「読んでください」とは、ビジネスの場面ではちょっと強めな命令調に聞こえること、ありませんか? 資料の確認、大切な提案、目を通しておいてほしい報告書…相手に気持ちよく読んでもらい、スムーズに連携するために、丁寧な言い換えを知っておくことは、あなたのビジネススキルをぐっと高めます。この記事では、様々なシーンで使える、心遣いが伝わる表現を例文付きでご紹介。メールでの応用方法も解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

「読んでください」は丁寧な敬語ですが、より丁寧な言葉もあるので、知っておくといいですね♡
「読んでください」の意味と敬語
「読んでください」は、相手に対して「読む」という行為を依頼する表現です。
「ください」:「ください」は「くれ」を丁寧の丁寧語ですが、「ください」は少し命令調になります。

↑「ください」が強目に聞こえてしまうことも。状況に応じた使い分けをしましょう♡
【状況に応じた使い分け】
・親しい間柄や目下の人に対しては「読んでください」で問題ありません。
・上司やお客様など、敬意を払うべき相手には「お読みください」「お読みいただけますか」「お目通しいただけますでしょうか」など、より丁寧な表現を用いるのが適切です。
「読んでください」丁寧な言い換え表現集
ここでは、様々なビジネスシーンで使える「読んでください」の丁寧な言い換え表現を、具体的な例文とともにご紹介します。

敬語、尊敬語、謙譲語、丁寧語を使っていきましょう♡
「お読みくださいませ」
使い方:「お〜ください」で尊敬語になります。「ませ」をつけることでやわらかい表現になります。非常に丁寧な表現です。相手に丁寧に読んでほしいという気持ちを伝えます。

・こちらの資料をお読みくださいませ。
・こちらの新商品のカタログをお読みくださいませ。詳しい情報が掲載されています。
・先ほどお送りいたしました企画書を、ご多忙のところ恐縮ですが、お読みくださいませ。
「お読みくださいますようお願い申し上げます」
使い方:「お読みくださる」に、依頼の意を丁寧に伝える「~くださいますようお願い申し上げます」を組み合わせた、改まった印象の表現です。相手に敬意を払い、強く読んでほしい気持ちを伝えます。

・弊社の新サービスに関するご案内をお読みくださいますようお願い申し上げます。
・詳細につきましては、添付の資料をお読みくださいますようお願い申し上げます。
・重要事項がございますので、添付の書類をお読みくださいますようお願い申し上げます。
「ご一読いただけますと幸いです」
使い方:「一読(いちどく)」は、ざっと一度読むという意味です。「いただけますと幸いです」と組み合わせることで、相手に負担をかけずに読んでほしいという気持ちを伝えることができます
敬語:「ご一読」の「ご」は尊敬語です。

・お時間のある際にご一読いただけますと幸いです。
・先日の会議の議事録を作成いたしましたので、ご一読いただけますと幸いです。
「お目通しいただけますようお願いいたします」
使い方:「お目通し(おめどおし)」は、目を通すことの尊敬語です。「いただけますようお願いいたします」とすることで、相手に丁寧に依頼するニュアンスになります。

・企画書をお目通しいただき、ご意見をいただけますと幸いです。
・新しいキャンペーンの詳細について、お目通しいただけますようお願いいたします。
・商品の詳細について、重要な変更点がございますので、お目通しいただけますようお願いいたします。
「ご確認いただければと存じます」
使い方:「ご確認いただく」は、「ご〜いただく」で謙譲語です。「~ばと存じます」は、控えめな希望や意見を伝える際に用いる謙譲表現です。

・添付ファイルが正常に開けるかご確認いただければと存じます。
・契約書を添付いたしましたので、ご確認いただければと存じます。
「お読みいただけると幸いです」
使い方:「お読みいただく」に、相手にそうしてもらえると嬉しいという気持ちを表す「~いただけると幸いです」を添えた表現です。相手への配慮を示しつつ、読んでほしいという気持ちをやわらかく伝えます。

・参考資料としてお送りしますので、お読みいただけると幸いです。
・詳細につきましては、以下のリンク先の記事をお読みいただけると幸いです。
「ご高覧ください」
使い方:「高覧(こうらん)」は、相手が見ることを敬っていう尊敬語です。格式の高い言葉になります。「ご~ください」の尊敬語のため、目上の人に対して、資料や文章などを敬意をもって読んでほしい場合に用います。

・ご高覧くださいますようお願い申し上げます。
・今回の作品展をご高覧くださいますようお願い申し上げます。
「ご査収くださいませ」
使い方:「査収(さしゅう)」は、相手に品物や書類などを確かめ受け取ってほしい時に使う言葉です。相手への敬意を示す丁寧な表現です。「ませ」を使うことでやわらかい表現になります。

