「私の方から連絡します」を使う時は「担当が私に代わりました」という時に使います。伝え方を柔らかくするために使います。
「私が連絡いたします」と同じ意味になりますが、「私が」だと相手に強い印象を与えてしまうため「私の方(ほう)」を使います。「私が代わって」という意味も含まれています。この記事では、「私の方」についての使い方を解説します。
「の方(ほう)」の使い方は、おもに3つあります。
1. 方向
2. 言いたくないことをぼやかす時
3. いくつかあるものから1つを取り上げる時
上記で挙げたように、言い回しを柔らかくするためにも使われます。「の方」は日常でよく使う言葉です。
「の方」の使い方についてみていきましょう。
「の方」3つの意味・例文
「の方」の意味と例文をみてみましょう。
1)方向、方角の意味
「お店は、あっちの方にありますよ」→方角を指しています。
2)部門や分野を漠然(ばくぜん)と指すことを意味する。
「私の住まいは東京の方(ほう)です」
→曖昧(あいまい)にし柔らかい印象にする時、具体的に言えない時に使います。
【社外での会話】
失礼ですが、お住まいはどちらでしょうか?
私の住まいは、東京の方です。
具体的に伝えたくない時に使います。しかしながら、使いすぎると相手に不信感を与えてしまうかもしれないですね。
3)複数ある中の1つを取り上げて指すことを意味する時に使います。
「2つの提案のうち、こちらの方にします」→複数の中から選択をする時に使います。
「の方」の誤った使い方・例文
誤った使い方とはバイト敬語のことです。ぼかす必要がないのに「の方」を使うことです。
・お会計の方は800円です
→お会計は確定しているためぼかす必要はありません。
正しくは「お会計は800円です」
「私の方から連絡します」の使い方
「私の方から連絡します」の使い方について。
「私の方から連絡します」を使う時は、相手に、担当が私に代わりました・代わりますという時に使います。そのため、担当者が代わらないのに「の方から連絡します」は不適切になります。
【担当が変わる時】
佐藤さんから急いで連絡がほしいのですが、お願いできますか?
あいにく、佐藤は席をはずしておりますので、私の方からあらためて連絡してもよろしいでしょうか?
「私の方から」は、私が代わりますという意味と伝え方を柔らかくするニュアンスを持ちます。適切な使い方ですね。
「私の方から連絡します」の言い換えは「私が連絡いたします」です。
「私が連絡いたします」は、すっきりとした言い回しですが、強めに聞こえてしまうので、クッション言葉を使うなど、シチュエーションによって使い分けが必要になります。
【担当が代わらない時】
佐藤さんから急いでご連絡をいただきたいのですが、お願いできますか?
かしこまりました。佐藤の方から至急連絡させますので、お待ちください。
この使い方は正しいでしょうか?
この場合は、担当が変わらないため、「佐藤より至急連絡させます」が適切な使い方になります。
「の方」を使わないことで文章がすっきりします
「の方」を正しく使っていても、文章をすっきりさせるために省略できる場合があります。特に、「の方」を丁寧さや婉曲表現として使うと、かえって不自然な印象を与えてしまうこともあります。
・「お店は、あっちの方にありますよ」→「お店は、あっちにありますよ」
・「私の住まいは東京の方(ほう)です」→「住まいは東京です」
・「2つの提案のうち、こちらの方にします」→「2つの提案のうち、こちらにします」
「の方」をなくすと伝えたいことが明確になりますね。丁寧な言い回しにするためには、クッション言葉をあわせて使ってみましょう。
まとめ
「の方」正しい使い方は丁寧・婉曲な印象になり、強い言い回しを避けることになります。しかしながら「の方」を使わなくても通じますし、より明確に伝えることができますよね。
シチュエーションにもよりますが「の方」を使い分けを考えてみましょう。言い回しを、より丁寧にするためにはクッション言葉を取り入れてうまく使ってみましょう。