ビジネスシーンでよく使われる「お伝えしました通り」というフレーズ。丁寧な表現ではありますが、使い方によっては失礼な印象を与えてしまうこともあります。そこで、この記事では、「お伝えしました通り」の意味や使い方、ビジネスシーンで使える丁寧な言い換え、具体的な例文と合わせて解説します。
「お電話でお伝えしました通り」とか「以前にお伝えしました通り」と言いますよね?
そうです。「お電話でお伝えしました通り」とか「以前にお伝えしました通り」と使うことがありますよね。
「お伝えしました通り」とは、以前に話したことを再度伝える時に使う言葉です。ビジネスシーンではよく使われますが、相手に誤解を与えないように、丁寧な言い方を心がけましょう。
「お伝えしました通り」の意味
「お伝えしました通り」は「伝えた通りです」という意味になります。以前に伝えた内容を相手に思い出してもらったり、確認したりする際によく使う表現です。
意味合いは以下になります。
・以前伝えた内容と全く同じであることを強調したい
・誤解を避けるために、念のために伝える
・相手の理解度を確認のため
丁寧にする「お」が付き「ます」は丁寧語です。
「お伝えしました」も正しい敬語表現で目上の人に使うことができますが、「お伝えいたしました」のほうが丁寧です。
「お伝えしました通り」の使い方と例文
「お伝えしました通り」は、丁寧な表現のため目上の人や取引先、同僚に対して使います。以下のような場合に使われます。
・指示内容を明確に伝えたい時
・以前の説明内容を再度確認したい時
・誤解がないよう意思疎通を図りたい時 などです。
・昨日お伝えしました通り、資料の提出期限は明日までとなります。
・先ほどお伝えしました通り、本日の会議は11階の会議室で行います。
・お電話でお伝えしました通り、本日はあいにく担当者が不在です。申し訳ございません。
【以前の説明内容を再度確認したい時】
お伝えしました通り、明日までに資料を送りますね。
了解です。
「お伝えしました通り」が適切に使えていますね♡
上の会話をみてみましょう。
お伝えしました通り:以前の説明内容を再度確認し、相手に認識を共有する際に使われています。
「お伝えしました通り」は、過去に伝えたことを相手に再確認させるために使われるフレーズです。丁寧な表現ではありますが、使い方や言い方によっては失礼な印象を与えてしまうことがあります。
「お伝えしました通り」の使い方のポイント
「お伝えしました通り」は、自分が一方的に伝えたことを強調する表現になります。そのため、相手への配慮を忘れずに使うことが大切です。
「お伝えしました通り」を使う時のポイント♡
丁寧な言葉遣い
「お伝えしました通り」自体が丁寧な表現ですが、
例えばですが、
「誠に恐れ入りますが」
「先ほどお伝えいたしましたように」
「お伝えさせていただきました通り」など、丁寧な言葉を添えましょう。
【補足です】
「お伝えさせていただきました」は、二重敬語ではないため正しい敬語表現です。ただし「させていただきます」は使う時の条件があります。「お伝えいたしました」も、「お伝えさせていただきました」と同等の丁寧さです。 こちらには「させていただく」のような条件がないため、より幅広い場面で使用することができます。
・ご理解いただければ幸いです。お伝えしたとおり、納期は今月末です。
・よろしくお願いいたします。申し上げたとおり、あいにく納期は今週末になります。
・ご了承いただけますと幸いです。お伝えしましたとおり、あいにく変更は承っておりません。
相手の理解を促す言葉を使う
単に「お伝えしました通り」と伝えるだけでなく、「先ほど説明しましたように」「ご案内のとおり」など、具体的にいつ・どこで・どのように伝えたのかを伝えることで、相手の記憶を呼び起こし、理解を促すことができます。
状況に応じた補足・言い換えをする
「ご確認をお願いいたします」「ご不明な点があればご質問ください」など、状況に応じて補足することで、相手にアクションを促したり、質問しやすい雰囲気を作ることができます。
また同じ表現を繰り返すことは相手に失礼になるため控えましょう。状況に応じて言い換えてみましょう。
確かに、「お伝えしました通り」と同じ言い方を繰り返されてしまうと、自分が理解できていないことをつめられている気がします。
特に、「お伝えしました通り」のような表現は、相手がすでに知っていることを前提としているため、上から目線と捉えられてしまう場合もあります。どうしたら良いのかみてみましょう♡
より丁寧な表現を使う
・ご確認いただけますでしょうか。
・念のため、再度ご説明させていただきます。
・よろしければ、補足説明させていただきます。
相手の理解度を確認する