・企画書を添付いたしましたので、ご査収くださいませ。
・資料一式をご査収くださいますようお願い申し上げます。
「ご確認いただければと存じます」
使い方:「確認する」という行為に、自分の意見や希望を控えめに伝える「~と存じます」を組み合わせた謙譲表現です。相手に内容を確認してもらい、必要に応じて対応してほしいというニュアンスを含みます。

・提出書類に不備がないか、今一度ご確認いただければと存じます。
・先ほどお送りいたしました見積書をご確認いただければと存じます。
・契約書の草案を作成いたしましたので、内容をご確認いただければと存じます。

↑社内外問わず、確認後に何らかのアクションを期待する場合や、内容について認識を共有したい場合に使います♡
「読んでください」の言い換えと例文:場面別
「読んでください」という直接的な表現は、ビジネスシーンや目上の人に対して使うには命令調な印象になることもあります。より丁寧で状況に合った言い換えを使い、相手に配慮しましょう。

資料送付・報告メールで使える「読んでください」の丁寧な言い換えを紹介します♡
【資料や書類の確認をお願いしたい時】
言い換え:ご査収くださいませ、ご一読いただけますと幸いです、お目通しいただけますようお願いいたします、ご確認いただければと存じます
使い方のポイント:資料や書類を確認してもらうメールでは、相手の手間を考えたクッション言葉を添えると好印象になります。

・先日の会議の議事録を作成いたしましたので、ご一読いただけますと幸いです。
・新しい商品の詳細について、お目通しいただけますようお願いいたします。
・契約書を添付いたしましたので、ご確認いただければと存じます。

「お忙しいところ恐縮ですが」「お手数おかけいたしますが」など。多忙な相手への配慮を示すクッション言葉を加えることで、より丁寧で好印象な依頼となります♡
【提案内容や企画書を読んでほしい場合】
言い換え:ご検討いただけますようお願い申し上げます、ご査収の上ご意見いただけますと幸いです
使い方のポイント:提案書や企画書を送る際は、「検討」や「ご意見」をお願いする表現が自然です。

・提案書を作成いたしましたので、ご検討いただけますようお願い申し上げます。
・製品の概要をまとめましたので、ご査収の上、ご意見いただけますと幸いです。
【報告書や提出物を読んでほしい場合】
言い換え:ご報告いたします、提出させていただきます、内容をご確認いただければと存じます
使い方のポイント:報告書や提出資料では、「提出」「ご報告」といったストレートな表現に加え、内容確認も依頼しましょう。

・先週の営業活動について、ご報告いたします。
・〇〇に関する調査報告書を提出させていただきます。
・商品に関する報告書を作成いたしましたので、内容をご確認いただければと存じます。
「読んでください」を丁寧に伝えるメール文例集
ビジネスメールで「読んでください」に相当する表現を使う場合は、件名や本文で工夫することで、より丁寧な印象になります。以下に、メールの件名と本文で使える、より丁寧な表現のメール文例を挙げます。

↓件名の中に「読んでください」使う場合♡
【ご協力のお願い】〇〇について
【ご確認のお願い】〇〇の件
【重要】〇〇に関するご案内
【〇月〇日までにご確認ください】
〇〇について〇〇のご案内 (シンプルですが、関心を持ってもらいやすい表現です)
【1】資料の確認をお願いする文例
件名: △△に関する資料のご案内
〇〇株式会社 〇〇様
いつもお世話になっております。
△△に関する資料を添付いたしましたので、ご査収いただけますようお願い申し上げます。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお申し付けください。
引き続きよろしくお願いいたします。
【2】提案内容を読んでほしい場合の文例
件名: 新規事業に関するご提案
〇〇株式会社 〇〇様
いつも大変お世話になっております。
この度、かねてよりご要望いただいておりました新規事業に関する提案書を作成いたしました。
つきましては、ご多忙のところ恐縮ですが、ご検討いただけますようお願い申し上げます。
お打ち合わせの機会をいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
【3】報告書を提出する場合の文例
件名: 【〇〇部】〇月〇日 報告書
〇〇株式会社 〇〇様
〇〇様 お疲れ様です。
〇月〇日の業務に関する報告書をご報告いたします。
内容をご確認いただければと存じます。 引き続きよろしくお願いいたします。
まとめ
ビジネスシーンで相手に何かを読んでほしい時、「読んでください」を使うことは決して失礼ではありません。丁寧な敬語ではありますが、場合によっては少しストレートに聞こえることもあります。相手に気持ちよく読んでもらうためには、状況に合わせて、よりやわらかい言い方や丁寧で配慮し言い換えるのがおすすめです。参考にしてみてください。