ビジネスシーンでよく使われる「ご理解のほどよろしくお願いいたします」。依頼や、断りなどで使う表現ですが、目上の人に使う場合は特に注意が必要です。この記事では、「ご理解のほどよろしくお願いいたします」の意味、使い方、言い換え、目上の人に使う際の注意点などを詳しく解説します。丁寧な言葉遣いで、円滑なコミュニケーションを築けるよう、ぜひ参考にしてください。
「ご理解のほどよろしくお願いいたします」は、理解をすることをお願いするということですか?
そのとおりです。「自分の要求を理解して欲しい」意味です。そのためこの表現には、使う時は慎重になりましょう。
「ご理解のほどよろしくお願いいたします」を使う時は、相手に配慮して使うようにしましょう。
「ご理解のほどよろしくお願いいたします」の意味と敬語
「ご理解のほどよろしくお願いいたします」は、相手に理解や協力を求める際に用いられる丁寧な敬語表現です。
・「ご理解」:「ご」は、相手に対する表現のため尊敬語になります。
・「のほど」:断定を避けて言葉をやわらかくする表現です。
・「よろしくお願いいたします」:相手の理解や協力を丁寧に依頼する謙譲表現です。
「ご理解のほどよろしくお願いいたします」の意味合いは、
1)相手の理解と協力を丁寧にお願いする
・何か変更やお願いをする際に、相手に理解してもらい、協力してもらうことを丁寧にお願いする表現です。
2)自分の事情を汲み取ってほしい
・変更やお願いをする際に、相手に自分側の事情も理解してもらいたい場合によく使われます。
相手に理解してもらいたい気持ちを丁寧に表現したのが「のほど」の婉曲表現です♡
「ご理解のほどよろしくお願いいたします」の使い方と例文
「ご理解のほどよろしくお願いいたします」は、ビジネスシーンでは、特に以下のような場面でよく使われます。
・注意事項を伝える時
・変更や延期をする時
・相手の要望に応えられない時
・ミスやトラブルでお詫びする時
・本日の会議は、15分早く開始いたします。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
・仕様の一部を変更させていただきたく存じます。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
・ご要望に添えず申し訳ございませんが、現時点ではご対応いたしかねます。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
・当初のご案内より発送が1週間ほど遅れる見込みとなりました。何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。
【社内での会話】
本日の会議は、他部署の調整で15分早く開始することになりました。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
了解です。
「ご理解のほどよろしくお願いいたします」適切に使えていますね。
「ほど」「よろしく」「いたします」は漢字で書く?
「ご理解のほどよろしくお願いいたします」の「ほど」「よろしく」「いたします」は漢字で書くのか、平仮名なのかについて詳しく解説します。
「ほど」:漢字で書くと「程」。平仮名でも漢字でも問題なく使用できます。ひらがなは柔らかく、漢字は少し硬い印象になります。
「よろしく」:平仮名で書くのが一般的で、より自然な表現です。漢字の「宜」は音読みが「ギ」のみで、「よろし」と読むのは当て字になるためです。
「いたします」:「いたします」は、補助動詞のため平仮名表記になります。補助動詞とは、前の動詞とセットで使われることが多く、補助的な役割になります。
例えば「お願いいたします」とは「お願いする」という動詞を丁寧にした表現になります♡
「ご理解のほどよろしくお願いいたします」を使う時の注意点
「ご理解のほどよろしくお願いいたします」は、ビジネスシーンで断りやお願いを伝える際に使える丁寧な表現です。しかし、使い方を誤ると、相手を不快にさせてしまう可能性もあります。
クッション言葉を使う
目上の人や取引先など、相手との立場や関係性に差がある場合には、「ご理解のほどよろしくお願いいたします」だけでは失礼と捉えられてしまう可能性があります。そのような場合は、以下のクッション言葉を使って、相手への配慮を示しましょう。
・何卒(なにとぞ)
・どうか
・どうぞ
・恐れ入りますが
・大変恐縮ですが
・申し訳ございませんが
・ご面倒おかけしますが
・ご迷惑をおかけいたしますが などがあります。
・何卒よろしくお願い申し上げます。
・誠に恐縮ですが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
・恐れ入りますが、ご理解いただけますようお願い申し上げます。
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具体的な理由を説明する
なぜそのようになってしまったのか、具体的な理由を説明することが大切です。理由を説明することで、相手に理解してもらいやすくなり、印象も良くなります。
・現在、商品の到着が遅れておりまして、ご希望の納期にお届けすることが難しい状況でございます。
・誠に申し訳ございませんが、システムメンテナンスのため、一時的にサービスを停止させていただきます。
【取引先との会話】
部品調達が遅れ、お届けが6月1日(金)に延期となってしまいました。ご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。
6月1日(金)に延期とのこと、承知いたしました。
上の会話をみてみましょう。
・「何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします」の部分は、丁寧な表現で、お詫びの際によく使われるフレーズです。状況に合致しており、適切な表現です。
・お詫びの部分についても、部品調達の遅延によるお届け延期と、ご迷惑をおかけしていることへの謝罪が明確に伝わっており、きちんとしたお詫びと言えます。
「ご理解のほどよろしくお願いいたします」の敬語表現
「ご理解のほどよろしくお願いいたします」の敬語表現を使うことで丁寧な表現になります。相手との関係性に応じてクッション言葉をあわせて使いましょう。
・ご理解いただけますと幸いです。(意味:〜してもらえたら嬉しいです)
・ご理解いただきますようお願い申し上げます。
・ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
親しい人に対しては、「ご理解いただけると助かります」など、より柔らかい表現の方が適切です。
「ご理解のほどよろしくお願いいたします」の言い換え、類語
状況に合わせて、「ご理解のほどよろしくお願いいたします」を言い換えることで、適切に気持ちを伝えることができます。言い換えも使えたら良いですね。
ご了承のほどよろしくお願いいたします
意味:相手に対して理解や同意、許可を求める際に使用する丁寧な表現です。
例文:大変ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご了承のほどよろしくお願いいたします。
ご容赦のほどよろしくお願いいたします(ごようしゃ)
意味:相手に対して、迷惑や不都合をかけることへの理解と許しを求める丁寧な表現です。
例文:本日中の返答は難しい状況でございます。ご容赦のほどよろしくお願いいたします。
「ご了承」「ご容赦」の違い
「ご了承」は、相手が自分の意見や行動を理解し、認めてくれることを丁寧に求める表現です。
「ご容赦」は、自分の落ち度や間違いを認め、許しや大目を見てもらうことを丁寧に求める表現です。
まとめ
「ご理解のほどよろしくお願いいたします」は、使い方を工夫することで、より丁寧で誠意のある表現になります。状況や相手に合わせて、適切な言葉を選んで使えると良いですね。