「初冬(しょとう)」とは、冬のはじまりを意味する季語で、11月下旬から12月初め頃に使われます。寒さの中にもやわらかな陽気が感じられる「小春日和(こはるびより)」の季節でもあります。
この時期のビジネスメールでは、「寒くなってまいりましたね」などの気遣いの一言を添えることで、より丁寧で印象のよい文面になります。本記事では、「初冬」の意味・読み方・使う時期に加えて、ビジネスで使える言い換え表現や挨拶文の例文をわかりやすく紹介します。
初冬(しょとう)とは?意味と使う時期
「初冬(しょとう)」とは、冬のはじまりを表す言葉で、暦の上では立冬(11月7日ごろ)から大雪(12月7日ごろ)までの時期を指します。寒さが徐々に深まる中にも、日差しにぬくもりを感じる「小春日和(こはるびより)」が訪れる季節です。
ビジネスメールや手紙で「初冬の候」「初冬の折」などを使うと、季節感を伝えながら丁寧な印象になります。

「小春日和(こはるびより)」とは、初冬の頃の穏やかで暖かな天気のことです♡
「初冬」の読み方と使い方のポイント
「初冬」の正しい読み方(しょとう?はつふゆ?)と、ビジネス文書での適切な使い方、特に時候の挨拶として用いる際のルールとマナーを解説します。
・しょとう(音読み):ビジネス文書や漢語調の挨拶(初冬の候)一般的な使い方です。
・はつふゆ(訓読み):俳句や和歌など、より情緒的な表現で使います。
「初冬の候」の使い方

・初冬の折、皆さまお元気でお過ごしでしょうか。
・初冬の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
「候(そうろう)」は、「~となりました」や「~の候」のように使われる、改まった文書(ビジネス文書、フォーマルな手紙など)で使う大変丁寧な表現です。
社内や親しい取引先への略式・口語的なメールでは、「初冬を迎え、朝晩は冷え込むようになりましたが」など、口語調の表現を使うと親しみやすくなります。
「初冬」の言い換え表現・関連する季語
「初冬」は「冬のはじまり」を表す言葉ですが、ここでは「初冬」の言い換えや漢語調の時候の挨拶や、この時期ならではの季語(小春日和、木枯らしなど)について紹介します。
漢語調の言い換え(ビジネス向け)
向寒(こうかん)の候
意味:「寒さに向かう頃」という意味。これから本格的な冬の寒さに入る時期。
時期:11月7日(立冬)〜12月20日(冬至)ころまで
立冬(りっとう)の候
意味:「立冬(二十四節気の一つ)の頃」という意味。暦の上で冬の始まりを示します。
時期:11月7日(立冬)〜11月23日(小雪)ころまで
孟冬(もうとう)の候
意味:(孟=始めの意)。冬の最初、つまり初冬の時期を指します。
時期:11月7日(立冬)〜12月6日ころまで
初冬の情緒を表現する季語(口語調にも使える)

以下の表現を使うことで、より自然でやわらかな季節感を表現できますよ♡
| 意味・使う時期 | 例文 | |
| 小春日和(こはるびより) | 晩秋から初冬にかけての、春のように穏やかな晴天 | 小春日和の陽気が心地よい季節となりました。 |
| 立冬(りっとう) | 暦の上で冬が始まる日(11月7日ごろ) | 立冬を迎え、朝晩の冷え込みが厳しくなってまいりました。 |
| 冬浅し(ふゆあさし) | 冬が始まったばかりの時期 | 冬浅き折、皆さまいかがお過ごしでしょうか。 |
| 冬めく | 少しずつ冬らしくなる様子 | 空気が冬めいてまいりましたね。 |
「初冬の挨拶文」ビジネスメールで使える例文まとめ
件名から頭語・結語まで含めた、漢語調(フォーマル)と口語調(カジュアル)のビジネスメール例文を紹介。挨拶文はすぐに使えるようにまとめています。
漢語調のフォーマルな例文(取引先・目上の人へ)
頭語:拝啓
時候の挨拶(初冬の候):「初冬の候、貴社におかれましては、いよいよご清栄のこととお慶び申し上げます。」
結びの言葉:「寒冷の折、皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。まずは略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます。敬具」

手紙の際に「拝啓」「敬具」はセットで使います♡
初冬の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
寒さが増してまいりましたので、皆さまどうぞご自愛ください。
口語調のカジュアルな例文(親しい取引先・社内向け)
書き出し: 「小春日和の穏やかな日もございますが、朝晩はめっきり冷え込むようになりました。皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。」
結びの言葉: 「これから本格的な寒さとなります。どうぞご自愛専一にてお過ごしくださいませ。」
初冬の折、朝晩の冷え込みが感じられるようになりました。
お体を大切にお過ごしください。
〇〇について何卒どうぞよろしくお願いいたします。
小春日和の陽気が心地よい季節となりました。先日はお忙しい中、ご対応いただき誠にありがとうございました。
寒さが厳しくなる折、どうぞお体にお気をつけてお過ごしください。
初冬の挨拶に添える「気遣いの一言」例文
ビジネスメールの結びで、形式的な「ご自愛ください」だけでなく、相手に心遣いが伝わる一言を添えたいですよね。ここでは丁寧かつ好印象な体調を気遣う表現をご紹介します。

「気遣いの締めの表現」を加えることで、形式的になりすぎず、ビジネスでも親しみのあるメールになります♡

・寒さ厳しき折、くれぐれもご自愛くださいませ。
・体調を崩しやすい時期ですので、くれぐれもお体を大切に。
・朝晩の冷え込みが厳しくなってまいりましたので、どうぞご自愛ください。
・季節の変わり目、どうぞご健康に留意され、お健やかにお過ごしください。
・温かい飲み物が恋しい季節になりましたね。どうぞ健やかにお過ごしください。
・小春日和の暖かな日もございますが、寒暖差で体調を崩されませんようご留意ください。
・これから本格的な冬を迎えます。お風邪など召されませぬよう、お体を大切にお過ごしください。
・年末に向けてご多忙の折と存じますが、お疲れが出ませんよう、どうかご無理なさらぬようご自愛ください。
まとめ
「初冬」は、冬の訪れを感じると同時に、まだどこか穏やかさが残る季節。ビジネスメールでは「寒くなってまいりましたね」などの気遣いとともに、「初冬の候」「小春日和の折」などの季語を添えると、礼儀正しく温かみのある印象になります。寒い季節こそ、心のこもった言葉で相手を思いやる一文を添えてみましょう。

