ビジネスシーンで深い感謝の気持ちを伝えたい時、どのような言葉が適切でしょうか?
ビジネスシーンでよく使われる「感謝の言葉もありません」は、深い感謝の気持ちを伝える時に使います。しかしながら、「ありません」という否定形があるため、ポジティブな意味なのかなと、とまどってしまうかもしれません。
このブログでは、ビジネスシーンで使える「感謝の言葉もありません」の意味や使い方、言い換えについて、詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
2つの意味があります。一緒にみていきましょう。
「感謝の言葉もありません」2つの意味
「感謝の言葉もありません」にはポジティブな意味とネガティブな意味があります。ポジティブな意味からみていきましょう。いずれもビジネスシーンで使われます。
「感謝の言葉もありません」ポジティブな意味
「感謝の言葉もありません」ポジティブな意味とは、非常に深い感謝の気持ちを示します。
感謝の度合いが非常に深く、言葉で表現できないほど深く感謝していますという意味です。言葉では足りないほどの深い感謝を伝える時の表現です。
そのため使うシーンは、以下のような場合になります。例文や使い方については後述しています。
A)目上の人からアドバイスをもらって試験に合格
B)業務を教えてもらった時
C)取引先に感謝する時
「感謝の言葉もありません」ネガティブな意味
「感謝の言葉もありません」のネガティブな使い方は、感謝の気持ちが表現されないことで使われます。
例えば、以下のような場面では、「感謝の言葉もありません」がネガティブな意味合いで使われやすいです。
・(自分が)何かをしたり、助けたりしたことに対し、(相手から)全く感謝の気持ちを示されない時に使われます。
感謝の気持ちを一切伝えないことは、無礼な行為と捉えられます。
「感謝の言葉もありません」は感謝の気持ちを伝えたい時に使うことはわかりました。うまくこの言葉を使うにはどうしたらいいですか?
「使えるようになったらいいこと」からみていきましょう。
使えるようになるといいこと
「感謝の言葉もありません」を使えるようになると、
・感謝の気持ちをより深く伝えることができる
・信頼関係や協力の構築
※お互いに感謝の気持ちを共有することで、協力関係が構築されます。相手もまた、喜ばれることで良い仕事を続けたいという気持ちになります。人間関係を円滑にする効果があります。モチベーションアップにもなりますね。
いいことがたくさんです♡
いいことがたくさんなので、使ってみます!
「感謝の言葉もありません」使い方は、例文と一緒にみていきましょう。
「感謝の言葉もありません」の使い方
「感謝の言葉もありません」は敬語表現です。目上の人に使用できます。
「感謝の言葉もないです」は、同僚、部下
「感謝の言葉もありません」は、目上の人、親しい先輩
「感謝の言葉もございません」は、目上の人、取引先の人に対して使います。
例文はA)B)C)のシーンで例文をみていきましょう。
「感謝の言葉もありません」の例文
「感謝の言葉もありません」です。先ほど挙げましたA)B)C)のシーンで例文をみましょう。
A)目上の人からアドバイスをもらって試験に合格
B)業務を教えてもらった時
C)取引先に感謝する時
A)目上の人からアドバイスをもらって試験に合格
・先輩のアドバイスのおかげで、試験に合格することができました。感謝の言葉もありません。
・先輩のご指導のおかげで、合格することができました。心より感謝申し上げます。
・先輩のご指導のおかげで、合格することができました。本当にありがとうございました。
B)業務を教えてもらった時
・丁寧に教えていただき、おかげで少しずつ業務を覚えることができました。感謝の言葉もありません。
・丁寧に教えていただき、業務を覚えることができました。心より感謝申し上げます。
・ご指導のおかげで、業務を覚えることができました。心からお礼申し上げます。
・ご指導いただき、業務を覚えることができました。感謝の気持ちを忘れず、精進してまいります。
・私が困った時にサポートしてくださり、本当にありがとうございます。感謝の言葉が見つかりません。
・ご指導とお力添えに感謝しております。
使いやすいように言い換えを多く挙げています。ぜひご参考にしてくださいませ。
C)取引先に感謝する時
・貴社のご協力のおかげで、プロジェクトを成功させることができました。感謝の言葉もありません。
・貴社のご協力のおかげで、プロジェクトを成功させることができました。心より感謝申し上げます。
・貴社のご支援により、お客様からの評価が向上し、ビジネスの拡大につながりました。私どもとしては、感謝してもしきれません。
・今回のプロジェクトの成功は、貴社のご協力があってこそです。 深く感謝いたします。
【社内での会話】
先輩のご指導のおかげで、新しい業務を覚えるスピードが早まり、自信を持って業務に取り組めています。感謝の言葉もありません。
そう言ってもらえて、とてもうれしいです。頑張っていきましょう。
「感謝の言葉もありません」を使う時のポイントを説明します。
「感謝してもしきれない」を使う時のポイント
上記の会話では、
1. 具体的な理由を述べる:新しい業務を覚えるスピードが早くなった理由が「先輩のアドバイス」にあることが明確に伝わり、感謝の気持ちが伝えやすくなります。
2. 謙虚で丁寧な表現: 「自信を持って業務に取り組めています。感謝の言葉もありません」という表現は、謙虚で誠実な感謝の気持ちを伝えています。
具体的な理由を述べ、謙虚で丁寧な表現で、相手への配慮をすることで、効果的に感謝の気持ちを伝えることができます。
「感謝の言葉もありません」を文中のどこに入れたらいいのか?
