ビジネスシーンで、上司やお客様から貴重なお話を聞く機会は多くあります。そんな時、丁寧な印象にするために「お話を伺う」という表現を使う方も多いのではないでしょうか。しかし「お話を伺う」は二重敬語ではないか疑問に思ったことはありませんか?この記事では、「お話を伺う」のビジネスシーンでの使い方や言い換え、二重敬語についてわかりやすく解説します。
「お話を伺う」は、丁寧な言葉なので二重敬語ですか?
「お話を伺う」は二重敬語ではなく適切な使い方です♡
「お話を伺う」「お話をお伺いする」「お話をお聞きする」は、全部似ていてよくわかりません。
「お話を伺う」「お話をお伺いする」「お話をお聞きする」についてもみていきましょう♡
※「お話を伺う」「お話をお伺いする」「お話をお聞きする」の比較はこちらです。
「お話を伺う」は、二重敬語ではなく正しい使い方です。「お話を伺う」よりも丁寧な表現もあるので、ビジネスシーンでは言い換えもできたら良いですね。
「お話を伺う」の意味と使い方
「お話を伺う(うかがう)」は、相手の話を聞くことを丁寧な表現で示した言葉です。
「伺う」は謙譲語です。意味は、「訪ねる」「聞く」ですが、
「お話を伺う」の場合は、「聞く」の意味になります。
【意味合い】
・相手の話を丁寧に聞く
・相手の話を尊重する
【使い方】
・依頼や質問をする前に使う
・目上の人やお客様など、敬意を表したい相手に対して使う
謙譲語とは?自分がへりくだる表現で、自分を下(した)にすることで、相手を立てます。
「お話を伺う」の例文
「お話を伺う」を使った例文を場面ごとにみていきましょう。
【お客様や取引先】
・新商品の〇〇について、お話を伺えますと幸いです。
・なにかお困りな点がございましたら、お話を伺えればと存じます。
【上司や先輩】
・お話を伺い、大変勉強になりました。今後の業務に励んでまいります。
・お話を伺えて光栄です。今後の業務に活かしていきたいと思います。
【社内での会話】
先輩のお話を伺い、大変勉強になりました。今後の業務に励んでまいります。
良かったです。頑張っていきましょう。
上記の会話をみてみましょう。
・後輩は、先輩の話を「伺う」という謙譲語を使って、先輩への敬意を表しています。
・「話を聞きました」ではなく、「お話を伺い」と表現することで、先輩の話に熱心に耳を傾けたことを示すことができます。
・「お話を伺い」を使うことで、後輩が先輩に対して礼儀正しく、かつ真摯な態度で接していることが伝わります。
「お話を伺い」を使うことで良い事がいっぱいですね♡
「お話を伺う」は、正しい使い方
「お話」は「話」に「お」がつくことで丁寧な言葉になります。
「伺う」は、「訪ねる」「聞く」「尋ねる」の謙譲語です。
そのため、二重敬語にはならず、正しい使い方の敬語となります。
「お話をお伺いする」は、二重敬語です
「お話を伺う」と似ていますが、「お話をお伺いする」は、二重敬語になります。
二重敬語とは、1つの言葉に同じ種類の敬語を2回重ねて使うことです。
・「伺う」は謙譲語のため、自分の動作が対象になります。そのため「お」伺いの「お」の部分も、謙譲語になります。
・「お話をお伺いする」は、謙譲語+謙譲語になり二重敬語となりますし、「お〜する」のかたちでも謙譲表現になります。
「お話をお伺いする」二重敬語ですが、一般的に使われている表現のため使用しても良いとされています。
「お伺いする」「お伺いいたします」「お伺いします」「お伺いさせていただきます」「お伺い申し上げます」は二重敬語です。
丁寧な言葉遣いだから、敬語は重ねてもいいのかと思っていました。二重敬語はいけないのですね。
二重敬語のメリットとデメリットをまとめてみました♡
【二重敬語のメリットとデメリット】
相手を敬う気持ちは大切です。しかし、二重敬語は回りくどくなり、相手に配慮が欠けていると捉えられてしまうこともあります。
日常会話では、二重敬語は一般的に使われており、必ずしも間違いとは断言できません。特に、目上の方への依頼や改まった場面では、二重敬語の方が丁寧な印象を与える場合もあります。
二重敬語を使うかどうかは、状況や相手との関係性を考慮する必要があります。
「お話をお聞きする」は正しい使い方
「お話をお聞きする」は正しい使い方です。
「お聞きする」は、「お〜する」のかたちで謙譲表現になります。
・お名前をお聞きしてもよろしいですか。
・もう一度お聞きするかもしれませんが、ご協力お願いいたします。
「お話をお聞きする」は、「お話を伺う」に言い換えることができます♡
※「お聞きする」についての記事です。「伺う」との違いについてもわかりやすく書いています。
「お話を伺う」の敬語表現
「お話を伺う」は、相手への敬意を込めた丁寧な表現として広く使われています。「お話を伺う」を使った敬語表現をみていきましょう。
ニュアンスの違いをわかりやすく解説しています♡
「お話を伺えますと幸いです」
「お話を伺えますと幸いです」
意味:相手に対して丁寧かつ敬意を込めて、話を聞きたい旨を伝える表現です。
使い方:「幸いです」は「嬉しいです」と言う意味の丁寧な表現で、相手への敬意を表します。許可を求めるニュアンスが少し強くなります。
・〇〇について、お話を伺えますと幸いです。
「お話を伺えればと存じます」
「お話を伺えればと存じます」
意味:相手に対して丁寧かつ敬意を払いながら、話を聞きたいことを伝える表現です。
使い方:目上の人や敬意を払う場面で使うのに適しています。
・商品の不具合について、詳しくお話を伺えればと存じます。
「お話を伺ってもよろしいですか」
「お話を伺ってもよろしいですか」
意味:相手の話を聞いても良いかどうか、丁寧に許可を求める表現です。
使い方:目上の人や敬意を払う場面で使うのに適しています。
・先輩、〇〇について質問したいのですが、今、お話を伺ってもよろしいでしょうか?
「お話を伺えて光栄です」
「お話を伺えて光栄です」
意味:相手の話を聞けたことに対して、感謝の気持ちを述べる表現です。
使い方:「光栄です」は、目上の人に対して使う表現です。話を聞いた後にお礼を述べる際に適しています。
・貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。お話を伺えて光栄です。
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「お話を伺う」の言い換え、類語
「お話を伺う」の言い換え、以下の表現は、いずれも汎用性が高く、幅広い場面で活用できるので、ぜひ参考にしてみてください。
ご教示(ごきょうじ)いただく
意味:相手から知識や情報を教えてもらう表現です。
例文:この分野について、ご教示いただければ幸いです。
ご意見を伺う
意味:相手の意見や考えを尊重し、積極的に聞き取ろうとする姿勢が強い表現です。
例文:新商品ついて、お客様のご意見を伺いたいと思っております。
お話を拝聴(はいちょう)する
意味:相手の話を熱心に、真剣に聞く姿勢を強調しています。かしこまった場面や目上の人に対して使う表現です。
例文:ご講演を拝聴し、大変勉強になりました。
まとめ
「お話を伺う」は丁寧な表現で、相手への敬意を表すことができます。状況に応じて言い換えるとより適切な表現になります。
「お話を伺う」「お話をお伺いする」「お話をお聞きする」の違いや二重敬語について、参考にしていただけたら幸いです。