「お申し出」の使い方と目上への言い換え【ビジネスシーン】

ビジネスシーンや日常生活でよく耳にする「お申し出」。「お申し出」はどんな時に使うのが正しいのか、目上の人に使っていいのかと悩む方も多いのではないでしょうか。

「申し出」に謙譲の「申す」の文字があるため、自分より目上の相手に対して使うと失礼に当たると考える方もいるかもしれません。

そこで、このブログでは「お申し出」の正しい使い方と、目上の人に使える言い換えを具体的な例文と合わせて解説します。

「お申し出」の意味を理解しましょう。

「お申し出」意味

「お申し出」の意味についてみていきましょう。

「お」	相手の行動のため「お」は尊敬語になります
「申し出」	意味は「申し出ること」で、名詞です

「お申し出」の意味は、自分の意見や要望を相手に伝えることです。目上の人や取引先の人に対して使います。（相手の行動に対して使います）

「お申し出ください」は目上の人に使える正しい敬語

「お申し出ください」は目上の人に使える正しい敬語です。

※「申し出」は名詞であり、名詞は、物事や概念を表す言葉であるため、謙譲語にはなりません。例を挙げると「お申し出ください」とは、謙譲語ではなく、丁寧な表現として正しく用いることができます。

※「お申し出ください」の言い換えは「おっしゃってください」です。

「お申し出」を使い方、例文

「お申し出」を使う時は、主なシーンは以下の2つです。

・目上の人に意見、提案、要望を求める時

・上記内容を丁寧に受け止める時

【目上の人に意見、提案、要望を求める時】

例）目上の人に新しい企画のアイデアを募りたい場合

ーー例えば、目上の人から新しい企画のアイデアを募りたい場合、以下のように言うことができます。

・ご意見やご要望がございましたら、お申し出ください。

・何か良いアイデアがございましたら、お申し出くださいませ。

・恐れ入ります、何かご意見やご要望がありましたらお申し出くださいますか。

・大変恐縮ですが、何かご意見やご要望がありましたら、お申し出いただきたく存じます。

・ご都合が許す範囲で、お申し出いただければ幸いです。

この場合、「お申し出ください」は、上司に対して「意見や提案をしてください」と丁寧に促す意味になります。また、取引先の人、お客様からの要望を聞く際にも、「お申し出」を使うことができます。

例）取引先の人、お客様から意見を募りたい場合

ーー例えば、取引先の人、お客様から意見を募りたい場合、以下のように言うことができます。

・お客様からのご意見やご要望がございましたら、お申し出くださいませ。

・サービス向上のためのご意見やご要望がございましたら、お手数ですがお申し出くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

そして、「お申し出」をもらった場合、以下のように答えます。

【上記内容を丁寧に受け止める時】

ーー「お申し出」をもらった場合、以下のように答えます。

・お申し出いただきまして、誠にありがとうございます。

・お申し出いただいた件について、しっかりと検討させていただきます。

・ご要望をいただき、ありがとうございます。できる限り対応させていただきます。

・ご提案いただきまして、誠にありがとうございます。

・ご意見いただきまして、ありがとうございます。今後の参考にさせていただきます。

このように、「お申し出」を使うことで、目上の人の意見や要求を丁寧に受け止め、感謝の気持ちを伝えることができます。

【取引先の人との会話】

「お申し出」の言い換え

「お申し出」の言い換えには、「おっしゃってください」「お申し付けください」「お知らせください」「お声がけください」「ご連絡ください」「ご教示ください」「仰せ付けください（おおせつけください）」があります。

「おっしゃってください」例文

「おっしゃる」は、「言う」の尊敬語です。丁寧な表現であり、相手に意見や発言を求めている時に使います。基本的に目上の人に対して使う言葉です。

・何か困ったことがあれば、おっしゃってください。

・何かご不明な点がございましたら、おっしゃってください。

「お申し付けください」例文

「お申し付けください」は、「（自分に何か）どうぞ言ってください」という意味の敬語表現です。

「お申し付けください」は、ビジネスシーンや、目上の人に対して何かを依頼する際によく使用されます。

・会議の日程が変更になった際は、お早めにお申し付けください。

・何かご要望がありましたら、お申し付けくださいませ。

「お知らせください」「お声がけください」「ご連絡ください」例文

「お知らせください」「お声がけください」「ご連絡ください」の意味は、いずれも連絡や情報の伝達を依頼する表現です。

・「お声がけください」は、より親しみやすさや柔らかさを感じる表現です。

※「〜ください」だと「ください」が命令調になりますので、丁寧語の「ませ」がつくことでより丁寧な印象になります。

・何かございましたら、お知らせくださいませ。

・何かお困りごとがあれば、お声がけくださいませ。

・ご質問やご不明点がございましたら、ご連絡くださいませ。

「ご教示ください（ごきょうじください）」例文

「教示」とは、「教え示す」意味です。「ご教示ください」は、相手に「何かを教えてほしい」という依頼の表現となります。

・この問題の答えを、ご教示いただけますか。

・この作業のやり方を、ご教示くださいませ。

「仰せ付けください」例文

「仰せつける」の意味で、「言いつける」「命じる」という意味の敬語表現です。

「仰せ付ける」は、ビジネスシーンや、目上の人に対して何かをお願いする際によく使用されます。

・何かございましたら、私まで仰せ付けください。

・私にできることがありましたら、仰せ付けください。

・何なりと私に仰せ付けください。

「お申し出ください」敬語表現の言い換え

「お申し出ください」の丁寧な表現をみていきましょう。いずれも目上の人や取引先の人に使える表現です。ビジネスシーンで使う場合は、相手との関係性や状況に応じて、適切な表現を選ぶようにしましょう。

「お申し出ください」敬語表現、使い方

「お申し出ください」「お申し出くださいませ」「お申し出いただけますか」「お申し出くださいますか」「お申し出いただきたく存じます」「お申し出いただければ幸いです」「お申し出くださいますよう、よろしくお願い申し上げます」の使い方について挙げています。

	必要な部分に補足しています。
お申し出ください
お申し出くださいませ	丁寧語の「ませ」がつくことでより丁寧な印象になります。
お申し出いただけますか、 お申し出くださいますか	依頼や提案のニュアンスの表現です。
お申し出いただきたく存じます	意味は「何か言いたいことがあれば、言っていただくとありがたい」になります
お申し出いただければ幸いです	意味は「何か言いたいことがあれば、言っていただけると、うれしいです」になります
お申し出くださいますよう、よろしくお願い申し上げます	意味は「何か言いたいことがあれば、言ってくださいますようお願い申し上げます」

「お申し出ください」敬語表現、例文

「お申し出ください」の言い換えの例文です。

・何かお困りのことがあれば、お気軽にお申し出ください。

・恐れ入ります、何かご意見やご要望がありましたら、お申し出いただけますか。

・恐れ入ります、何かご意見やご要望がありましたらお申し出くださいますか。

※「恐れ入ります」を入れることで、相手に敬意を払っているという気持ちが伝わり、より良い印象になります。

・恐れ入りますが、ご意見やご要望がありましたら、お申し出いただきたく存じます。

・ご意見やご提案がございましたら、いつでもお申し出いただければ幸いです。

・サービス向上のためのご意見やご要望がございましたら、お手数ですがお申し出くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

まとめ

「お申し出」について紹介しました。「お申し出」を正しく使いこなすためには、まずは「申し出」の意味をしっかりと理解することが大切です。「お申し出」は、相手からの「申し出」を丁寧に表現する言葉として、幅広い場面で使用できる表現です。ぜひ使ってみてください。