「ご教示ください」「ご教授ください」、ビジネスシーンでどちらを使えば良いか迷ったことはありませんか? どちらも丁寧な表現ですが、使い方に違いがあるのをご存知ですか? この記事では、二つの言葉の意味の違い、ビジネスシーンでの適切な使い方、例文、敬語表現、言い換えについてわかりやすく解説します。
「ご教示」と「ご教授」の違いが、どうもよくわかりません。
「ご教示」「ご教授」は、どちらも教えてもらうという意味合いですが、ニュアンスに少し違いがあります♡
使い分けとしては「ご教示」は、その場で簡単に教えてもらえるような内容、「ご教授」は、専門的な知識や技能を時間をかけて教えてもらうような内容になります。
「ご教示」の意味と使い方
「ご教示」は、
・相手に簡単に答えられるような質問をする場合
・比較的短時間で教えてもらえることができる場合 です。
ビジネスシーンでは、ほぼ「ご教示」を使うのが適切です。
・入力方法についてご教示くださいませ。
・恐れ入りますが、会議の資料をご教示いただければ幸いです。
・恐れ入りますが、明日ご出席される方の人数をご教示くださいませ。
「ご教授」の意味と使い方
「ご教授」とは、教えるという意味で、教える内容が、学問や専門的な知識や技術の時に使います。
・一年間の研修期間中、ご教授のほどお願い申し上げます。
・専門的な知識と経験をご教授いただきますようお願い申し上げます。
・貴社の研究について、ぜひ私どもにもご教授いただけたらと思っています。
「ご教授」は、専門的な知識・スキルを教えてもらいたい時に使う。ビジネスシーンですと、「ご教示」を使うことになりますね。
教えてもらいたいことが、時間がかからないことであるのに、「ご教授」を使うと相手に対して失礼になります。シチュエーションにもよりますが使い分けに気をつけましょう。
「ご教示」「ご教授」の敬語表現
「ご教示」「ご教授」の丁寧な表現についてみていきましょう。
「ご教示〜」「ご教授〜」のあとに続く言葉遣いをみていきましょう!
「ご教示くださいませ」「ご教授くださいませ」
「ご教示くださいませ」「ご教授くださいませ」についてです。「ください」は敬語ですが、丁寧さに欠けるため社内で使うことが適切です。
「ください」が命令されているように感じることもあるため、「くださいませ」にすると優しい、やわらかい表現になります。
・本件のデータについてご教示くださいませ。
・どうか私にその専門知識の基礎を、ご教授くださいませ。
「くださいませ」の方が、やわらかい表現でいいですね!
「ご教示願います」「ご教授願います」
「ご教示願います」「ご教授願います」についてです。「願います」は敬語ですが、社外で使うには、丁寧さに欠けるため。社内で使うことが適切です。
「どうか」をつけることで、心から丁寧に頼み込む気持ちを表します。
・明日使う資料をご教示願います。
・どうか、料理の知識をご教授願います。
「どうか」も上手に使いましょう!
「ご教示のほどお願い申し上げます」「ご教授のほどお願い申し上げます」
「ご教示のほどお願い申し上げます」「ご教授のほどお願い申し上げます」についてです。とても丁寧な言葉遣いです。社内、社外で使うことができます。
「申し上げます」「いたします」どちらでも丁寧ですが、「申し上げます」の方がビジネスシーンで使われている表現です。
【補足です】「〜のほど」のとは?断定を避け、やわらかい表現をしたい時に使います。
・今後の対応についてご教示のほどお願い申し上げます。
・一年間の研修期間中、ご教授のほどお願い申し上げます。
【メールで「ご教示のほどお願い申し上げます」を使った例】
「ご教示いただきますようお願い申し上げます」「ご教授いただきますようお願い申し上げます」
「ご教示いただきますようお願い申し上げます」「ご教授いただきますようお願い申し上げます」についてです。
社外で使うことができますが、社内だと堅苦しい印象になることもあります。「いただく」はもらうの謙譲語です。
【取引先との会話】
お忙しいところ大変恐縮ですが、〇〇についてご教示いただきますようお願い申し上げます。
かしこまりました。早急にご案内させていただきます。
「ご教示いただければ幸いです」「ご教授いただければ幸いです」
「ご教示いただければ幸いです」「ご教授いただければ幸いです」についてです。とても丁寧な言葉遣いです。社内・社外で使えます。
「幸いです」は、してもらえると「嬉しいです」という意味です。お願いをしたい時に使います。丁寧でやわらかく依頼をする表現です。
相手の都合を考えた謙虚な言葉遣いですが、「教えてくれたらうれしいけれど、教えてくれなくてもいい」というニュアンスにもなります。本当に依頼したい時は、ほかの言い換えを使いましょう。
【取引先との会話】
なにかあればご教示いただければ幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。
かしこまりました。確認させていただきます。
「ご教示」「ご教授」の言い換え・類語
「ご教示」「ご教授」の言い換えです。いずれの表現も丁寧な敬語のため、目上の人や敬意を払う場面で使うことができます。
「ご指導」
意味合い:より広い範囲での指導や助言を意味し、「ご教示」「ご教授」よりも幅広い場面で使えます。
例文:来月の会議の準備は、先輩にご指導いただきながら進めています。
「ご助言」
意味合い:特定の課題や問題に対して、意見やアドバイスを求める際に使用します。
例文:〇〇の件についてご助言をお願いできますか。
「ご指南」
意味合い:特定の技術や技能を教える、指導するという意味合いが強く、専門的な知識を持つ相手に対して使うことが多いです。
例文:〇〇の分析についてご指南いただけますか。
まとめ
簡単な指導やアドバイスがあれば解決する問題については「ご教示」を使います。「ご教授」は専門的なことを教えてもらう時に使います。しかしながら専門的な職種の場合もあります。難しいところですが、状況によって使い分けをしてみましょう。「ご教示」「ご教授」後に続く言い回しによって丁寧さが変わってきます。適切な使い方ができたら良いですね。