「感謝の言葉もありません」を文のどこに入れたらいいのか悩みませんか?私は、考えてしまうことがあります。下記の文例をよろしければご参考にしてください。
1)ご協力に、心から感謝申し上げます。その中でも、特に、○○にご尽力いただいたことに、感謝の言葉もありません。
2)ご協力のおかげで、○○の課題解決ができましたことに感謝の言葉もありません。
1)2)は、相手への感謝の気持ちを伝えたい文例です。
文の最後に「感謝の言葉もありません」置くことで、強調ができます。
多くの文例を見てきましたが、「感謝の言葉もありません」を、文の最後に置いて、その前に、具体的な感謝の内容を示すことで、冗長(じょうちょう)な印象にならずに伝わりやすい表現になります。
「感謝の言葉もありません」の言い換え
「感謝の言葉もありません」の言い換えをみていきましょう。
感謝してもしきれない
「感謝してもしきれない」とは、感謝の度合いが非常に深く、その感謝の大きさや深さを言葉で十分に表現できないほどだという意味です。言葉では足りないほどの深い感謝を伝える時に使う表現です。
・いつも私のことを見守ってくださり、ありがとうございます。本当に感謝してもしきれません。
・皆さんのおかげで、今回の企画を達成することができました。感謝してもしきれないです。
※こちらもご参照くださいませ。
感謝の念に堪えません
「感謝の念に堪えません」とは、ありがたいと思う気持ちが抑えようもなく、あふれてくる。非常に深い感謝の気持ちを示します。とてもかしこまった表現です。
・昨年は格別のご指導を賜りまして、感謝の念に堪えません。
・皆さまの温かいお言葉や、温かいお祝いのお気持ちに、感謝の念に堪えません。
※こちらもご参照くださいませ。
感謝の言葉しかありません
「感謝しかありません」とは、正しい使い方です。
「感謝の言葉しかありません」の「しか」は「ほかに何もありません」の「しか」は、それをほかの同類のものから区別する意味(限定)を表わす副助詞です。
この表現が好まれていない方もいらっしゃるので、ビジネスシーンでは、考えて使うようにしましょう。
・ご指導いただき、多くのことを学ぶことができました。感謝の言葉しかありません。
・私どものために貴重な時間を割いていただき、感謝言葉しかありません。
感謝の言葉でいっぱいです
「感謝の言葉でいっぱいです」とは、敬語表現ですが、親しい人や同僚に対して使いましょう。
・先輩から貴重なアドバイスをいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。
・いつもサポートしてくださり、ありがとうございます。感謝の気持ちでいっぱいです。
感謝申し上げます、お礼申し上げます
「感謝申し上げます」「お礼申し上げます」は謙譲語を含んだ丁寧な表現で、相手に対して感謝の意を伝える時に使います。目上の人や取引先の人に対して使う表現です。
「感謝申し上げます」は、「感謝の気持ちを申し上げます」という意味です。
「お礼申し上げます」は、「礼を申し上げます」という意味です。
・多大なご尽力を賜り、心より感謝申し上げます。
・今後とも、末永いお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
・ご厚意に対し、感謝申し上げます。
誠にありがとうございます
「誠にありがとうございます」とは、謙譲語を含んだとても丁寧な表現で、「本当にありがとうございます」という意味です。相手に向かって深い感謝の気持ちを表現する時に使います。
ビジネスシーン、フォーマルなシーン、文書、会話中で上司や目上の人へ敬意を払いつつ、丁寧な感謝の表現として使います。
・ご指導いただきまして、誠にありがとうございます。
・本日はご来社いただきまして、誠にありがとうございました。
感謝の気持ちを強調したい時に「誠にありがとうございます」を使いますね♡
深謝申し上げます、拝謝申し上げます
「深謝いたします(しんしゃいたします)」「拝謝いたします(はいしゃいたします)」について。
「深謝」は「深い感謝」です。「申し上げます」は謙譲語。「深謝申し上げます」は、深い感謝の意味になります。
「拝謝」は、つつしんでお礼を言うという意味です。「申し上げます」は謙譲語です。
・ご指摘をいただき、深謝申し上げます。
・ご迷惑をおかけした皆さまに深謝申し上げます。
・衷心より拝謝申し上げます。
まとめ
「感謝の言葉もありません」は、ポジティブな意味とネガティブな意味があります。ビジネスシーンでは、ポジティブな意味で使われることがほとんどですが、ビジネスシーンで相手との関係や話の流れをしっかりと考えて、ポジティブな意味で使われることを意識するようにしましょう。
感謝の言葉もありませんの言い換えも、相手に合わせて適宜使うようにしましょう。