとめ
6月は梅雨の季節。ビジネスメールや手紙、プライベートなやり取りで季節感を取り入れた挨拶文は、相手への心遣いを伝える大切な要素です。この記事では、上旬・中旬・下旬それぞれの時期に合わせた例文を、丁寧な表現から親しみやすい言い回しまで幅広くご紹介しました。時候の挨拶に加えて、結びの言葉にもこだわって作成しましょう。ぜひ本記事を参考にしてみてください。