ビジネスシーンで深い感謝の気持ちを伝えたい時、どのような言葉が適切でしょうか?
「感謝の念に堪えません」という言葉をご存知でしょうか。日常ではあまり使いませんが、相手への敬意や感謝の気持ちを示すことができます。ビジネスシーンで効果的に感謝の気持ちを伝えるためにも、ぜひ知っていただけたらと思います。文中では、この言葉をどのように使えばいいのかについても詳しく紹介しています。
ビジネスシーンで使える「感謝の念に堪えません」の言い換えや使い方について、ぜひ参考にしてください。
「感謝の念に堪えません」の意味
「感謝の念に堪えません」とは、ありがたいと思う気持ちが抑えようもなく、あふれてくる。非常に深い感謝の気持ちを示します。
感謝の度合いが非常に深く、その感謝の大きさや深さを言葉で表現できないほどだという意味です。言葉では足りないほどの深い感謝を伝える時に使う表現です。
主に文書やメールで使う、とてもかしこまった表現です。相手に深い感謝を伝える時に使います。
「感謝の念に堪えません」を使う時
A)手紙や年賀状、お祝いで感謝の気持ちを伝える時
B)感謝状の一文
C)目上の人取引先などに、深い感謝の気持ちを伝えたい時
D)退職や転職時に、お世話になった方々に、深い感謝の気持ちを伝えたい時
※敬語表現のため、目上の人や取引先の人に対して使います。
上記のシーンで「感謝の念に堪えません」を使った例文をみていきましょう。
「感謝の念に堪えません」の例文
「感謝の念に堪えません」の例文をみていきましょう。
A)手紙や年賀状、お祝いで感謝の気持ちを伝える時
「感謝の念に堪えません」は手紙や年賀状のご挨拶にも使います。年賀状で言うと、「昨年はお世話になり、ありがとうございます」にあたる部分です。
「昨年は大変お世話になり、感謝の念に堪えません」はシンプルな表現のため、年賀状で使いやすい文例です。
・昨年は格別のご指導を賜りまして、感謝の念に堪えません。
・昨年は大変お世話になり、感謝の念に堪えません。
・昨年中は格別のご厚誼にあずかり、感謝の念に堪えません。
・旧年中は一方ならぬご厚情を賜り感謝の念に堪えません。
・私たちの結婚式にご出席いただき、誠にありがとうございました。皆さまの温かいお言葉や、温かいお祝いのお気持ちに、感謝の念に堪えません。
B)感謝状、表彰状の一文
「感謝の念に堪えません」を使うことで、感謝の気持ちが非常に大きいことを表現することができます。感謝状とは部外の協力者からの協力があった場合、表彰状は部内での協力があった場合です。
・入社から○○年、当社に大きく貢献されましたこと、感謝の念に堪えません。よって、あなたの成績をたたえ、ここに表します。
・○○さんの協力がございまして、プロジェクトを成功させることができました。感謝の念に堪えません。
C)目上の人、取引先などに、深い感謝の気持ちを伝えたい時
下記の文例は、プロジェクトの成功が取引先の協力のおかげだったり、先輩のアドバイスのおかげで試験に合格した内容です。協力してくれた人たちに感謝の気持ちを示す時に使います。
・多大なるお力添えをいただきまして、感謝の念に堪えません。
・多大なご指導を賜り、心より感謝申し上げます。そのご厚意に対し、感謝の念に堪えません。
・いつも温かくご指導くださり、感謝の念に堪えません。おかげさまで、社内試験に合格できました。今後とも、ご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
・御社のご協力に、心から感謝申し上げます。その中でも、特に、○○にご尽力いただいたことに、感謝の念に堪えません。
D)退職や転職時に、お世話になった方々に、深い感謝の気持ちを伝えたい時
退職や転職時に、お世話になった方々に感謝の気持ちを伝える時にも「感謝の念に堪えません」を使います。とても丁寧な表現になります。
・○○さんの長年にわたるご尽力、感謝の念に堪えません。
・入社以来、様々な経験をさせていただき、仕事を通じて多くのことを学びました。また、いつも温かく見守ってくださった皆さまに、感謝の念に堪えません。
・これまで、こちらの部署の仕事に携わらせていただき、多くのことを学び、成長することができました。皆様のご指導、ご支援に、感謝の念に堪えません。
・一身上の都合により、退職の運びとなりました。ご指導してくださった皆さまには感謝の念に堪えません。
「感謝の念に堪えません」を文のどこに入れたらいいのか?
「感謝の念に堪えません」を文のどこに入れたらいいのか悩みませんか?私は、考えてしまうことがあります。下記の文例をよろしければご参考にしてください。
1)ご協力に、心から感謝申し上げます。その中でも、特に、○○にご尽力いただいたことに、感謝の念に堪えません。
2)ご協力のおかげで、○○の課題解決ができましたことに感謝の念に堪えません。
1)2)は、相手への感謝の気持ちを伝えたい文例です。
文の最後に「感謝の念に堪えません」置くことで、強調ができます。
多くの文例を見てきましたが、「感謝の念に堪えません」を、文の最後に置いて、その前に、具体的な感謝の内容を示すことで、冗長な印象にならずに伝わりやすい表現になります。
「感謝の念に堪えません」のメール
「感謝の念に堪えません」のメールの一例です。
株式会社〇〇
〇〇 様
いつもお世話になっております。
このたびは、◯◯の件で、快くお力添えをいただき、誠にありがとうございました。
おかげさまで、◯◯の課題を解決することができました。
御社のご支援に、感謝の念に堪えません。
今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。
メール署名
「感謝の念に堪えません」の言い換え
「感謝の念に堪えません」は、かしこまった表現です。感謝の気持ちを伝えつつも、かしこまらない表現の言い換えをみていきましょう。
感謝申し上げます、お礼申し上げます
「感謝申し上げます」「お礼申し上げます」は謙譲語を含んだ丁寧な表現で、相手に対して感謝の意を伝える時に使います。目上の人や取引先の人に対して使う表現です。
「感謝申し上げます」は、「感謝の気持ちを申し上げます」という意味です。
「お礼申し上げます」は、「礼を申し上げます」という意味です。
・多大なご尽力を賜り、心より感謝申し上げます。
・今後とも、末永いお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
・ご厚意に対し、感謝申し上げます。
誠にありがとうございます
「誠にありがとうございます」とは、謙譲語を含んだとても丁寧な表現で、「本当にありがとうございます」という意味です。相手に向かって深い感謝の気持ちを表現する時に使います。
ビジネスシーン、フォーマルなシーン、文書、会話中で上司や目上の人へ敬意を払いつつ、丁寧な感謝の表現として使います。
・ご指導いただきまして、誠にありがとうございます。
・本日はご来社いただきまして、誠にありがとうございました。
感謝の気持ちを強調したい時に「誠にありがとうございます」を使いますね♡
深謝申し上げます、拝謝申し上げます
「深謝いたします(しんしゃいたします)」「拝謝いたします(はいしゃいたします)」について。
「深謝」は「深い感謝」です。「申し上げます」は謙譲語。「深謝申し上げます」は、深い感謝の意味になります。
「拝謝」は、つつしんでお礼を言うという意味です。「申し上げます」は謙譲語です。
・ご指摘をいただき、深謝申し上げます。
・ご迷惑をおかけした皆さまに深謝申し上げます。
・衷心より拝謝申し上げます。
まとめ
「感謝の念に堪えません」について紹介しました。「堪えません」の漢字を「絶えません」「耐えません」というように間違えないように気をつけましょう。かしこまった言葉ですので、使う時には慎重に使うようにしましょう。