「私から契約書をお渡しします」や「私がお渡しした資料は確認されましたか」と自分の行動に「お」を付けていますが正しいのか、敬語としてと適切なのかと疑問に思ったことはありませんか?ビジネスシーンで「渡す」はよく使います。本記事では「渡す」をもとに尊敬語・丁寧語・謙譲語についてまとめてみました。使い方の違いについても例文付きで分かりやすく解説しています。
「渡す」の意味
「渡す」の意味は以下になります。
・ものを運ぶ。
・ものを移動する。
・ものや権利を与える。
・ものが相手に届くようにする。
「渡す」の意味は幅広くありますね。
「渡す」の尊敬語・丁寧語・謙譲語の表現を一緒にみていきましょう♡
「渡す」の尊敬語
「渡す」の尊敬語と例文をみてみましょう。
尊敬語は相手の行動に敬意をしめす時に使います。目上の人や敬意を払う相手に対して使います。
「渡す」の尊敬語♡
「お渡しになる」
「お〜なる」で尊敬語になります。
・課長が書類をお渡しになります。
・課長がお渡しになるお祝いの品は私が用意した物です。
課長は、目上の人にあたるため、課長の行動に対して尊敬語を使います。
「渡される」
「動詞」に「れる or られる」で尊敬語になります。受け身の言葉遣いに似ているので気をつけましょう。
・課長が書類を渡されます。
・課長が渡されるお祝いの品は、私が用意した物です。
【受け身の例文】(ほかの動詞で例をあげています。ご参考にしてください)
・遅刻をして注意された。
・大事な書類を見られてしまった。
「お渡しください」
「お〜ください」で尊敬語になります。ただし「ください」が命令文になるため、目上の人に使う際は気をつけましょう。
・課長が、みんなにプレゼントをお渡しくださるそうです。
お渡しするのは相手であるため尊敬語の「お〜ください」です。「お渡しください」になります。
「渡す」の丁寧語は「渡します」
「渡す」の丁寧語は、「渡します」になります。丁寧語は、親しい人や同僚、仕事仲間に対して使います。
・同期の田中さんに資料を渡します。
「渡す」の謙譲語
謙譲語とは、目上の人に対して自分の行動をへりくだって表現にする時に使う言葉です。ビジネスシーンでは謙譲語を使うのが適切です。
「お〜する」 →駅までお送りします。
「ご〜する」→ご連絡します。
「お〜いたす」→のちほど、お伝えいたします。
「ご〜いたす」→ご案内します。
「お〜いたします」→荷物をお持ちいたします。
「ご〜いたします」→ご案内いたします。
「お渡しする」
「お〜する」「ご~する」と表現するのが謙譲表現になります。
・私がご案内します。
・私から請求書をお渡しします。
・お渡しする封筒には見積書が入っております。
「お渡しいたします」
「お〜いたします」「ご~いたします」で謙譲表現になります。
・私がご案内いたします。
・請求書をお渡しいたします。
・本社から届いたお荷物をお渡しいたします。
「お渡し申し上げます」
「いたします」と同様に「申し上げます」で謙譲表現になっていますが、「お渡し申し上げます」を使うより、「お渡しいたします」の方が適切な使い方とされています。
まとめ
「お渡しします」「お渡しする」とは、「お〜する」のため謙譲語で、正しい使い方です。自分の行動に「お」をつけるので、不適切なのかなと考えてしまうかと思います。今回は日常でよく使われる「渡す」をもとに尊敬語・丁寧語・謙譲語の使い分けをまとめてみました。ご参考にしていただけますと幸いです。