・よろしければ、ご質問はございますでしょうか。
・何かご不明な点があれば、遠慮なくお尋ねください。
別の言い方をしてみる
・以前申し上げた内容と重複しますが、念のためご案内させていただきます。
・重要事項ですので、再度ご確認いただけますようお願いいただければ幸いです。
相手に配慮して、丁寧な言葉遣いを心がけることで、高圧的にならない「お伝えしました通り」の言い換えができます。
なるほど。確かに、「お伝えしました通り」よりも親切だし、丁寧な感じですね。
状況によっては「お伝えしました通り」の方が適切な場合もありますが、多用することを控え、上記のような表現も意識的に使っていくことをおすすめします♡
「お伝えしました通り」を使う時の注意点と、より丁寧な表現
「お伝えしました通り」は、相手に以前伝えた内容と同じことを伝える表現ですが、状況によっては失礼な印象を与えてしまう場合もあります。以下、注意点とより丁寧な表現について説明します。
「お伝えしました通り」を使う時の注意点です♡
・相手が覚えていない可能性を考慮する
・一方的に伝えるのではなく、相手に確認する
相手が覚えていない可能性を考慮すること
以前伝えた内容が十分に伝わっているとは限りません。特に、時間が経っている場合や、複雑な内容の場合は、念のために内容を簡単に説明するのが丁寧です。
↑このような時は、どのように伝えればいいでしょうか?
・大変恐縮ですが、お伝えした内容は、ご確認いただけましたでしょうか。
・先日の打ち合わせで、〇〇の件についてお伝えしましたが、その後いかがでしょうか。
・恐れ入りますが、お伝えした内容は、ご記憶にございましたでしょうか。ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
伝えた内容を具体的に述べることで、相手が覚えていない可能性を減らすことができます。
一方的に伝えるのではなく、相手に協力してもらう
「お伝えしました通り」の注意点として、一方的に伝えるのではなく、相手に納得や協力してもらいことを軸に、以下のことに注意すると良いでしょう。
・確認する意図を明確に伝えること
・配慮した丁寧な敬語表現を使うこと
・先日お電話でお伝えした内容を、再度ご案内いたします。
・お手数ですが、以前にご説明した内容をご確認いただけますでしょうか。
・恐れ入りますが、お伝えしました内容を一緒に確認させていただいてもよろしいでしょうか。
相手に協力してもらっていることを確認しながらコミュニケーションをとりましょう。
今までの内容に加えて、言い換え表現もあわせてつかいましょう♡
「お伝えしました通り」の言い換え・類語
「お伝えしました通り」の丁寧な言い換えです。いずれの表現も丁寧な敬語のため、目上の人や敬意を払う場面で使うことができます。相手が理解しやすいように、具体的な内容を添えることも大切です。
「お伝えしました通り」の言い換え♡
丁寧な印象にする場合:「重ねて申し上げますと」
目上の人に対して使う場合:「お伝えさせていただきました通り」
すでに相手に内容を伝えていることを強調したい場合:「前述の通りですが」
より丁寧な表現を使う:「重ねてになりますが、念のためご案内申し上げます」
具体的に内容を伝える:「先ほどご説明したように、〇〇の点にご注意ください」
改めて注意を促したい場合:「念のためご案内申し上げます」「念のため、ご確認させていただきます」
ほかには、「ご承知の通り」、「ご案内の通り」、「以前申し上げましたように」など、似たような意味を持つ別の表現を使います。
これらの点を意識することで、「お伝えしました通り」という表現を繰り返さずに、相手に分かりやすく情報を伝えることができるようになります。
・「ご存知かと思いますが、締め切りは明日です。ご確認をお願いいたします」
→「ご存知かと思いますが」を使うことで、相手に以前に伝えた内容を思い出させています。また、「ご確認をお願いいたします」と付け加えることで、丁寧な言葉遣いで相手に配慮しています。
・「念のため、ご確認させていただきます。よろしいでしょうか」
→「念のため、ご確認させていただきます」を使って、相手に以前に伝えた内容を思い出させています。また、「よろしいでしょうか」と付け加えることで、相手の意向を確認しています。
まとめ
「お伝えしました通り」について紹介しました。「お伝えしました通り」の注意点については、自分が実際に失敗したことや、改善したことについてまとめてみました。言い換えを覚えておくことで、相手に配慮したり、丁寧にしたりするだけでなく、敬語の使い方、表現の幅が広がります。さまざまな言い回しを身につけて、ビジネスや日常生活で役立ててください。